天王川公園(津島)の藤


【162】 藤 三景               2009.05.04


  天王川公園(津島)、曼荼羅寺(江南)、藤の回廊(名城公園)


 「高速道路1000円」とかで、この連休は各地から大渋滞の知らせが届いている。…この政策が日本の産業を育成し将来を開くものだとするならば、恒久的に利用料金は低く抑え、何よりもトラックなどの産業流通に関わる車の料金をこそ軽減しなければならない。ところが、1000円は今年と来年だけの暫定措置で、土・日の乗用車の、しかもETC装着車のみというのだから、政権交代必至とささやかれる選挙対策であり、運輸官僚が天下っている高速道路会社とETC会社の便宜を図ったものであることは一目瞭然である。…、これについて述べるのはこの項の目的ではないので別に譲るとして、とにかく渋滞を回避して出かけてみようと計画した。
 1週間ほど前に、テレビで「天王川公園(津島)の藤が満開」と報じていた。その話を友人たちにすると、てんでに『江南市の曼荼羅寺の藤のほうが立派』とか『名城公園の藤の回廊のほうが見事』とか言うので、今日、その3箇所の藤を訪ねた。
津島神社の東大門 【拡大】



天王川公園(津島)


 午前6時30分、出発。遊びに行くときの章くんの朝は早い。伊勢自動車道から東名阪へ…、この時間、渋滞の情報はない。
 「弥富IC」で降りて155号線を北上すること10分、右側に「津島神社」の案内板が見えた。「天王川公園」は神社から歩いて5分、まずは神社にお参りしてから、藤見物に出かけることにしよう。


 「津島神社」は、欽明天皇元年(西暦540)に祭神「スサノオノミコト」がご鎮座され、その後、弘仁元年(810)正一位の神階と日本総社の号を、一条天皇の正歴年中には天王社の号を賜わって、全国に約三千の天王社の総本社としての社格を誇る。


← ご神池。周りのツツジが満開だった。【拡大】


 「津島神社」から徒歩5分、大きな人工池をを設(しつら)えた「天王川公園」の一角に、長さ275m、面積5034uの見事な藤棚があり、藤が盛りのこの期間中、夜間はライトアップされている。


  ↓ 藤棚の下に遊歩道が作られ、見事な藤の花を
    見上げながら、散策することができる【拡大】 →




 園内には、九尺藤(キュウシャクフジ)を中心に、12種類114本の藤の木が植えられているとか。


 
白野田藤(シロノダフジ)【拡大】


 ゆっくりと時間をとって歩けるならば、各木には名前の表示もあるので、探してみるのも一興かと…。
 
 


 全体としては少し盛りが過ぎていて、花弁を散らした房が多かったようだが、花期の遅い白藤などは大きな花を咲かせていた。
 藤棚の真ん中を流れる水路は、散り落ちた花びらが敷き詰められて、水面を覆っていた。
【拡大】
 

 池を囲んでたくさんの屋台が並んでいて、ベビーカステラはないかと探したが、まだ午前9時半…みんな開店準備中である。


曼荼羅寺(江南)


 155号線に戻ってそのまま北上し、新幹線、名神高速、東海北陸道の下をくぐって県道64号線に乗れば、あとはひたすら真っ直ぐ…。自動的に県道144号線に乗りかえると、すぐにお寺の前に着く。
 この日は近所のお店や事業所、工場は臨時の駐車場になる。それで、お寺の前をダラダラ行くと、呼び込みさんが「こちらへ」と旗を振ってくれる。


← 境内にはたくさんの屋台が並んでいた。もちろん
 「ベビーカステラ」を買って、ほおばりながら歩い
 た。【拡大】 
  
境内の藤

 



 「曼荼羅寺」は浄土宗の古刹で尾北地方における最も格式の高い霊場とされている。寺域は1300坪、檜皮葺の正堂を中心に庫裏、大書院、小書院、曼陀羅堂、地蔵堂、鐘楼、宝蔵、続いて中門、南門(矢来門)が甍を連ねている大寺だ。
 昭和45年、寺域の一部約10,000uを江南市に提供。市は、宝蔵、八幡社、稲荷社、放生池、さらに休憩所の藤華庵などを整備し、さらに隣接地約3,000uを購入して東屋や屋外ステージを整えて、昭和60年、現在の曼陀羅寺公園(13,000u)が完成した。
 園内には12種類約60本の藤が植えられて「曼陀羅寺の藤」として評判を呼び、近隣はもとより県外からもたくさんの観光客が訪れている。(江南市HPより一部引用)
境内は、たくさんの人でにぎわっていました。【拡大】

 
 
 










 
 
     ただ、ここもちょっと盛りが過ぎていて、散り落ちた
     花びらが地上に敷き詰められていました。 【拡大】

  

 屋外ステージでは、美しい衣装をまとった尾北の美男美女が舞台に上がり、カラオケ大会が開催されていた。章くん、申し込もうかと思ったけれど、出番を待って並んでいる人の多さを見て断念した。
 まだ整備が進んでいる途中なのだろうか、多くの藤棚は枝が伸びきっていなくて、空が見えているところも多かった。あと数年もたてば、見事な藤の名園が出来上がることだろう。
 
名古屋城本丸天守閣。【拡大】
手前に本丸御殿が建立される。



 
 
藤の回廊(名城公園)


 22号線に戻って南下、いつもはすし詰め状態のこの道も、今日は渋滞もない。午後1時前、名古屋城に到着した。



 お堀の石垣の上に陣取って、弁当をパクついた。どこの食事処も混みあっているこの時期、風に吹かれて弁当を広げるのは最高の食事である。




 連休最中で、人出はさすがに多い。天守閣に登るのには、100m10分ほどの行列に並んだ。
 

    
天守閣から、名駅方向をパチリ 【拡大】
 
 

 1階・2階…と展示を見ながら、天守閣へと向かう。各階とも、人で溢れていた。


← 本丸御殿表玄関の襖絵。玄関は虎の間とも呼ばれ、二室の襖・壁・障子の腰には金地に虎と豹が描かれている。【拡大】

 
 
 大天主閣の見物を終え、東門から出て、名古屋城の東北に広がる名城公園の藤を鑑賞に向かった。
660m続く、藤の回廊 【拡大】

 公園内の一角、城の北堀に沿って660mにわたり、藤棚が設えられている。いわゆる「藤の回廊」と呼ばれている一帯である。


 でも、やはり花期には少し遅くて、ほとんどの棚で花を散らしていた。
 

 名古屋市の広報を見ると、名城公園は名古屋城を中心として、二の丸、三の丸、旧陸軍練兵場跡(北園)までの区域を含む、総面積76haという広大な総合公園だとしている。(名古屋城も公園に含んでいるのだ)だから、歴史の宝庫、緑の拠点、スポーツ・レクリエーションの場として市民に親しまれているとあり、今日もゲートボールを楽しむお年寄りの姿が見られた。


←藤棚の彼方に、名古屋城の天守閣が見える【拡大】


 天王川公園(津島)、曼荼羅寺(江南)、藤の回廊(名城公園)ともそれぞれに木々の大きさや枝ぶりは見事であり、藤棚を世話する人たちの熱意もひしひしと伝わる整備振りであった。
 ただ、3箇所とも、訪れる時期が少し遅くて、花の盛りというわけにはいかなかったのが残念だった。



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