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 滋賀石山「寿長井(すない)の郷」   12月7日(土)
 

 滋賀県大津市の三井寺に近い長等に本店を構える菓子処「叶 匠壽庵」が、四季に移ろう自然を映す菓子作りと、花鳥風月の中で菓子・茶・食事を楽しむことを目的として、滋賀南部の大石龍門に6万3千坪の山里を開きました。四季の草花を咲かせ、敷地内を流れる渓谷のほとりにテーブルと椅子を置き、吹きぬける風とともに訪れる客をもてなす「寿長井(すない)の郷」です。 今日は、2年ぶりに大津市にお住まいの才媛お二人のお顔を拝するために、新名神を走っていきました。

   駐車場に車を停めると、右手に案内の
   おじさんがいる東屋がありました。 →

 

 秋から冬に駆け抜けようとする季節に、葉を落とした木々の向こう、平屋の民家が受付…。予約の確認を済ませ、パンフレットなどを受け取って、食事代金などを支払います。
 受付を済ませて紅葉の坂道を行くと、長屋門が見えてきました。大きな暖簾をくぐると中庭…、その向こうに大きな平屋があります。
  玄関を入ってすぐ前にあるお菓子売り場で、叶匠壽庵謹製の菓子をあれこれ眺めていると、「こちらへ」と声がかかり、裏手の梅林を抜けて、お食事処「山寿亭」へ案内してもらいました。

← お食事処「山寿亭」
  食事お品書き
一、食前酒(梅酒)
一、福椀
一、前菜八品
一、向附(刺身)
一、煮物
一、酢の物
一、焼物(鰤)
一、飯物・香の物
一、水物

 前菜の八品は一品ずつ手間
をかけた、丁寧な品々でした。
 味は値段相応の、可もなく
不可もなし。

 食事の後はお茶室に移って、お薄をいただきます。
 
 
 
 

← 和服の美人がお手前を披露してくれま
 すが、これは正客のお一人だけ

  この席には8人の客が詰めていました。
 あとの7人は別室で点てられたお茶椀を
 運んでくれました。時間の制約もあって、
 これは仕方のないところです。

← 秋の盛りには、きれいに色づいてい
 た木々も、すっかり葉を落とした茶室
 の庭は、枯れ松葉が敷かれていました。


  6人の庭職人が5日間の予定で作業
 するのだとか。冬の霜から、庭の苔を
 守るための作業だそうです。


 食事のあとも、お茶をいただいたあとも、ゆっくりとくつろぐこと
ができました。お陰で、久しぶりのお二人ともさまざまに話を弾ませ
て、楽しい時間をすごすことができました。

← お菓子売り場で、この館の
 看板商品「あも」を、お二人
 から「お土産に」と頂戴しま
 した。


 「あも」は牛肥をつぶ餡で四角に囲んで包んだ羊羹仕立ての一品。昭和46年に長等総本店で産声を上げた「叶匠壽庵」の代表銘菓です。牛肥餅の食感に、甘過ぎないつぶ餡が絡んで、後味の良い仕上がりでした。

 玄関を出たところ…、中庭の植え込みの根元に敷かれた苔にも、枯れ松葉がかけられていました。その松葉を摘んで、3〜5歳ぐらいの姉妹が遊んでいました。    


 声を掛け合う姉妹の仕草がとても微笑ましく、僕も幼ない子どもたちの可愛さが解る歳になったようです。


← 駐車場へと戻る途中に、「川床テラスカフェ」が
 ありました。(写真はパンフレットから


  晩秋の今日はもう落葉に埋もれていて、客の姿はあり
 ませんでした。
  でも、「営業時間16時まで」との看板が出ていまし
 たから、風の中でのコーヒーもOKかも知れません。


 午後4時10分、才媛お二人に別れを告げて、家路に就きました。

 「寿長生の里」は、春夏秋冬それぞれに花が咲き(パンフにあるだけでも55種類の花々が紹介されています)、季節の旬のものを素材にした料理をいただくことができます。
 早春には観梅会、夏にはホタルの鑑賞、秋にはもちろん紅葉…、また一年を通じてお菓子作りの講習会や陶房見学、紙漉き体験など、さまざまなイベントも企画されています。冬にさえも、センリョウ・マンリョウや侘助椿など17種類の花木が歓迎してくれ、餅花作り、クリスマスコンサートが催されて、川床テラスは囲炉裏テラスカフェに変身するのだとか。

 我が家から、新名神を走って1時間半…。時々こっそりと、息抜きに出かけるのもいいかなと思っています。

                              
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