◆ 青森 ねぶた祭り ラッセイ ラッセイ ラッセィラ−(2003/8/ 9)【物見遊山51】

ねぶた2

 近場の見どころというこのコーナーの趣旨にはちょっと反するけれど、8月5・6・7日と行ってきた「青森 ねぶた祭り」のにぎわいを報告する。


 8月2日から始まった青森「ねぶた祭り」も、私たちが訪れたこの日は5日目、夜に練るねぶたの最終日である。夕刻になると、浴衣に赤や水色のたすきをかけ、花笠を被ったハネトと呼ばれる踊り子たちが会場へと繰り出す。会場へ向かうハネトのみなさん
 午後6時30分。辺りが少し暮れかかったころ、21台の山車が引き出され、会場内の所定の位置に待機。定刻6時50分、花火を合図に全ての山車が一斉に動き出し、ラッセイ ラッライの掛け声とともにハネトが跳ねる。

はねと
 一台の山車は、先導に続いて500人から大勢のものは2000人ほどのハネトの集団、そのあとをねぶた灯篭が練り歩き、太鼓・笛・鐘などの囃子衆が続く。ハネトやお囃子は一家総出だ。お父さん・お母さん、兄ちゃん・姉ちゃん、小学生の子どもやヨチヨチ歩きの子ども、お母さんの背中に負ぶさって跳ねている赤ちゃんハネトもいた。青森の子どもたちは、ねぶた祭りの囃しを聞いて育つ。

鐘を打って囃す女の子
 集団の中に仮装した人たちがいる。バケトと呼ばれて、イエス・キリストや一休さんなど、誰が見てもそれとわかるキャラクターに扮している。カッパや鉄腕アトムなどのぬいぐるみを被っているバケトもいた。
  2・3年ほど前までは、黒い衣装に身を固めて、集団で暴れまわるカラス族と呼ばれたならず者たちが居たという。市民と警察の連携のもと、徹底的な締め出しを図って、今は全く姿を見ないとか。祭りを守ろうという人々の断固とした意思が、カラスを締め出したわけだ。

 ねぶた3一時、酒を飲んだり喧嘩をしたりで、高校生の参加を禁止した時期があったという。しかし、その翌年、翌々年と目に見えて祭りに活気がなくなり、やはり若い人たちの参加がなくては、祭りの元気は出ないことが照明されたようである。
 この日も、開会に先立って、高校生たちが鈴や団扇・タオルなどのねぶたグッズを籠に入れて売り歩いていた。私たちの観覧席へも、入れ替わり立ち代り「いかがですか。買ってください」やって来た。

はねるハネト
 JR東日本チームが最優秀の「ねぶた大賞」。青森NTTチームにはたくさんの青少年が参加していて、ハネトの数は2000名を越えていたと思われ大迫力。青森PTA連合会のテーマは青少年非行防止だ!
 沿道の見物人が太鼓を鳴らしたり鐘を打ったりすると、ハネトや囃し子が列を抜けて集まり、そこに踊りの輪ができて、観客と参加者が一体となっての盛り上がりを見せていた。
 北国の短い夏は、凝縮された人々のエネルギーをほとばしらせながら、ラッセイの掛け声とともに更けてゆく。




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