【27】アジアンレストラン 納屋橋「ななや」     (2002.10.5)


 納屋橋のあたりをぶらぶらしてみようと、夕方から出かけた。名古屋というと栄や錦あたりに出かけることが多いが、納屋橋界隈はもっと庶民的なたたずまいである。
 そういえば、2年ほど前、先輩に案内していただいた「得仙」は、この界隈でアンコウ鍋を食べさせて人気の店である。深海魚のアンコウを甘味のだし汁で煮て、アン肝をすりつぶして味付けしたタレをつける。そのだし汁とタレが秘伝で、予約して10年待ちとか15年待ちとかいう人気振りであると聞いた。女将さんの鼻息も荒く、座敷に座って早速ビールを空けて、「お代わり」と頼んだ知人が、「あまり飲まれますとアンコウの味がわかりませんので、お控えください」と叱られて、「俺はビールを飲みにきとるんや」と抵抗していたのを思い出す。
 納屋橋の西詰めに新しいビルが建っていて、『アジアンレストラン ななや』はこのビルの1〜3階にある。各階で装いの違う内装が施されていて、リーズナブルな割りに味の良いアジアンメニューとともに、人気のある一因となっている。
 「空いてる?」と聞くと、土曜日のせいか「30分ほどお待ちいただいております」という。「空いたらケイタイ鳴らして」と番号を伝えておいて、さらに界隈を歩いてみた。
 堀川もキレイになったとみえて、屋形船の舫い場があり、夏の夕涼みにここから船を繰り出すのだろうが、今夜は2〜3艘の船が係留されている。川沿いに歩いてみたら、昔ながらの一杯飲み屋やファッションヘルスの店が軒を並べていた。気の置けない、下町感覚のたたずまいである。20分ほどでケイタイが鳴った。
 刺身盛り、名古屋コーチンの激辛鍋(辛さを選べる)、オマールえびのトムヤンクン、スペアリブと春巻きサラダ、キムチ石焼チャーハンを頼んだ。
 いずれも良い味を出している。近頃、辛味を舌が覚えてしまったようだ。


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