【178】
新穂高ロープウェイ 〜 西穂山荘
       2009.10.03


 一昨年、新穂高ロープウェイで山上駅(西穂高口駅)から見た「西穂山荘」があまりにも近かったので、「あそこまで行ってみよう」と思ってから2年…。昨年は天候にも恵まれず、西穂高口駅まで行きながら引き返したりしたのですが、今日、「午後から晴れ!」の天気予報を信じて走ってみまし
た。 
 
【写真にカーソルを当てたとき、手の形に変わったら、
 大きい写真にリンクしています】



 中部山岳の紅葉も気になるこのごろですが、この5〜6日、ずっと雨続き…。今日土曜日は高速料金が1000円…、天気予報も『午後から晴れ』…、我が家を午前3時45分に出発しました。


 出発を祝って、十四夜の月が雲間から顔を出しました。
 明日は、中秋の名月です。            →


 有料道路は、伊勢自動車道(津IC−関IC)〜東名阪(四日市IC)〜伊勢湾岸道(豊田JCT)〜東海環状(岐阜美濃JCT)〜中部北陸自動車道(飛騨清見JCT)〜中部縦貫道(高山IC)と走ります。
 伊勢湾岸道〜東海環状と通るのはちょっと遠回りになりますが、これはもちろん全線合計1000円を達成するためです(笑)。


← 東海環状「深山トンネル」


 このトンネルを抜けると、岐阜県です。
 

    岐阜「美並」のあたりで、夜があけてきました。→


 空の雲と地上の霧がつながっていますから、雲行きはまだ怪しいですね。


 「ひるが野高原SA」で休憩して、コーヒーを飲みました。今日は「大日岳」も、ミルク色のベールに包まれています。


← 7時15分、高山ICに着きました。
 
 3時間半もあれば新穂高ロープウェイに着くかなと思っていたのですが、ここまでもう3時間半かかっています。
 
 

 
 高山からは、国道158号で平湯峠を潜り抜け、安房トンネルの前を直進して471号に乗って栃尾の交差点にやってきました。


     浦田川の橋の上で信号待ちをしているところです。→


 ここを右折して、県道475号を登れば、ほどなく「鍋平駐車場」です。


 午前8時58分、鍋平駐車場に到着。走行距離は339Km。→


 早くに出てきたおかげか、雨模様の天候のせいか、駐車場の車はまばらでした。
 出発から5時間少々、予定よりも2時間ほども多くかかっています。でも、この時点で雨はほとんど上がりました。
 駐車場で仮眠…のつもりだったのですが、予定していた始発のロープウェイにも乗り遅れていて、長袖シャツに着替え、靴を履き替えて、あわただしく出発しました。気温は9℃…。


← ロープウェイ乗り場



 ハイシーズンの土曜日ですが、雨続きだったからでしょうか、お客さんの姿はまばら…。

 9時15分発の章くんたちが乗ったゴンドラの乗客は15〜6人でした


 ロープウェイは、鍋平駐車場の横の「しらかば平駅」(標高1308m)から、山上の「西穂高口駅」(2156m)まで、全長2598m・標高差848mを7分で登ります。


 動き出して1分もすると、ゴンドラは雲の中に入って、あたり一面は真っ白…。
 でも、また1分ほどすると、今度は低い雲の上に出て、視界が広がりました。
 目の下に雲海が広がって、章くんたち、山の素人には日常お目にかかることのない絶景です。


      
ゴンドラの中から、雲上世界をパチリ… →
  
朝日を受けた「焼岳」が見えます。 山肌もっすっかり秋色…。


ゴンドラの下…。足元の木々も、色づいていました。 →

 
 










       








 西穂高口駅に着きました。早速、
展望デッキに上りました。


 傘ヶ岳・立山の方向も雲が切れて、山頂が見えています。
 この展望台に、10人ほどのカメラをぶら下げたスタッフがいて、「無料で、お手持ちのカメラのシャッターを押しますよ」と声をかけてくれます。
 依頼すると、自分の首にかけているカメラでも1枚撮り、章くんのカメラでも2回シャッターを押してくれました。


      
焼岳も、すっきりとその姿を現しました。→

 
 10分ほどの展望を終えて下りようとすると、出口に先ほど兄ちゃんのカメラで撮ってくれた写真が焼かれて、紙のケースに入れられ展示されています。
 1枚1000円…、「沢口靖子と一緒に写っている写真なら買うけどなぁ」と笑って、買わずに下りてきました。お兄ちゃん、ゴメンね!


     駅周辺の「千石園地」から見た、西穂高岳 →


 山頂まで、くっきりと見えています。


 西穂高口駅舎内で「登山届」も提出して(2km先の「西穂山荘」まで行ってくるだけなんだけど…)、いよいよ登山道に入ります。


 案内書によると「西穂山荘」までは、約1時間30分ということです。ということは、章くんは3時間ですかね(笑)。


← いざ、出発!




 
山道は、秋たけなわ…。→


 熊笹や針葉樹林など常緑樹の間に、色づいた木々が彩りを添えます。このあたりはまだ、周囲の景色に目をやる余裕がありますね。


← 登り始めのあたりは、ぬかるみには木の歩道が敷かれ、石組みがなされて、歩きやすいです。


 山道の左右はすぐに急勾配の谷が落ち込んでいます。
 谷からは、霧が湧き出してきていて、視界は全く利きません。         →


← 途中、何箇所かの高い木の上のほうに、「西穂高口駅⇔西穂山荘」と書いた案内板が、高さを違えて2つ掲げられていました。
 冬、雪が積もったときの案内板ですね。
  

 
 歩き始めてから20分、登りが段々ときつくなってきました。→



 やがて、登山道は整えられた道ではなくなりました。
 よじ登り、超えていくしかない、登り道が続きます。だんだんと足が上がらなくなります。

 平らな、腰を下ろせる石を見つけると、全て休憩…

  
 このころになると、次の次のロープウェイで上ってきた組にも抜かれました(苦笑)。


 岩場の間を清水が流れていました。手を切るような冷たさです。→


 この岩場をピョンピョンと飛ぶように上っていく男の子たちや、平地を歩くがごとくに行くおばさんなど、世の中には信じられない人たちがいるものです。


 もうくたくたになって…帰ろうかと思ったとき、目の前に山小屋が見えました。


 11時55分 到着! ここまで、2時間10分かかっています。(案内書には1時間半と書いてありました。)
 3時間はかかるかと思っていましたが、案外早く着きましたね(笑)。


    登山者でにぎわう 
      「西穂山荘」→



 章くんを抜いていった皆さん、昨夜から宿泊している方々…、たくさんの人たちで山荘はにぎわっていました。

  

← 美味しいという評判の「カレーライス」を食べました。
 評判どおり、美味しかったです



 水道から出る水が、1リットル100円です。雨水を溜めて、熱湯消毒して作るのだと、山小屋につめているお兄ちゃんが言っていました。


 章くんが山荘前で休憩していると、上高地からの登山道を70歳代かと思しいご夫婦が上ってみえました。→


 「お疲れ様です。何時間ほどかかりましたか」と聞くと、「ゆっくりと6時間ほどかけてあがってきました」とご主人が答えてくれました。奥様は息が切れて、話すことも出来ないようなご様子でした。
 普通は4時間ほど…と言いますから、奥様を気遣ってゆっくりと登ってみえたのでしょう。
 でも、章くんならば、8時間ほどかかるでしょうね(笑)。


 カレーを食べて、元気回復…。この西穂山荘が、今回の目的だったのですが、現在時刻は12時20分…。
 いつもの章くんならば、「遅れりゃ、山荘で泊まればいい」というところですが、明日、家に用事があって、どうしても今日中に帰らなくてはなりません。
 下りの最終ロープウェイは、山上駅を午後4時45分発であることを確認し、この山荘を2時に下ればOKと判断して、行けるところまで上を目指すことにしました。
 
 

 と…、山荘から西穂高方面へ歩き出したら、いきなり大きな岩場にかかりました。

 前を行く、30人ほどのおばさまご一行が大渋滞…。

 章くんは、ゴルフでも道路でも、前がつかえているのは全然気になりません。周囲の風景を眺めたり、写真を撮ったりして待っています。

 おばさまたちは、先に上がった人が手を引っ張り、後ろの人がお尻を押し上げたりしながら、この岩を越えていきました。




 大岩を越えたところから山荘を振り返ると、ガスが昇ってきていて、白い靄(もや)がかかっていました。    
      →


← さらに、岩を登り、倒木を越えて、急勾配の山道が続きます。


↓ 這松帯のなかに、ナナカマドが鮮やかな紅色を記しています。


 この頃から風が強くなり、下から霧が吹き上げられて、章くんたちが歩いている稜線を越えていきます。


 這松帯の薮漕ぎ道…、大きな岩をよじ登るところ…、礫岩が続くガレ場…と、まだまだ難所が続きます。  →


 章くん、ヘロヘロ…。おばちゃまたちにも置いていかれてしまいました。





← 前方の山が、霧の中にかすんでしまいました。


 天気予報は、午後から晴れるということだったのですが、山の天気はわかりませんね。


大休止をとっていたおばちゃまたちにやっと追いついたのですが、このあたりからガスと風はさらに強くなり、前方が見えなくなりました。


 少し前にすれ違った下山中のパーティは、「上は雲も切れていて、良い眺めでした」と言っていましたが、西穂高岳まではあと1時間…、当面の目標である「独標」まででも30分ほどはかかります。
 時刻は午後1時10分、山荘から40分ほど登ってきています。ここから戻って、山荘1時50分…。それからの下山が2時間とすると、ロープウェイの山上駅へ午後4時前ということになります。


  下りのロープウェイの時間も気になる章くん、ここで
 引き返すことにしました。             →


 
 おばちゃまたちも引き返すようです。ただ、彼女たちは今夜は山荘泊まりで、明日は天気も良さそうだから、また朝から再チャレンジだと言っていました。
 泊まるわけにはいかない章くん、残念ながら、今年の穂高挑戦はここまでです。


 ガスと風はますます強くなってきて、帽子が飛ばされそうでした。

← ようやく「西穂山荘」が見えてきました。お昼よりもガスが濃くなって、かすんでいますね。
 ちょっと休憩して、午後1時55分、ロープウェイ山上駅(西穂高口駅)へ向かって出発しました。







 こんなところを登ってきたのか…と感心しながら、岩場や倒木の続く道を降りていきました。
 下りが続くと、膝が突っ張りきれなくなって、ともするとガクッとのめりそうになります。それをこらえて、また一歩…。次第に膝が笑い出します。
 それでも、下りは上りに比べて、スピードは速い。出来るだけ小刻みな休憩を取り、膝の負担を軽くしながら降りてきました。
 往きはガスに覆われて真っ白だった谷も、霧が上がって、山肌一面の紅葉を見せてくれていました。


それでも、下りは上りに比べて、スピードは速いです。出来るだけ小刻みな休憩を取り、膝の負担を軽くしながら降りてきました。


  もう10分も歩けば「西穂高口駅」
 です。周囲の景色を眺めるにも、余
 裕が出てきました。      →

  
 「千石園地」の水芭蕉池…です ↓。


 生きて帰ってきましたね(笑)。


 4時15分発、下りロープウェイに乗って降りてきました。
2階建てのロープウェイは1・2階とも満員…。運行も30分に1本の定期運行でなく、お客さんが溜まったら出発する臨時便を続発していました。


           
いわし雲の広がる空を往くゴンドラ →
 
← 昨夜もほとんど寝ていない章くんはクタクタ…。駐車場の車で、ちょっと休憩しました。


 日ごろ、何も鍛えていないことの酬いでしょうね。さすがにシンドかったです(苦笑)。


 奥飛騨温泉郷をちょっとぶらっとしたりして、午後5時30分過ぎ、帰途につきました。


← 西の空に、鮮やかな夕焼けが広がっていました。
 
 
 
 うしろ…、穂高
 の山の上に十五夜の
 大きな月が顔を出し
 ました。
  今夜は、中秋の名
 月です。


← 平湯峠への登り道から、うしろを振り返って、北アルプス連峰の上のお月様を撮りました。


 左下の明りは、安房トンネルの料金所です。
 

 

  帰り道、東海北
 陸道「ひるが野高
 原SA」で休憩し
 ました。   →



 上り線(一宮方面)に隣接して、外部施設である複合商業施設「クックラひるがの」がオープンしていて、連結通路を通り、徒歩で行くことができます。
 章くん、その食堂街の一軒に入って、「海鮮丼」&「けいちゃん(=鶏)焼き」を食べました。


 帰りは、東海北陸道〜東名〜東名阪〜伊勢道と走って、全行程669Km、午後10時50分に帰宅しました。

                                 
  物見遊山トッブへ