【95】 第111回全米オープン ロリー・マキロイが
コングレッショナルCC ↑
ぶっちぎり優勝
 
2011.06.19

 
 第111回全米オープンは、19日、首都ワシントン近郊の「コングレッショナルCC」(7574ヤード、パー71)で最終ラウンドが行われ、2位に8打差の首位で出た22歳のロリー・マキロイ(英・北アイルランド)が4バーディー、2ボギーで回り、通算16アンダーの268でメジャー大会初優勝を果たした。


 2位に8打差をつける圧勝、恐るべき22歳の出現である。72ホールの最少ストローク(268)、72ホールの最多アンダーパー(16アンダー)の更新のみならず、パーオン率86%(62/72)というのは、USGAが同スタッツを取り始めてからの新記録でもある。


← クラブハウス前。10番のティグラウンドと左手が
  10番グリーン
  池の向こうに見えているのが、18番グリーン



 タイガーウッズがメジャーに勝てなくなってからあと、世界のゴルフ界は全てのメジャー大会に異なる選手が優勝するという群雄割拠の様相を呈している。逆に言えば、ドングリの背比べの状態であって、絶対的なスーパースターのいない世界はいまひとつ魅力のないものであった。
 マキロイが、今すぐにウッズの跡を継いでゴルフ界の主役になれるかどうかはまだ断定するわけには行かないが、今日のブレーに見せた、ショットの切れ、パットの繊細さ、プレースタイルの豪快さ、そして全体的な安定感は、近い将来に必ずや世界のゴルフ界を牽引する存在になることは間違いない。加えて彼は白人である。大衆やマスコミ、そしてスポンサーからも、圧倒的な支持を得て、大輪を開かせることだろう。

18番グリーン→
 529ヤード
    パー4



 ゴルフは、500ヤードを越えるパー4の時代に入ったということか。


← 18番、グリーンへ向かってセカンドを打つマキロイ


 構えてすぐに打つ歯切れの良さ、ショット・パットともに寄るだろうという安定感が感じられること…など、見ていてものに安心感を感じさせる。構えると、彼ならばきっとやってくれるだろうという期待感が漂い、また、結果はおおむねその期待を裏切らない。スーパースターの素養があるということだ。


 全米オープンは、来年から日本ツアーの1・2位の招待枠がなくなる。だから、日本からはこの時点の世界ランキング40位以内に入っていなくては招待されず、来年、日本選手は誰一人として出場しないという事態も考えられる。そんなことにならないように、日本ツアーは安易なコース設定で、アンダーパーの出やすい試合を繰り返しているのでなく、より厳しいコースで選手たちの技量を磨くことを心がけねばならない。
 もうひとつ、羽川 豊の、結果を見てから喋る、後出しの思い込み解説には、いつもながら辟易した。例えば構えを見て、「この状態だと右のバンカーへ突っ込みますね」と言うのなら聞く耳を持つけれども、右のバンカーへ入ったのを見て、「右肩が下がっているから右に出るのです。左の池を嫌がったショットですね」なんて、結果は見れば解ることだし、また、左の池を恐れずに果敢に攻めようとしていたかもしれないのである。みんながみんな、羽川のようなチキンハートの持ち主ではないはずだ。つい、『だからお前さんは、一流になれなかったのさ』と突っ込んでしまった。


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