【69】
 タイからの友人 吉井太郎さんを迎えての3日間
       2007.07.20-22


 (デジカメを携帯していなくて、写真はすべてケイタイ電話のカメラで撮ったものです)


 タイへゴルフに行くと、毎年大変お世話になる吉井太郎さんから、「三重へ行きます。20・22日にゴルフをしたい。勝負…!」というメールが舞い込んだ。
 章くん、2月にタイから帰って以来、2回しかラウンドしていない。でも、遠来の友を迎えるのに、「最近、やってないから…」なんて言い訳は通用しない。かといって、グロス負けというわけにもいかない。そこで一計を案じた…『タイ大平原に広がるバンコクのゴルフ場は平坦なコースばかり。アップダウンのある山岳コースへ案内すれば、太郎ちゃんは大叩きするに違いない』…と。
 さらに、「20日はお昼前に津に着くから、午後のスタートを取ってくれ」という注文だ。タイでは、朝の6時ごろから夕方の5時ごろまで、ゴルフ場に行けばスタートさせてくれる。だから、日本でも午後スタートと言えば、簡単に予約できると思っているのだ。
 章くんは、『それは日本じゃ無理だ』とは言わない。近隣の山岳コースを探しまくり、知人のツテをたぐって、20日午後1時のスタートを確保した。10年ぶりの名松CC


 20日(金)、10時30分、太郎ちゃん、津駅到着。そのまま名松CCへ走り、着いたのが11時過ぎ。「1時にお願いしてあるんだけれど、今から食事をするので12時ごろにスタートできるかな?」と、厚かましいお願い。「じゃぁ、11時55分スタートのスループレーで」と便宜を図ってくれ、しかも6500円で回らせてくれるという。
 太郎ちゃんは、スプーン・5・7・9・P・Sと6本のクラブをタイから持ってきている。ドライバーと4・6・8、そしてパターは、章くんが家の物置に眠っていたセットから抜き出して用意した。
 ドライバーでは3発ぐらいOBを打っていた。後半は、自分のスプーンでティショットしていた(笑)。
 でも、パターがよく寄り、よく入った。「このパター、馴染みますね」と言うので、進呈することにした。章くんの友人がシングルコンペの記念品に参加者に配ったもので、ソールに本人と章くんの名前が掘り込んであるが、「全然気にならない」と言うので、倉庫でホコリをかぶっているよりも名松CC レストラン前の花壇貰ってもらうほうがいい。
 そのパターの活躍はあったものの、山岳コースだから前上がり…左足下がり…と多彩なショットを要求され、打ち上げ…打ち下ろし…に距離感を乱されて、太郎ちゃんは46・52の98。章くん、44・46の90と作戦勝ち!
 10年ぶりぐらいにラウンドした名松CCは、芝生が厚く張り、木々が大きくなっていた。開場以来勤めているというアウトの茶店のおばさんと、昔の思い出話で盛り上がった。
 太郎ちゃん、「タイのゴルフ場のプレーフィは800〜1500バーツ(約3000〜5600円)、カート代600バーツとキャディフィ250バーツの合計が850バーツ(約3200円)。総計、日本円で6000〜9000円ほどですから、タイが安いってことないですね」と、日本のゴルフ代の安くなったことに感心していた。


 ゴルフのあと、「夜は名古屋で友人と会います。明日また、お昼に津に来ます」と太郎ちゃんは、津駅発17時41分の「快速みえ」で名古屋へ向かった。2週間のJRフリーパスを買ってきているので、JRはどれだけ乗ってもタダなのだそうだ。




 21日(土)、午後1時18分、津駅着の「快速みえ」に乗って、太郎ちゃんは現れた。「昨夜は、ナントカ銀という店で、名古屋コーチンを食べて美味しかった」と言っている。
 「鳥銀か?」と確かめると、「それそれ…」と相槌を打って「今夜も、ナントカ金とか銀とかいう店が美味しいと聞いてきたんだけれど、松坂肉を食べたい」と言う。松坂肉の老舗『和田金』と『牛銀』のことを言っているのだ。
 「牛銀」には良い思い出のない章くん、「和田金ならば味は一流だけれど、飲んで食べて一人前2万円ぐらいかなぁ」と言うと、太郎ちゃん「味は一流、値段は二流という店はないですか?」と粘る。「焼肉店なら4000〜5000円だけど」…、「松坂肉を堪能するにはどうですか?」…、「やっぱりすき焼きかな」…といったやり取りがあって、章くん、『海津』を思いついた。ここならば、1万円ぐらいであがるだろう。
 と、その前に昼食…だ。せっかく三重に来たのだから、伊勢志摩の魚を食べさせたいと、松坂港近くの『藤吉郎』へ走ったところ、午後2時30分になっていて休憩(中抜き)時間にかかってしまった。『味孝』『鈴木水産』などをのぞいてみても、どこも休憩している。
 やっとたどり着いたのが『魚忠寿司』。回転寿司なのだが、ここは注文の仕方にコツがあって、『活きヒラメ』とか『活きカツオ』とか『活き…』をつけて頼むと、奥から特別品を出してきて握ってくれる。章くんが時々立ち寄る店のひとつである。
 章くんがヨコワ・カツオ・トロ鉄火…と注文するのに、太郎ちゃんはタイ・ヒラメ・ハモ…など白身ばかりを頼んでいる。聞いてみたら、この3月に痛風が出たと言う。
 キングサーモンを注文して、「タイやヒラメも日本のものは美味しいけれど、こんなに美味しいサーモンは食べたことがない」と言っていた。サーモンが好きで タイではサーモンばかり食べていると言うのだ。
 章くんにしてみれば、寿司屋でサーモンを頼むなんて考えられないのだが、「タイの魚は総じて美味しくなくて、サーモンならばどうにか食べられる…。だからタイではサーモンばかり食べている…。サーモンは高タンパク・高カロリーのダイエット食…、モデルの子なんかは好んで食べる…」と熱弁をふるう太郎ちゃんは、ずんぐりむっくり(笑)。でも、2月に75Kgあった体重を、今は65Kgに減らしたとか。「サーモンで減らした」と笑う。

榊原館 パンフレットより
 食後は、榊原温泉「榊原館」へ。タイには火山がない、だから温泉もない。沸々と地下から湧き上がる湯に浸る体験は、タイの人には悦楽の境地なのだ。
 でも、太郎ちゃんは、「慣れてないので、熱くて入っていられない」と、露天プロの露天にばかり居たがるし、「もう上がりますか」と声をかけると、ホイホイと出てきた。


 午後7時、太郎ちゃんが東京に住んでいた小学生のころからの友だちで、在日韓国人の姜(かん)さんと、津で合流した。
 姜さんは、日本で大学を卒業後、ソウルで一族の会社に就職して10年…、今年の4月に日本の同族会社へ転じて、奥さんと4歳の二卵性双子の男の子との4人で名古屋に移り住んだばかり。
 ソウル在勤時には定期的にバンコクへの出張があり、太郎ちゃんと姜さんは天使の都で年に何回か旧交を温めていたらしい。今日は太郎ちゃんが三重県でゴルフをするというので、前夜の松坂牛を食べる会から付き合ってくれるのだ。「海津」の霜降り肉
 「章さん、韓国人って大丈夫ですか?」と太郎ちゃんが気を使う。和洋中華…何でも好きで、世界の果てまでも一人で出かけるぞという国際的野良猫の章くんに死角はない、「韓国人が苦手」というほうが解らない。歴史認識をめぐって白黒はっきりしろと言うのならば、これは一歩も引くわけにはいかないが、韓国人も韓国料理も大好きである。

炭火で煮上げる





 「海津」の座敷へ上がったのが、午後7時45分。
特上すき焼きを注文して、待つことしばし、おねえさんが大皿に盛った霜降り肉を運んできた。
 まずは、脂身でさっとなべ底に脂を敷いて、1枚の肉を乗せ、砂糖をふりかけ、割下で味をつける。
シンプルなタダそれだけの調理で、まずは1枚…、溶き卵もつけずに、肉そのものを味わうのが海津流だ。
 「うわぁ美味い。感動した。」「今まで食べてた肉は何だったんだ。」と太郎ちゃんはいたく感動!
 そう言ってもらえば章くんとしては面目躍如…、案内した甲斐があったというものだが、今日の海津のすき焼きの味は、本当のところちょっと物足りない。次回は和田金か…、それとも章くんちへ案内して、朝日屋の霜降り肉を納得の味付けで振舞おうか。


 津へ戻って立ち寄った スナック「三重子」の奈奈ちゃんに 太郎ちゃんは「色が白いね」と感動していた。タイで見る女の子は 全員色黒だからね。




 22日(日)、津ターミナルホテルに、太郎ちゃんと姜さんを迎えにいって、8時30分出発。今日の「美杉CC」は津から1時間ほど走る、奈良県境の山岳コースだ。平地に比べて、5〜6℃は涼しい。美杉CC クラブハウス
 9時30分到着、コーヒーを飲んで、すぐにスタートだ。
 オナーは姜さん、第1打、最近仕入れたというテーラーメード・バーナードライバー、「絶対に左へは引っ掛けないのですよ」と言いながらビューンと力強く一閃…。ボールは、右の林を越えて、隣ホールのフェアウエイの真ん中にあった。
 ドライバーショットの通り、なかなかに豪快な快男児である。結婚して7年、韓国語と日本語を操る奥さんと、4歳になる双子の男の子を伴い、新しい日本出の生活を切り開こうとする気概に満ちている。太郎ちゃんに言わせると、『明るく元気で賢い奥さんの支えがあってこそ』という奥さんは、もとJALのCAだ。
 2番手は太郎ちゃん、スプーンを持っている。姜さんとの幼馴染対決があるので、今日はスコアにこだわると言う。
 この二人の対決、ティグラウンドでは「出ベソだ」「出てないだろう」と揉め、グリーン上では「どちらが遠いか」で揉めるなど、ホントに仲良しだ。幼馴染…同級生…というのはいいものである。美杉CC 18番ホール
 前半インのスコアは、章くん45、太郎ちゃん44、姜さん45、デットヒートだ。後半は…、スコアカードを紛失してしまって、章くん、自分の47は確かなのだが、二人のスコアは定かでない。太郎ちゃんも、姜さんも、8とか9とかを2つ3つ打っていたから、グロスは50を超えていたと思われるが、同級生対決はタイランドに軍配が上がったのか、韓国が勝ったのか、判らない。
 そんな2人に6ホールのハンディを出してホールマッチとニヤピンをニギッていたので、章くんは太郎ちゃんに1000円、姜さんに3500円の負け…。


 一昨日の名松ゴルフクラブは 午後スループレーで6500円。 今日の美杉ゴルフクラブは日曜で昼食付き11000円。タイのゴルフ場に比べれば、芝生の状態やコースメンテナンス、また食事、レストラン、お風呂などの設備など、何といっても優れている。
 日本では 一人に一人ずつ付く かわいい(?)キャディさんというわけにはいかないけれど、現今のタイのプレーフィは 良心的な業者で(送迎込み)、最も高いナワタニGCで平日4800パーツ(18000円)、週末6200バーツ(23000円)。平均的な ザ・ロイヤルGC 平日2550バーツ(9200円)、週末3600バーツ(13600円)。さらに、乗用カート600バーツとキャディフィ250バーツが別に要る。
 太郎ちゃんは言っていた。「この辺には、こんなに安いゴルフ場がたくさんあって、山や海の美しい風景に恵まれ、温泉、美味しい魚や松坂牛…、温暖な気候…、何でタイへゴルフに来るのですか?」…と。


 午後8時30分にイタリアから帰ってくるお姉さんを、中部国際空港へ迎えに行くと言う姜さんを津インターへ誘導したあと、太郎ちゃんを津駅へ送った。明日は、岩手県へ行くと言う。
 別れ際に、「来年の1月か2月にタイへ行きますから、太郎ちゃん、バンコクに居たら、またお手合わせを…」と言ったら、「えっ、タイへゴルフしに来るのですか?」と笑った。
 でもね、太郎ちゃん、旅の醍醐味は異国情緒…。異国でゴルフをしているんだという、あの非日常性がいいんだと思うんだけど…。


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