雷雨でスタートできなくても、キャンセル料を請求するゴルフ場   2005.08.05


 津カントリークラブでの出来事である。章くんは同級生3人で10時30分のスタート予定であったが、朝からあいにくの雨。「とにかくゴルフ場へ行ってみよう」と言い合わせて出かけたところ、雷も鳴ってきて、スタート係りは「注意報が出ているので、しばらくスタートできない」と言う。
 既にコースへ出ていた人たちも、ずぶ濡れになりながら、次々とクラブハウスへ引き上げてきた。
 章くんたち、コーヒーを飲みながら12時まで待ったけれど、「まだ、スタートできない」と言うので、同伴競技者の中に「6時には会社へ戻らなければならない」というものも居て、「じゃぁ、今日は帰るわ」と言ったところ、「キャンセル代、お1人2000円をお支払い下さい」と言う。
 「冗談じゃない。僕たちはゴルフをするつもりでクラブハウスまで来ていて、雷だからスタートできないと言われ、じゃあ今日は帰るというのだから、キャンセルしたわけじゃなくて、不可抗力じゃないか」と主張したのだけれど、「いえ、当クラブはキャンセル代をいただくことになっていますので」と、担当くんは規定通りの対応をするばかり。
 他の客からもキャンセル代を徴収していたから、僕たちが支払う必要はないと押し通せば、徴収済みの他の客にもそれなりの対応をしなければならない。
 言うことは言い、それでも「規定ですから」と繰り返す担当くんに、わずかな金額でこれ以上モメルのもまずいかなという判断も働いて、「君の立場もあるだろうから…」と、章くんたちは各2000円のキャンセル代を支払ってきた。


 もう一度、問題点を整理してみよう。
 章くんたちは、その日のスタートをキャンセルしたわけではない。自分の都合で「今日は行けない」と言ったわけでなく、ゴルフをするつもりでクラブハウスまで行っている。
 そこで雷が鳴っていて、クラブ側が「スタートを見合わせます」と言ったわけで、この判断も妥当である。
 章くんたちは、コーヒーを飲みながら、雷雲が立ち去るのを待った。
 待つこと2時間…。お昼になっても、まだスタートOKのサインは出ない。これからスタートしていたのでは、午後6時に予定のあった同伴競技者が間に合わなくなるということもあって、今日のプレーを断念し「帰ります」と言ったわけだ。
 すると「キャンセル料をお支払い下さい」と言う。
 繰り返すが、章くんたちはキャンセルしたわけではない。むしろ、プレーしたくてクラブハウスまで行っているのに、雷でプレーできなかったわけである。
 「キャンセルしているわけじゃない。不可抗力でスタートできないんじゃないか」と言っても、担当の男の子は「当クラブの規定です」と繰り返すばかりであった。
 「君の立場もあるだろうから…」と支払ってきたのが、間違いだったのだろうか。「他の客の分も、全部返せ」、「理は我にあり、訴訟しろ」と押し切って帰って来るべきであったか。


 雷で、スタートできなかったのである。天変地異でも、不可抗力でも、とにかくスタートしない客はキャンセル料を支払えというのは、明らかなゴルフ場側の誤りだろう。
 それ以来、章くん、そのゴルフ場へは行っていない。年会費の支払いも拒否している。ゴルフ場からは何の連絡もない。



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