【283】
 KLタワー、ツインタワー
     
クアラルンプール報告 その3  
マレーシア近代化の象徴        2014.09.15

 
【この項の前半「KLタワー」見物は、「クアラルンプール・ゴルフ紀行の1」と重複しています】

 朝食を済ませたのが午前10時、今日はゴルフに出かけるのだが、スタート予約は午後1時30分だから、ホテルを12時に出発すればよい。それまでまだ2時間ほどあるので、クアラルンプールのランドマーク「KLタワー(クアラ・ルンプール・タワー)」へ行ってみることにした。

      クアラルンプール市内のどこからでも見える「KLタワー」→

 通りを歩いていくと、僕の顔には『タクシーに用がある』と書いてあるのか、運転手くんが声をかけてくる。若いのや太ったエネルギッシュな運転手くんは、やる気満々に料金をふっかけてくる。料金交渉に、ファイトを燃やしているのか、面倒だ。ちょっと歳をくって、くたびれたっぽいおじさんは、無謀な提示はしてこなくて良心的である。
 この朝は、洗いざらしのカッターを羽織った50ぐらいの小柄なおじさんが声をかけてきた。しかも前歯が1本かけているのも理想的だ。
 「タクシーどう?」と言うのに、「KLタワー、ハウマッチ」と聞く。ブキット・ビンタンからKLタワーまでは約5分、料金は10RMで十分だろうが、「10RM(330円)」ではちょっと気の毒かなという気がして、運転手くんが「20」と言うのに「OK」とすんなり交渉が成立した。
 往きの5分間ほどの間に、運転手くんは運転しながらクアラルンプール近郊の観光地の写真やパンフレットを出してきて、「ここに行かないか?」と営業をかけてくる。「今日は午後からゴルフだ」と言うと「明日でも、明後日でも…。電話してくれれば迎えに来るよ」と電話番号を手書きしたパンフを出してくる。でも、「another time(またの機会に)」と言うと、それ以上は勧めて来ない。

← ほどなくタワーの上り口に着いた。

 右上に見えている白い大きな円柱がタワーの根元だ。

   入場料を支払う →

 受付の男の子が「ジャパニーズ?」と聞いてきた。「Oh Yes」と答えると、「Over 55?」と重ねての質問だ。「ジヤパニーズのシニアには入場料がディスカウントされる」と言って、通常48RMだったかのところを半額ほどにしてくれた。
 ジャパニーズのシニアだから割引というわけでなく、世界各国どこの国の人でも適用されるシニア割引なのだろうが、「ジャパニーズのシニアは割引だ」とわざわざ言うところに、親日のお国柄が現れているようだ。
 
 チケットを買うと、ガードマンくんがエレベーターの乗り場まで案内してくれて、ここで待てと立ち位置まで指示してくれる。これって、案内する間に観察して客の不審度をチエックしているのだろうか。KLタワーは世界第4位の高さ(421m)を誇る、マレーシアのシンボルだ。爆弾なんか持ち込まれて、途中でポキッと折られたりしたら大事件だ。

 展望台があるのは地上276mの球状の一帯、ここは6階構造になっていて、1階が展望台だ。

← エレペーターを降りると、いきなり眼下にクアラルンプールの市街が広がっています。

       北方を見ると「ツインタワー」が ↓






 章くんが展望台でエレベーターを降りたのに、まだ乗っている人がいた。『まだ上にも行けるのか?』と思ったのだが、聞いてみると2階には回転レストランがあって、ビュッフェ形式でのランチ、ディナーを食べさせるという。食事は先ほど済ませたところだから、今日はいいかな。

← 後日に行った、デナー時の夜景です。

 さらに3階はメガビュー・バンケットデッキ(宴会場)。そして、このタワーは電波塔なのだから、その上の4〜6階は電波関係の会社や技術関係者が詰めている

  東方を見ると→

      赤丸のところが章くんのホテルの位置だ。

 あとで聞いたのだが、タワーの見物客には専用のイヤホンが無料で借りられ、日本語、英語など自国語でのガイドを聴きながら、展望台内を一周できるとか。
 教えてくれなきゃ…。ジャパニーズ・シニアに対する配慮が、ちょっと欠けていたんじゃないかい。


← 展望台の壁には世界の通信塔が高さ順に紹介されていて、東京スカイツーが一番に並んでいました。

 KLタワーは、目の前に見えるペトロナスツインタワー(452m)に対して、標高94mの丘ブキッナナス (Bukit Nanas) の頂上に建てられているため、ツインタワーより実際には高く見える。
 1991年に着工し、1994年にマハティール・ビン・モハマド元首相が式典で最上部のアンテナを立てて、421mの塔ができあがった。内装工事も含めて1996年5月に完成し、7月から一般公開が開始された。

 足元にモノレールの「ブキット・ナナス駅」が見えています

 帰りはモノレールに乗って帰るつもりだったのだが、生憎大粒の雨がパラついてきたので、傘も持たずに来た章くんは、駅までの300mが歩けない。

← 1階に降りていくと、入口を出たところにカウンターを置いて、「タクシーいかがですか」と呼んでいる。

 「ブキット・ビンタンまで、いくらだ」と聞くと「30RM」と不埒な事を言う。
 「20RMだろう」と言うと、「いや、ここからは初乗り30RMと決まっている。私は公式なタクシー係員だ」とかなんとか言いながら、胸から下げている身分証を見せてくる。
 東南アジアの国の身分証ほど当てにならないものはないことを、章くんはタイでの経験でよく知っている。「公式係員」なんて、所詮は自称なのである。
 20年ほど前にタイでトクトク(3輪タクシー)に乗った時、王宮からシェラトンまで運ちゃんが「100バーツ」だと言う。相場がよくわからなかった当時の章くんが『高いんじゃないか』と考えていると、白い制服に星2つの肩章を付けたおじさんがやって来て、胸の「セキュレタリー(secretary)」と記したワッペンを見せながら「ああ、順当な値段だね。あと、土産物屋なんかへも案内してもらうといいよ」と助言してくれた。が…、後から考えてみると、このおっさんも観光客を騙す役者の一人だったのだ。王宮からシェラトンまでなら、トクトクの相場は50バーツといったところらしい。
 まぁ、トクトクの運ちゃん、「宝石店へ行こう、見るだけOK…」「土産物屋へ行こう」「洋服屋へ行こう」と誘ってくるので、どうせ暇だった章くんは「行こう、行こう」とみんな付き合って、何も買わなかった。2時間ほどあちこちと案内して、1バーツのリベートも入らなかった運ちゃんは「あと100バーツくれ」と言い出した。「何言ってんだ、こんな時間まで無駄足させたくせに」と腕時計を示しながら日本語でまくしたてると、『こいつ、怒ってるな』という雰囲気を察したのか、ホテルの前で章くんを下ろして、何も言わずに走り去っていった。
 運ちゃんにはむしろ気の毒なことだったと思うほどだが、許せないのは「セキュレタリー」のおっさんである。いかにも公式な係員だという顔をして、観光客をカモろうとする。
 だから、章くんはこのKLタワーの入口に座っている自称公式係員も信用してはいない。「来る時も20RMだった。20RMでしか乗らない」と言って、客を送ってきたタクシーを捕まえようとしたら、ここで一般タクシーに乗り込まれては困るのか、「20RMでいい」と言って横に止まっていたタクシーに手招きした。
 
       KLタワーからの帰り道。
         タクシーの窓からパチリ、結構な雨です。→


 11時20分、ホテルに戻り、ゴルフの準備をする。


          ○     ●     ○     ●     ○


ペトロナス・ツインタワー 訪問


 クアラルンプールへ来てから、まずは食べ物屋を見つけないと餓死するといけないので、昼も夜も町を歩いていたら、3日ほどが過ぎていた。
 今日こそは、躍進するマレーシアの象徴である「ペトロナス・ツインタワー」を見に行こうと、昼食を済ませて、午後1時過ぎから出かけた。

 ブキット・ビンタンからツインタワーまでは約1.5km、ゆっくりと歩いて30分ほどの距離だ。

← スルタン・イスマイル通りを北へ、モノレールの下を
 歩きます。


    ラミー通りを右に曲がると、
       まもなくツインタワーが見えてくる。








 20世紀の超高層ビルとしては最も高い、高さ452mの88階建て、マレーシアの国立石油会社ペトロナスによって建築されたので「ペトロナス・ツインタワー」と呼ばれている。
 建設当時はこの尖塔を含めた高さ(452m)でシカゴのシアーズ・タワー(442m、アンテナ含:527m)を抜き、超高層ビルとして世界一を誇っていたが、2003年10月17日に台湾の台北101(509m)に世界一の座を譲り渡した。ただし、二本のビルが対になっているツインタワーとしては依然として世界一の高さを誇っている。





← 足元の通りには、きらびやかなモニュメントが。

 建築に関しては日本の建設会社ハザマがタワー1を、韓国のサムスン物産建設部門がタワー2を、それぞれ建設した。

 この日本と韓国の企業によって、別のタワーがそれぞれに建てられたことに関しては、いろいろな噂話が飛び交っている。
 噂1、元々は日本の建築会社「ハザマ」が受注したのだが、韓国の建築会社「サムソン建設部」が強引に受注工作し、タワー1を日本が、タワー2を韓国がそれぞれ担当するという、前代未聞の建築となった。
 噂2、タワー2(韓国側)については、工事途中から手抜き工事や技術不足が指摘され、最大4.5cm傾くことが予測されていたことが、報知新聞2002年2月3日の報道等からわかっている。
 噂3、建築過程でも、日本側のタワー設計図を、韓国側が共同工事なのだからという理由で勝手に持ち出しコピーして、それを下図に韓国側の塔を建てた。勝手に持ち出したのに、設計図に日本側がタワーが傾くような細工をしたなどと、韓国側から非難された。
 噂4、電気の配線の工事がずさんであったことなども加わり、開業当初からタワー2にはテナントがなかなか埋まっていない。 このためタワー2には電気のついていない部屋が多く、「昼は2本、夜は1本」とも言われている。
 …などといった話だ。いずれも、ネットサイトを開けてみたりすると侃々諤々の議論が沸き起こっている。真偽のほどは定かではないが、4の「タワー2には入居者が少ない」という話には、ビルの入居者プレートを写真に撮って『この通り』と示したものもあった。
 なお、41階と42階の二箇所に設けられた2本のタワーを結ぶ連絡橋(スカイブリッジ)は、フランスの建築会社による施工である。

 このタワーの下はショッピング等の複合施設、スリア・クアラ・ルンプール・シティ・センター (Suria KLCC) となっている。ここには、多くのショップとともに日本の伊勢丹、紀伊國屋書店などが入居している。
 伊勢丹は、1・2階にデパートとして、また地下にスーパーマーケットを展開していて、主要なテナントの一つ。また、紀伊國屋も2つの階にわたって展開していて、外部プールに面しており、カフェもある。

 実は章くん、このタワーに上るにはどこで切符を買い、エレベーターはどこにあるのかと探したのだが、中が巨大すぎてよく解らない。そこで尋ねてみようと伊勢丹の売り場へ行って、「日本人の方、居られませんか」とマレーシア人らしい店員の女の子に聞いてみた。
 「Oh yes,justmoment please」とにこやかに対応してくれた店員さんは、奥に消えてなかなか出てこない。章くんは、各売場に日本人が常駐していて、すぐにでも「はい、はい」と出てきてくれると簡単に考えていたのだが、ほとんどの部署は現地スタッフで運営されていて、店員さんは日本人を探しに行ってくれたのだ。
 待つこと10分、応対してくれたのは、「伊勢丹出入りの△△会社に勤務しています○○です」と名乗る40歳前後の商社マン。マレーシアに来て15年になると言っていた。
 「マレーシアは良いところです。日本人のリタイア後の移住先として、シンガポール、バンコクなどもありますが、シンガポールは物価が高い、バンコクはインフラの整備がイマイチ…、クアラルンプールは都会的でそこそこ暮らしやすいです」と話してくれた。
 たいへん親切にしていただいて、章くんはタワーの上り口を教えてもらうだけのつもりだったのだが、1・2階のあちらこちらを案内してもらい、最後にはエレベーターの乗り口に連れて行ってくれて切符の買い方まで尋ねてもらった。
 切符売り場の窓口のおばさんはわざわざ出てきてくれて、丁寧に説明してくれた。もちろん、直接聞いてもチンプンカンプンで、○○さんが聞き取ってくれてわかりやすく話してくれたものである。
 それによると、このタワーは超人気…。上るにはまず整理券を受け取ることが必要で、毎日朝の8時30分から配布している。今日の分はもう配布済だから、明日の朝8時30分にまた来てください。ということであった。ここでも、シニアは半額ほどになるとか。
 
(現在、インターネットで予約する方法もあるらしい。【参照】 シニア割引はできないのかも)
 朝の8時に整理券をもらいに出かけてくるのは、朝まるで弱い章くんには至難の業である。まあ、「KLタワー」に登ったから、1kmほどしか離れていないツインタワーからの眺望もそれほどの変わりはないだろうということで、せっかくご案内いただいた○○さんには申し訳なかったが、この滞在中はツインタワーへ上る機会はなかったのである。ただ、「伊勢丹」には地下にスーパーマーケット部もあって食料品なども豊富だから、何度も足を運びいろいろなものを買い込んできた。

 ○○さんには改めて感謝である。異国で受けた親切には、同じ日本人であるゆえにという同胞としての心尽くしが身にしみて、嬉しさもひとしおであった。
 西側出口まで案内してくれて、「ここにはタクシーがたくさん常駐していますので、お帰りには便利です」と送ってくれた。
 「マレーシアに骨を埋めるおつもりですか」と尋ねると、「いやぁ、いつかは日本に帰りたいですね」と笑った。望郷の思いを胸に、異国で活躍する日本人が、たくさんいることを再確認した。

   
ツインタワー西側入口前の庭園と
      目の前に立つ「パブリック銀行」本店 →


 パブリック銀行は2013年から日本のりそな銀行との間で、マレーシアおよびカンボジアを始めとするインドシナ地域における金融機能の提供などを目的とした業務提携をしている。
 りそな銀行の広報紙によると、『パブリック銀行はマレーシア国内に250以上の店舗ネットワークを有し、総資産でマレーシア第2位の大手民間商業銀行です。また、同行は日系企業の進出が加速しているカンボジア国内に25店舗、ラオス国内に4店舗のネットワークを有するなど、インドシナ域内においても充実した金融サービスの提供を行っています。今後、その機能の活用を通じて、現地通貨建て融資・貿易金融をはじめ、お客さまのさまざまな金融ニーズをサポートすることが可能となります』とある。


 西側の庭園でしばらく腰掛けていると、
全身を黒い布で包み、目だけ見せる二カーブをまとった女性の一団がやってきて、ツインタワーをバックに写真を撮り始めた。
 ポーズを取っているが「覆面をしたままじゃ、誰だかわからないんじゃないか」と思って見ていると、シャッターを押す直前に、顔のベールを上げた。

 そうだよなぁ、そうでなくちゃ、誰の写真を撮ってもみんな同じだものね。(笑)


 午後6時30分、タワーの下のスリア・クアラ・ルンプール・シティ・センターを見物がてら、食事をすることにした。

 センターの中は1・2階はショッピングストアーが並び、3階はレストラン街だ。
 そのうちの1軒で「すいかジュース」を見つけた。タイ訪問時には、南国の太陽を浴びて甘さいっぱいに育ったスイカの美味しさをそのままジュースにした「スイカジュース」を毎日飲んで歩いたが、ここクアラルンプールにはスイカをミキサーでジュースにしてくれる店はあるけれど、味付けして「スイカジュース」に仕上げてくれる店は見当たらない。


 この3階のフルーツコーナーで見つけた一品は、期待の持てる姿をしている。18RMとちょっと高めだが、口にすると期待通りの味だった。→


← 「スイカジュース」を飲みながらレストラン街を見渡していると、地元の人で賑わっている店などがあった。


 章くん、そのうちの1軒のタイ料理店に入った。

 店の造りはちょっと見ゴージャスで、店内には客の影はまばら。少し値段も高い目だから、それで客が少ないのかなと思いながら席に着いた。

← 一番目に注文した「トム・ヤン・クン」が運ばれてきて、客が少ない訳がわかった。

 スープがぬるい。具材は豪華だが、味がカスカス。

 次に「プ・パッポン・カリー」と頼んだら、黒服に蝶ネクタイを結んだおじさんが「どんな料理だ?」と聞く。『タイ料理店なのに「プ・パッポン・カリー」を知らんのか』と思いつつ、「クラブ(蟹)の料理だ」と言うと、「クラブ料理はここだ」とメニューを見せてきた。
                   
そこで頼んだのがこの料理 →

 カニの身をカレーで味を付けて揚げたものだが、油が古いのか鼻につく。

← 最後の「パイナップルチャーハン」に至っては、ご飯がベチャベチャ。


 東南アジアのコメはパサパサで、チャーハンなどにはうってつけなのだが、どんな料理の仕方をすればこんなになるのか。

 締めて148RM。クアラルンプールでもそれなりの店に行けば日本と同等の、時にはそれ以上の価格になる場合はある。しかし、この148RMは、ちょっと値打ちがなかったあなぁ。

 午後8時5分。外へ出ると、東京よりも経度で38度ほど西にあるクアラルンプールは、まだほの明るい。ツインタワーの夜景は、また後日のこととして、ホテルに戻った。


          ○     ●     ○     ●     ○


ペトロナス・ツインタワー 夜景

 クアラルンプール滞在もあと1日…。ツインタワーの夜景を見に行ってないので、今日こそはと出かけた。

   
夜空に浮かぶツインタワーは
     まるでダイヤモンドの輝きのよう…とか
             (パンフレットより) →


 アロー通りの屋台店で夕食を済ませたあと、タクシーの運ちゃんに「ツインタワー」と言うと、例によって「30…25…」と言ってくる。「じゃぁ、帰りまたブキット・ビンタンまで戻ってきて、往復で40RM」と話をつけた。


 タクシーで足元まで行った。
 

   見上げると、真っ暗な夜空に
          銀色の光が伸びている。→



 運ちゃんに、「1周してくれ」と言ったら「ダメだ」と言う。あと20RMを支払うつもりだったのだが、うまく伝わらなかったようだ。「じやぁ、ここで降りる」と20RMを支払ってタクシーを降りた。
 








 





 
 
 「パブリック銀行」本店も
   金色にライトアップされていて、

     ツインタワーの銀色にマッチしています。→

  
  西口庭園から見上げた尖塔 ↓



 
 




  
 
  
 
 
 
 








 
 
  
  
  
  
  
スリアKLCC越しに見上げたツインタワー →


 ツインタワーの東側に当たるこの方向から見る夜景は、何かしら光が柔らかなようである。

 タワーの東側にはKLCC公園が広がっていて、市民の憩いの場所になっている。ただ、夜は街灯も少なくてとても暗く、治安上の心配があるとガイドブックに注意書きがあったので、足を踏み入れるのは止めることにした。
 
 タワーのすぐ東にある池には噴水があって、噴き上がる噴水越しにタワーを見られるこの場所は、パンフレットやガイドブックの写真にもよく使われている。
 この池にかかる小さな橋からの写真を撮ろうと行ってみたが、防犯上の配慮なのか、夜間通行止めの表示があった。
 置かれていたベンチに座ってしばし光の塔を眺め、午後10時40分、ホテルに戻ることにした。

 帰りのタクシー乗り場では、いつもの交渉だ。時間も遅いせいか、「ブキット・ビンタン」まで「30RM」と吹っかけてくる。「20だろう」と言うと「ダメ、ダメ」と首を振る。「要らん」と言うと「25」になり、立ち去ろと歩き出すと「20、20」と追いかけてきた。
 こうした値段交渉にタフにならないと、東南アジアでの暮らしを楽しむことはできないのかもしれない。

                                  物見遊山トッブへ