【物見遊山1】 ご開帳 鴨川の床席 (2002.5.30)

店開きした 鴨べりの川床
 先日のラウンドで「91」を叩いたその日には、これからぁ練習するぞ!と密かに決意したのだけれど、その後はいっこうにクラブを持つ気配がない。今日も、夕方、練習場へ行こうかなと思って家を出たのだけれど、まだ暑いしなぁと決心のつかないまま走っていたら、鈴鹿峠を越えていた。京都の友人に連絡すると、食事でもしようということになった。
 まだ5月なのに、鴨川べりにはもう床席を張り出している料理屋がチラホラ見える。この15日、葵祭りに来たときにはまだその気配もなかったのだが、「6月1日からじゃなかったの」と尋ねると、「なんか、季節が早ようなってきましてなぁ」という答。鴨川に映る床席の灯かりは、京都の夏の風物詩…。今年も大文字の送り火まで、焦がれる京都の夏が始まった。
 厳選した国内産大豆とこだわりの天然名水で仕込んだおぼろ豆腐は、ここ「豆水楼」の自慢で、生姜と薬味のだし汁でスルリといただく。何杯でもお代わりを頼むことができる。添えられているのは、刺身も揚げ物も、指先ほどのものを盛り合わせる京都の料理である。
 濃い藍色に染まった東山の稜線が空の闇に溶け込んで、川面を涼風(すずかぜ)が渡る。「もう一軒、行く?」と言う友人に、「練習しなくちゃ、いけないんだけど」と、私はまだ往生際が悪い。



物見遊山トップページへ