【15】 全国体力テストも、三重は全国平均を大きく下回る     2009.01.21
 

 今年度、全国の小学校5年生と中学校2年生の全児童生徒243万人を対象として実施された「全国体力テスト」の結果が発表された。
 調査の名称は「平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」といい、握力、ボール投げ、反復横とび、50メートル走など8種目について調べる。子どもたちの体力低下は年々深刻で、国として都道府県間の体力格差などの実態を把握するのが狙いだ。朝食を食べているかどうかなども尋ね、体力と生活習慣、食習慣などの相関関係も調べている。
 昨年度から始まった全国学力テスト(小学6年、中学3年)の体力版であり、同省では「各学校や家庭が子供一人ひとりの体力を把握して、体力向上につなげてほしい」という趣旨だ。


 子どもたちの体力は、昭和60年をピークとして、以後、下降の一方をたどっている。自然が乏しくなっていく都市環境、子どもたち同士で外で遊ばなくなった現状、学習塾だゲームだと時間を取られる子ども社会の事情など、子どもたちの体力が落ちていくのもむべなるかなと思わされる。
 小学生の第1位が男女とも福井県、中学生は男女とも千葉県という結果は、テストの実施方法に議論の残るところだが、教育が子どもたちの体力を作っていくことを示している。テレビゲームよりも面白い世界がそこにあることを、子どもたちに教えていかなければなるまい。
 

 さて、三重県はと見てみると、全国の集計結果はまだ手元にないのだが、NHKが伝えた東海3県の結果によれば、


  三重県の全国順位は 小学校  男子 … 44位、 女子 … 42位
            中学校  男子 … 35位、 女子 … 32位 であった。


 全国は1都1道2府43県、すなわち47都道府県だから、その中間は24位である。三重県は、小中学校男女の全てにおいて、全国の中位を大きく下回っている。統計の取り方にもさまざまな齟齬があることはわかるが、小学校男子の44位といえば最下位から4番目の位置である。
 昨年実施された「全国学力テスト」の結果も、三重県は全国平均にはるかに及ばぬ、惨憺たるものであった【参照】。小中学校の国語・算数(数学)(それぞれ、A…基礎的な問題・B…応用力を問う問題に分かれていた)全8種類の問題で5種類に40位以下の結果が出た全国学力テストの結果を受けて、三重県教育委員会は「三重県はグラブ活動などに力を入れているので…」とコメントしていたが、この度の全国体力テストの結果を合わせ見て、何んとコメントするのだろう。
 そこでも提言したが、三重県は学力・体力アップのために、実効的なプログラムを組み上げ、実行することを急がなくてはならない。
 三重県教職員組合が選挙の支持母体である連合三重の中核を占めているから、三重県の学校教育は野呂知事では手も足も出ないなどと言っている場合ではあるまい。教育行政の担当者の責任は重大であり、むしろ教育界の中から、改善への提案がなされてしかるべきであろう。
 しかし現状は、教育界の中から改善の声か上がるのを待っていては「百年清河を待つ」の感があって、いつまでたっても実現されることはないのだろう。ここでは、教育現場と教育行政をPTAや各種の教育団体、そしてそれを取り巻く社会が一丸となって、子どもたちの知力・体力の向上を図っていかねばならない。

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