【168】 日帰りバスツアー 上高地    2009.06.20
  

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 インターネットの旅行案内を見ていたら『日帰りバスツアー上高地、5400円』のページが目に留まりました。高速道路代・ガソリン代は込み、往復は運転する必要もなく寝ていてもいいのだし、おまけに弁当代も含まれていると書いてあるので、タダよりも安いんじゃないかと思って、早速申し込みました。


← 大正池と焼岳。 上高地へは近年も何度か出かけていますが、 
 いつもバスターミナルで車を降りるので、大正池界隈を歩くのは
 ホント久しぶりでした。


 この日、飛騨・安曇野の天気は晴れときどき曇り…、梅雨の真っ只中でも、雨ではありません。ただ、出発が四日市だったのが痛恨…と言うべきなのですが、考えてみれば我が家から徒歩5・6分の近鉄駅から電車に乗れば、四日市駅前の集合場所までは所要時間30分。最寄りの出発地へ行くのと、さほどの違いはありません。
 午前6時30分に家を出発、四日市駅前7時20分のバスに乗り込んで、伊勢自動車道〜東名阪〜名古屋高速〜東海北陸道と走り、ひたすら北を目指します。


「東海北陸道」、今日は土曜日、走り放題1000円ですが、白鳥IC付近の4車線拡幅工事以外は渋滞なし。   →

 
 バスの旅では、「東海北陸道」に日本一高い高速道路用橋脚(180m)があるとか、この道路の下り線(富山方面)のトンネルの数は56本だけれど、上り線(名古屋方面)は2本少なくて54本だとか、さまざまな知識を教えてもらうことができます。
 郡上八幡を通過するときには、日本の三大盆踊りを教えてもらいました。「郡上踊り」と「阿波踊り」…、もうひとつは、この項の最後に書いておくことにしますね(笑)。


← 高台の上に「郡上八幡城」が見えます。


 今年の「郡上踊り」は、7月11日から9月5日まで、のべ56日間の32夜を踊る予定とか。
 日程は → http://www.gujohachiman.com/kanko/ 
 
 









  
  
      
ひるがの高原SAにて →


 良いお天気で、大日岳もくっきりです。



 
 東海北陸自動車道を飛騨清見ICで下りて、中部縦貫自動車道に乗り高山ICへ。そこから158号線へ入り、平湯峠を下ると、間もなく安房トンネルをくぐります。
 僕は安房トンネルが開通する以前の158号線を何度も通りましたが、九十九折りの道を上り下りする峠越えの旧道は、片方は切り立った山肌が覆いかぶさるように迫り、反対側は目もくらむような断崖絶壁が続く道でした。越えるだけでも1時間…、大型車の対抗ができないので、観光時期にはバスやトラックは5時間も6時間も待機しながらこの峠を越えたといいます。冬場は積雪のため、閉鎖されました。
 それが、今はトンネルで5分…。飛騨地方に、関東からの観光客を一年中を通じて呼ぶことができるようになりました。でも、このトンネルは国道158号安房峠の直下、焼岳火山群中の活火山であるアカンダナ山南側の高温帯を通過しており、長野県側の工事では、火山性ガスを含む水蒸気爆発事故が起きて一時中断するなど、建設は困難を極めました。


 それでも現地調査から33年、着工から18年の歳月を費やし、当初は2005年度末に開通する予定であったのを、1998年2月の長野オリンピックに間に合わせるべく急ピッチで工事を進め、1997年12月に開通しました。


← 安房トンネル 平湯料金所。 無人で、お金を
 入れるとゲートのバーが開く仕組みです。



 
 安房トンネルを抜けると、すぐに上高地の入り口である「釜トンネル」口の信号です。


 
2005年7月に完成した 新「釜トンネル」 →


 旧釜トンネルは大正末期からすべて手掘りで建設工事が行われ、1933年(昭和8年)全長約520m、岩肌むき出しの狭く曲がりくねった隧道が完成しました。その後、改良工事が頻繁に行われてきましたが、その後も幅員は4.3mしかなく、しかもトンネル内は最大16.5%の勾配や、途中にクランク状の急カーブが存在する、狭く険しいトンネルでした。このため、トンネル内は片側交互通行で信号があり、15分ほども待たされることもありました。
 1999(平成11)年9月、釜トンネル付近で大規模な土砂崩れが発生して、上高地は孤立し、観光客などが一時取り残される事態となりました。その後、トンネル内を歩いて通行できるようにしましたが、自動車による往来は長期に亘り不可能となったのです。
 この事態をきっかけに新トンネルの建設が決まり、2001年2月から建設が始まりました。まずは崩壊区間の代替道路として釜上トンネル(全長605m)が2002年8月に完成し、旧トンネルと接続して自動車通行が可能になりました。続いて釜上トンネルの先につながる形で旧トンネル全体を迂回するトンネルの建設が行われ、2005年7月に完成。新しい釜トンネルは全線2車線、歩道つき、全長1310m、高さは4.7m、勾配も10.9%%に緩和され、2階建てバスの通行も可能になりました。


← 焼岳の影を映す大正池


 このボート、1時間800円です。
  


 後ろを振り返ると、穂高連峰の雄姿が輝いていました。
 今日は稜線もはっきりと見えています。   →

 


 
 大正池は、活火山である焼岳が1915年に噴火したため、梓川がせき止められて誕生した池です。
 池にある立ち枯れの木々は国の天然記念物に指定されています。  
 

  大正池を泳ぐカモ →


 結構人馴れしていて、近づいても逃げない。

 
 
 
 林間を行く遊歩道 ↓  

湿地帯では橋が ↑









  






 樹間を抜けると、草原が広がっていました。
  ツツジの花の赤色が、一帯の緑の中に浮き出て
 色鮮やかでした 


      後ろの六百山や霞沢岳からの
      伏流水を流す 田代池  ↓















 この写真は、「水溜り」を写したものではありま
 せん。                  →
 茶色の土の上は、一面に水が流れているのです。
 水が透明なので、土がむき出しになっているかの
 ようですね




 田代池は、大正池と同じように、大正時代に焼岳の噴火により流れ出た溶岩が千丈沢をせき止めてできた浅い池であり、周囲は湿原になっています。湧水を流しているので、水面に北アルプスの山並みが映るほど水の透明度が高く、流れは清冽です。



 梓川を田代橋で(上流に向かって)左岸へ渡りました。


← 清水屋ホテル。帝国ホテルと五千尺ホテル、そして
 ここ清水屋ホテルのケーキが美味しいと聞きました。

















          
田代橋の上からパチリ →
 







← 上高地の素晴らしさを日本と世界に広めた
 ウォルター・ウェストンの碑があります。
  
 










      
やがて、河童橋が見えてきました。→




 橋を渡って、右岸へ…。



 
   定番! 河童橋の上からパチリ…。
 














 河童橋の東詰「五千尺ホテル」へ、手作り
ケーキが美味しいと聞いて入りました。

 
  
  ケーキはそれなりに美味しかったのですが、ホッ
 トコーヒーが香りもなく、ただやけに渋いだけで、
 飲めたものではない。こんな不味いコーヒーは、久
 しぶり…。「五千尺ホテル」ともあろうものが、何
 てコーヒーを淹れているんだ!



 また河童橋を左岸へ渡り、50mほど上流へ歩きました。そこが、梓川と穂高連邦が見事に重なる絶景ポイントだと、以前の訪問時に発見したのです。
 で、そこからパチリ…。ちょっと雲が出てきました。


 そろそろバスの集合時間です。上高地での自由時間は2時間40分。大正池から田代池…、左岸へ渡ってホテルの売店をのぞいたり、梓川の川原を歩いたりしながら河童橋までゆっくりと歩き、コーヒーを飲んで休憩…。これで時間はいっぱいでした。










 
  
      
帰り道、振り返って河童橋を写しました。 →



← 高山ICから中部縦貫自動車道へ


 上高地を出たのが、午後3時50分。途中、2箇所で合計
40分ほどの休憩を取り、四日市駅前に帰り着いたのは午後
8時になろうかとしている時刻でした。
 現地での時間が少ないのが残念ですが、費用も安いし、運
転しなくていいし、癖になりそうなバスツアーでした。


 日本の三大盆踊りのもうひとつは、西馬音内の盆踊(にしもないのぼんおどり、秋田県雄勝郡羽後町西馬音)です。人口2万人の町が、8月16−18日には10数万人に膨れ上がるそうです。


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