【64】 大雨の南山CC ― それでも楽しい 英夫妻のゴルフ ―    2006.05.07


 世はゴールデンウイーク。出かけるのは平日と決め込んでいる僕は、ゴールデンウイークは寝て過ごそうと決めていたところ、「7日、南山CCへ来ないか」と同級生の英(はなぶさ)昇一君から電話がかかった。
 南山CCは、井上誠一氏の設計による、中部の名門難関コースひとつ。昨年、英に会ったときは、「会社が潰れる」と泣きを入れていたのに、「南山を買った」とはどういうことだ。それも、奥さんの礼子ちゃんと一緒に2口も…。
 ということで、ゴールデンウイーク最終日の7日(日曜日)、南山CCへ向いて走った。午前9時のスタート、英宅へ8時に着く予定で、6時15分に出発だ。だから、5時45分に起きねばならない。
 しかし、5時45分といえば、いつもの寝る時間だ。この日だけ12時に寝て6時前に起きようというように、体というものは具合よく出来ていないようである。2〜3日前から、早く寝るようにしたのだが、午前0〜1時頃に床に就くと、なかなか寝付かれないし眠りは浅く2時・3時ごろに頻繁に目を開く。目覚ましをかけて7〜8時ごろに起きてくると、体は時差ボケ状態で、一日中ボーっとしていて何かしらだるい。
 そんな日々を繰り返しながら、前夜は0時30分にベッドに入ったところ、やがて寝付いてしまった。
 パチッと目を開いたのが、3時30分。モチロン外はまだ真っ暗だけれど、妙に爽やかな目覚めで、エィッと起きてゆっくりと朝食をとる。
 午前5時20分、ちょっと早いけれど出発だ。もう、世の中は十分に明るい。既に、雨は雨音を立てて降っている。英から中止の電話は入らないから、雨天決行なのだろう。車の中で聞いた「天気予報」は「愛知県地方、大雨・洪水・波浪注意報」と伝えている。
 伊勢自動車道から東名阪を走り、途中のSAでコーヒーを買ったりして、名古屋高速の本郷ICを出たのが6時40分。長久手の英宅へは、もう10分だ。約束の8時には早すぎるので、近くで見つけた喫茶店へ入ってコーヒーを飲み、7時50分、英宅へ着いた。


 「とにかく、行くだけ行ってみようか」と、英が言う。ゴルフ場がクローズにならない限りスタートするのがアマチュアゴルファーというものだ。プロは仕事でゴルフをしているのだから、プラスにならないと判断すればやらなくても良い。むしろマイナスになると判断したら、やらないと言う厳しさが必要だろう。しかし、アマは同伴者の意向、ゴルフ場の都合、その他もろもろの客観的状況の中で判断しなければならないものであって、自分の意思を最優先させるのはワガママというものだ。
 1番のティグラウンドでアドレスをしたら、全身ずぶ濡れであった。左右ともに落ち込んでいるスタートホール、トップボールを打った章くんの球はフェアウエイのまん中…。4オン3パットのトリプルボギーのスタートだ。
 同伴は英夫妻と、日比さん…50才過ぎの物静かな好漢である。しのつくこの雨の日に、嫌といわずにラウンドに付き合ってくれる、それだけで良い人だということは解るというものだ。事実、ずぶ濡れのラウンドにも、淡々とホールを重ねていく。普通ならば、「なんだこの雨は…」ぐらいのぼやきも出ようものだが、このメンバー、こと言も不平不満を言わずに「ナイス、ダボ」などと声を掛け合ってホールをこなしていった。


 しかし、ハーフを終えたところで、英が「ハーフで上がる」と宣言…。「英さんが上がるのならば…」と日比さんもリタイア…。礼子ちゃんは「章くんが行くならば、私は付き合う」と頼もしい。それを聞いては、章くんは止められない。
 下着からズボン・シャツ・カッパまで一式を着替えて、インのスタートへ。着替えを用意していない礼子ちゃんは、きっと雨がしみこんで寒かったことだろうと思う。それでも「昨日、このカッパを買って来たからね」と完全防水の雨合羽を着て、元気いっぱいに頑張ってくれた。
 が、4ホールほど行ったところで雷が鳴り出し、あえなく中断。「逃げろー」とカートを飛ばしてクラブハウスへ引き上げてきたが、途中で一人のプレーヤーも見なかったということは、プレーしていたのは章くんたちだけだったということか。
 それでも、風呂場へいくと、朝から行なわれていたクラブ競技「理事長杯予選」に出場した面々が居て、「すごい雨で集中力が続かないよ」「いつも、雨の日はキャンセルなんてやってるから鍛えてないわなぁ」「誰も90が切れてない」「僕なんか、100を叩くところだった」と、並み居るシングル連中が反省の弁を述べていた。


 夜、名古屋の中華料理「華山」にて、夕食をご馳走になった。大雨の中のゴルフだったが、久し振りにご一緒させてもらった英夫妻…。雨にも負けず、ずぶ濡れでも楽しい…一日であった。近日また、天気の良い日を選んで、英夫妻へのお礼とともに、井上誠一氏にご挨拶に伺うつもりである。


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