【133】 栗名月、十三夜の月見            2007.10.24




 10月23日は、旧暦9月13日…、栗(豆)名月の夜です。庭に出てみると、冷気の漂う澄み切った空に、十三夜の月が輝いていました。


    十三夜だから、まだ上のほうが少し欠けていて
   楕円形のお月様です。           →


   

 9月26日の夜に「中秋の名月(十五夜)」を報告した僕としては、この「栗(豆)名月(十三夜)」も取り上げないわけにはいきません。十五夜と十三夜どちらか片方の月見しかしないのは「片月見」または「片見月」と言って、忌み嫌われているということですから…。
 十五夜には、中国(仲秋節)、韓国(秋夕・タンシュク)にも月見の慣習があって、中国では家々で月餅を作って盛大に祭るし、韓国では松餅(ソンピョン)という菓子を作り、勤めも休みとなって郷里で親族と共に祝うといいます。


 十三夜のお月見は日本独特の風習で、旬の栗や大豆を供えるところから、栗名月・豆名月と呼ばれています。
 各地には「月待ち」という風習もあって、十六夜(いざよい)は月の出が十五夜よりやや遅くなるのを月がためらっていると見立てて呼んだ言葉であるように、十七夜以降を立待月(たてまち-)、居待月(いまち-)、寝待月(ねまち-)、更待月(ふけまち-)と名づけて、月の出を待ちながら酒食を楽しんだりしました。


 日本では、月にはウサギが住んでいるというのが一般的ですが、中国では「嫦娥(じょうが)」という名の美女が住んでいると伝えられています。夫の后(げい)が 天上の神様の西王母からもらいうけた不死の薬をこっそり飲んで、体が軽くなった嫦娥は空に上りますが、月にとどまり、夫の后が来るのを待っている…とか。
 薬を盗んで飲んで月に追放され 蟇(がま)に変わった…など、いろいろな説があります。 
 中国が24日に打ち上げを予定している月探査衛星は、「嫦娥1号」という名前…。伝説の美女「嫦娥」のお顔を、現代科学の「嫦娥1号」が写しに行くのですね(笑)。
 月は、いつも地球に同じ面を向けて回っていますから、今まで人類は月の裏側を見ることが出来なかったわけですが、今は月探査衛星が裏側へ回って詳細な写真を撮ってきます。嫦娥も、窓を開けて風呂に入っている…というわけにはいきませんね(大笑)。




← 十三夜の月は、午前1時過ぎに、もう西の
 空に傾いていました



 日本の「かぐや」は月観測軌道に入りましたし(12月から観測を開始するとか)、今夜は アメリカの「ディスカバリー」も打ち上げられました。


 今や地球の周辺は、たくさんの宇宙船や衛星が飛び交っていて、宇宙空間の交通整理が要りそうです。役目を終えた衛星が飛んでいたりもしますから、宇宙の掃除も必要…、整理回収することも考えなくてはなりませんね。

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