【物見遊山3】 躍進する横浜 みなとみらい21花火      (2002/8/2)


 東京での仕事が午前中に終わったので、横浜に出てみようと、JRに飛び乗った。ほぼ15年ぶりの横浜である。躍進する横浜はたいへんな開発ブームで、新しいビルが次々と建設されている。赤レンガ倉庫
 駅前からタクシーに乗って一回りしてもらった。みなとみらい21中央地区に建つ「横浜ランドマークタワー」は、日本一の高さだとか。先日、六本木タワービルに登ってきたのに…。
 新港地区の赤レンガ倉庫は、昔ながらのいでたちでノスタルジアを誘う。タクシーにちょっと待ってもらって中をのぞくと、レストランやお店屋さんが並んでいる。輸入雑貨やアンティークな西洋家具にすばらしいものがたくさんあった。
 大桟橋埠頭を一周して山下公園から、坂を上って港が見える丘公園から 横浜港ベイブリッジ港の見える丘公園へ。ここでも少し下車して横浜港を一望させてもらう。左手にマリンタワーから山下埠頭、その向こうに国際客船ターミナル、さらに新港地区が広がる。右には、横浜ベイブリッジが対岸へと延びる。
 外人墓地へも寄ってもらった。望郷の念を抱いたまま異国の土に帰した人々の思いが胸を打つ。
 「ひととおり、回りました」と言う運転手さんに、もう一度「赤レンガ倉庫」へ戻ってもらい、そこでタクシーを降りて、2号館の「横浜たちばな亭」で軽く昼食。そのあと館内のお店屋さんをのぞいて歩き、オランダ製の帽子とちょっと古い組みガラスのコップを買ってきた。古いステンドグラス、素晴らしい色彩のものがたくさん並んでいた。
 国際ターミナルに豪華客船「飛鳥」が入港していたので見に行ったあと横浜中華街 萬珍楼、元町のショッピング街をぶらついてから、中華街の「萬珍楼」へ。今夜は横浜港の花火大会なので、中華街もごった返している。「飲茶ですか。それともお食事?」と聞かれて、「食事!」と答えると、約30分ほど待たされて席に案内してくれた。
 海鮮おこげ、エビと野菜の甘煮、フカヒレスープをオール1人前と頼む(メニューに全品とも1人用いくら、2人用いくらと書いてある)と、黒服ウエイターくん、ちょっと変な顔をしたように思ったのは僕のかんぐりか。だって、周囲はみんな1万5千円ほどのコースを頼んで、シーンとした雰囲気の中で食べている。でも俺だって、3品で9800ナンボかを払ったぞ!
 萬珍楼は、飲茶専用の店が近所にあって、軽い食事をする人はそちらの店を利用する。飲茶店はこの店の静けさと対照的に、ひっきりなしに人が出入りし、注文に品出しに活気あふれる雰囲気だ。『3品なら、飲茶店でしょ』という黒服くんの雰囲気を感じた横浜 花火のは、読みすぎか。
 しかし大胆にも、たいしたものを頼まなかった割には粘りに粘った。花火まで、まだ間があったし、外は暑い。「まぁこれぐらいにしといたろか。俺を怒らせると怖いぞ!」と捨てぜりふを口には出さずに外へ出ると、ようやくあたりは夕闇が迫り、町に明かりが灯り出していた。山下公園までブラブラ歩き、芝生の上へ新聞紙を敷いて寝転がる。花火見物の態勢だ。
 『ン、何か足らない』。そうか…と気づいて、焼きそばとベビーカステラ、それにコーラを買ってきた。満腹でも、花火アイテムが揃わないと雰囲気が整わない。
 ン、花火を見ていたら、新幹線の最終に間に合わないことにも気づいた。まぁ、なんとかなるだろう。


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