【23】三千院、宝泉院と産寧坂「奥丹」 (2002.09.18)
『道祖神の招きにあい とるものとりあえず』と俳聖芭蕉が記した心持とはこのようなものであったろうか、今日も朝5時半に目覚めると、空は澄み切った青空。何処かへ出かけなきゃと思って、そわそわしてしまう。
ぶらっと出発して西へ。琵琶湖大橋を渡って、結局京都へ来てしまった。比叡山の北から入ったので、大原の里へ出た。もう一度、三千院の秘仏「阿弥陀如来」と境内にある宝泉院の額縁庭園を見てこようと思い、三千院の裏参道に車を停めた。

平日だというのに、たいへんな賑わいである。金色に輝く阿弥陀如来は、1200年の眠りから覚めて、今日もあでやかであった。
← 阿弥陀三尊のおわします往生極楽院は堂内も鈴なりの人で、階段を上がることもできなかった。
三千院の山門を北に行過ぎると、後鳥羽上皇の御陵…いわゆる大原御陵がある。その左手を抜けてさらに奥に進むと、額縁庭園で知られる「玉泉院」に行き着く。門をくぐると目の前に樹齢60

0年の五葉の松が屋根より高い威容を見せる。
座敷に上がって、抹茶をいただきながら庭を拝すると、竹林の間から大原の里の風情が垣間見られる。柱と柱の間の空間を額に見立てて鑑賞すると額縁の中の一枚の絵のようだということから、額縁庭園と称せられるこの庭の名前は盤桓園(立ち去りがたいの意)という。
玉泉院の額縁庭園 →
午後2時、以前から一度寄ろうと思っていた、産寧坂の「奥丹」へ行き、遅いお昼を食べた。日本最古の湯豆腐料理総本店を謳う奥丹は創業350年。玄関を上がって長い

廊下を奥へ進み、幾つかの部屋を過ぎて池の見える広間へ案内された。料理は湯豆腐の1通り。ただ、昔豆腐と呼ぶ木綿ごしを使う料理は4000円で、ふつうの湯豆腐よりも1000円高い。食べ比べるのも一興かと思い、お腹も空いていたので、それぞれ1人前ずつを頼んでみた。
← 産寧坂の「奥丹(湯豆腐)」
湯豆腐では、昔豆腐は歯ごたえがあり、ふつうの豆腐はつるりとしている。ゆず味噌で味付けした豆腐田楽を食べてみると、昔豆腐の味わいが際立つ。風味があって、口の中で味噌の味とよく折り合う。あとは、海苔・しその葉・しいたけ・オクラ・山芋のてんぷらとご飯がついて、さすがにお腹はいっぱいである。清水坂を歩いて、お茶漬け用の大き目の茶碗を買ってきた。
夜、いつものようにウロウロしていたら、「明日、空いてる?」とお誘いの電話…。僕に合わせて11時のスターとにしたと言われては、断るわけにはいかない。
明日は日本全国秋晴れでゴルフ日和…、そろそろ家に帰らなきゃ。
物見遊山トッブへ