【24】 大覚寺 観月会 −中秋の名月−   (2002.09.21)
大沢池を巡る屋形船

 今夜は中秋の名月。18日に京都へ行ったとき、21日には大覚寺で屋形船から月を見る風雅な催しがあると聞いて、今日も夕方から出かけた。

 平安時代初期、嵯峨天皇の離宮として造営された嵯峨御所には、中国の洞庭湖をモデルに「庭湖」と呼ばれる日本最古の人工池(林泉)が造られた。今、大覚寺大沢池と改められて、奈良公園の猿沢池、滋賀県大津市の石山寺とともに日本三大名月観賞地として知られている。この大沢池で、平安時代から続く観月の夕べが催され、池に竜頭船や鷁首(げきす)船を浮かべて、琴の音色を楽しみながら中秋の名月を観賞する。


     大覚寺 広沢池をめぐる 観月屋形船 


 大覚寺付近は駐車場もないと聞いていたので、嵯峨野のパーキングに車を預けてタクシーに乗った。大覚寺に近づくにつれて道は混雑し、着いたのが午後8時前。6時30分からの読経勤行などはすでに終わっていて、観月船への乗船券も売り切れていた。御影堂・収蔵庫・観月堂などはすべて開放されていて、たくさんの人で賑わっている。『紫式部日記』にも、嵯峨野の月は大変美しく、その中でも特に素晴らしいのが大沢池の月とある。その名月、今夜は生憎の曇り空であったが、それでも右上の写真のように時々雲間からかすかに顔を覗かせた。

雅楽の演奏
 宸殿では、巫女姿の50人ほどのお嬢さんが、琴の演奏を聞かせてくれている。この夜にあわせて、にわか特訓をしたのかと思うほど下手くそだ。(^O^) マイッタ!


← 宸殿での琴の演奏


 池を巡っていくと、宝塔前の広場では嵯峨の有名なお菓子屋、漬物屋、竹細工店、お花屋、料理屋などが模擬店を出していて、夜店をのぞく人々で賑わっていた。芭蕉の名句「名月や池をめぐりて夜もすがら」も、この池ゆかりの句であるとか。


 帰り道、名神でパトカーに捕まった。132q/h。夜中に仕事に従事する警察官諸君、ご苦労さま! 秋の交通安全期間である。


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