【161】 京都の桜 2009            2009.04.03-04


【第1日目の4月3日、銀閣寺口から乗ったタクシーの中へデジカメを忘れてきました。交番へ届けを出し、タクシー忘れ物センターへも問い合わせたのですが、このページを書いている12日現在、
まだ出てきていません。それでこの報告記は、第1日目は写真なし、その後はケイタイ写真です。】



 4月3・4日と、京都の桜を訪ねてきました。毎年、同じような桜を見るのですが、年々歳々それぞれに違って見えるのは不思議ですね。

 3日、花が早い醍醐寺からスタートです。朝8時前に駐車場に入り、開門前の境内をひと回り…。今年は開花は早かったのですが、その後は冷え込む日が続いたせいか、木々は満開の花をつけて、まだほとんど散ることなく咲き誇っていました。


 午前9時開門。今年も、章くんお気に入りの宝蔵院の枝垂れは艶やかな姿を見せていました。その前の巨大な染井吉野は8分咲きです





 三宝院、五重塔などを拝観して醍醐寺をあとにし、毘沙門堂、山科疎水へと向かいました。こちらも7〜8分の開花状況…。
 毘沙門堂では屏風の騙し絵に今年も笑い転げ、山科疎水では菜の花とのコラボレーションを愛でながら、あたりを少し歩いてきました。お昼過ぎ、京都市内へ…。


 南禅寺口へ車を停めて「順正」で昼食。この日は暑くて『湯豆腐』という雰囲気でなく、『ゆば会席』を頼みました。この「順正」は、素晴らしい庭を見ながら食事ができます。


 京都疎水を遊覧する屋形船は3時間待ち…。蹴上インクラインを上って、荷有荘の裏手から南禅寺へ降りました。方丈を拝観し、三門へ登って、春たけなわの京都の町を一望…。


 そのあとは哲学の道を下から歩いて銀閣寺口へと向かいます。途中のお菓子屋さんで一服…。疎水に垂れる桜は、やはり7〜8分の開花でした。
 そして、たどり着いた銀閣寺口で、桜の花びらをアップでパチリ…。ここから乗ったタクシーの中へ、デジカメを忘れてきました。それで、この旅の報告はケイタイ写真です。
 
 
 ちょっとお茶してから、ようやく暮れてきた町を歩き、清水寺のライトアップへ…。                    

 

 仁王門をくぐると正面に「随求堂」があり、ここでは『胎内くぐり』を体験することができます。ご本尊の大随求菩薩は、「信仰者のあらゆる求めに随(したが)い、御利益をくださる万能の菩薩」とされる大変功徳の高い仏様とのことですが、残念ながら普段は公開されない秘仏となっています。そこで本堂の地下に通路を巡らし、ご本尊の真下にある「ハラ」という梵字が書かれた石に触れることにより、諸願成就を願うというのが胎内くぐりの趣旨です。
 壁伝いにめぐらされた大数珠を左手に触って、漆黒の闇の中を進むと、やがて青白く光る大きな石があり、それに触って願い事を唱えると満願叶うというわけです。


 音羽山の中腹の参道から…。


 京都市内の光に清水舞台のシルエットが浮かんでいました。


 秘仏ご本尊のご開帳、ライトに照り映える花の雲と、この夜の清水は盛りだくさんの趣向で訪れる人たちを迎えてくれました。


 
 二年坂・三年坂を歩いて、円山公園へ…、円山の枝垂れは、相変わらず妖艶な姿でたたずんでいます。  

中天に懸かる半月が、桜の花の間から見えていました。


   京都の桜は歴史という衣装をまといながら、なお、心憎いばかりの演出がなされていますね。例えば、円山の枝垂れ桜…、明るいうちに見る姿よりもライトアップされたそれは、10倍も艶やかに見えます。他所のように、雪洞や電灯をつければ夜桜だというような認識でなく、どの角度からどのような光を当てれば一番効果的なのかを研究し尽くし、見るものの心を奪うという工夫や努力がなされています。


 それにしても、この人の波…賑わいはどうでしょう(笑)。甘い桜の香りに包まれながら、人々の喧騒のなかに、京都の春は更けていきました。




 明けて4日、午前9時にウエスティン都ホテルを出発し、満開との情報を得ている嵐山「天龍寺」の枝垂れを見に行くことにしました。

 2日目に嵐山へ行くのならば、都ホテルでなくて、もっと西寄りのホテルを取ればよかったのですが、どこへ行くという当てもないままに訪れた京都でした。朝、ホテルで見たテレビが「天龍寺の桜満開」と報じていたので、急遽、天龍寺・嵐山…と思い立ち、途中で乗った京福電鉄の{トロッコ列車にご乗車の方は、嵯峨野駅でお乗換えください」という車内放送で、「そうだ、トロッコ列車に乗ろう」と思い立ったような次第です。行き当たりばったりでしょう(苦笑)。


 今日は土曜日、嵐山の周辺はすでに大渋滞であろうと予測し、京福電鉄嵐山線天神川駅の近くに車を預けて、電車で嵐山に入ることにしました。


 市内では路面を走る京福電鉄嵐山線。
 見えているのは「嵐電天神川」駅。



 終点「嵐山駅」のひとつ手前「嵐電嵯峨」駅で降りて5分ほど歩き、トロッコ列車に乗ろうと「トロッコ嵯峨」駅に向かいました。
 時間は10時10分、しかし次の10時50分は津の列車はすでに満員! その次の11時50分の乗車券を買い、嵯峨野を散策しながら「トロッコ嵐山」駅まで歩きました。


            
その途中「野宮神社」の奥に、
             このように苔に覆われた庭があります →



← 竹林を抜けると「大河内山荘」
 です。
  その前を右に折れて、「トロッ
 コ嵐山」へ…。でもまだ30分ほ
 どの時間があったので、「常寂光
 寺」へ行ってみました。ポツリポ
 ツリと雨が降り出しました。


        
常寂光寺山門左手にある枝垂れ桜です →



→ この寺は紅葉で有名ですが
 春・夏・冬にも四季折々の表
 情があり、しかも秋の喧騒か
 ら離れで、静寂なたたずまいでした。



 11時53分、「嵐山」駅からトロッコ列車に乗車して、「亀岡」間の20数分を往復してきました。
 章くんが乗ったのは、窓のないオープン座席。乗車する前ぐらいから弱い雨が降り出し、オープン座席はちょっと寒かったです。 それでも嵐山の山肌には桜の群生が見られ、ピンクのパッチワークを見るようでした。


 亀岡から折り返したトロッコ列車を「嵐山」駅で降りて、嵐山(亀山)公園を散策し、展望台へ登ってみました。


    嵐山公園展望台から見上げた、対岸(嵐山)の桜の群生 →


 トロッコ列車から遠望した嵐山山肌のピンクは、この桜たちだったのですね。


← 見下ろせば桂川(保津川はこのあたりでは桂川と名前を変える)の流れが望まれます。保津川を下ってきた船が嵐山を見上げるために停泊し、その船に飲み物やみやげ物を積んだ売店船が横付けしていきます。


 この画像を見た友人から、雨に煙る嵐山は『一幅の山水画』を見る思いとメールが来ました。そう、まさに艶やかな一枚の絵…。
 朝日に匂う山桜が日本男児の象徴ならば、雨に煙る桜たちの健気でたおやかな様は、和服和傘の日本女性を思わせるいでたちです。


 そういえばこのの2日間も、和服をまとった若いお嬢さんが多く見られましたが、日ごろ着慣れていないのがひと目で見て取れて、少し残念でした。


 嵐山公園を歩いて、桂川河畔へと降りてきました。


                  渡月橋界隈を上流から… →


   雨は小降り。ただ、そのせいか人出は少し少ないよう。





 時刻は午後1時30分…、桂川河畔の茶
屋へ上がって食事にしました。


← 小雨混じりの肌寒さが、「湯豆腐」を注文させました。




 そして、天龍寺へ…。大方丈・小方丈をめぐり、長い廊下を渡って多宝殿へと向かいました。堂前の枝垂れ桜を見るためです。


        
多宝殿前の満開の枝垂れ桜 →


 庭に下りて、庭園から裏山をめぐる歩経路を歩きました。山の中腹から桜越しに見下ろす伽藍が雨に煙っていました。


← 天龍寺の西側に聳える亀山の中腹から、桜越しに伽藍をパチリ…。写真には桜ばかりが写っていて 伽藍の屋根がどこにあるのかわかりませんね(苦笑)。


 午後4時30分、嵐山「老松」でわらび餅と抹茶をいただき、嵐山を後にしました。

                       物見遊山トッブへ