◆ 奈良 ライトアップ プロムナード 2003  2003/8/28    【物見遊山55】

鷺池の浮御堂
 久しぶりに大阪へ車で出かけた。昨日お昼過ぎに津を発ち、昨夜は大阪泊まり。今日の会議が早くに終わったら、神戸へ足を伸ばしてみるつもりだったのだが、終了が6時半。そのまま帰ることにして、途中、名阪道を天理で降り、奈良へ寄ってみた。
 猿沢の池の横を通ると、ライトアップされた興福寺の五重塔が見える。奈良は今、東大
寺大仏殿・興福寺五重塔など、奈良を代表する建造物など11ヶ所をほのかな明かりで映し出し、夏から秋への古都の夕景色を訪ねる『ライトアッププロムナード・なら 2003』なる催しが行われているのだ。興福寺 五重塔
 コースは、奈良駅から猿沢池〜興福寺〜国立博物館〜鷺池浮御堂〜東大寺をめぐるが、夕食もしたいし、歩いて回るほどの余裕もない。ほとんどを車で回り、それぞれ
で降りて拝観してきた。
 光りに浮かぶ興福寺の五重塔は圧巻だ。この塔は、他寺の五重塔に比べて大きいのではないか。詳しく調べてみたことはないが、塔の下から見上げると、天平の反り上がりをみせる五層の屋根の威容が重々しく迫ってくる。
 鷺池に浮かぶ浮御堂は、平成5年に新装なった優美な姿を池面に映して幻想的である。少し歩いてみようと思い、飛火野の木々の間を縫って、東大寺へ向かった。
 午後8時を過ぎたこの時間でも、夜遊び好きの鹿が松の木の陰から出てきて、おやつをねだる。ごめん、鹿せんべいを売る茶屋も、もう開いていない。

 歴史的建造物と自然的景観が渾然一体となった奈良公園を舞台に、趣き深い古都の情感をいや増す光の演出…。控えめなやわい光りに浮かぶ天平の甍は、昼間とはまた違った表情を見せる。繁華街 奈良タウン
 

 近鉄奈良駅の近くに車を預け、新興の繁華街「奈良タウン」を歩いた。古伊万里の器が店内狭しと並ぶ、和食処『味恵方』へ上がる。季節の食材を吟味した料理は、懐石料理が6000円から。今日は看板近い時間であったので四季御膳4000円を頼み、ウーロン茶をサービスしてもらった。8種の小盛り皿、鮪・鯛・イカの刺身3種盛り、揚げ物、朴葉包みの味噌漬け肉、白味噌の汁。最後にほうじ茶の茶漬けと沢庵の浅漬けがさっぱりと切り上げてくれる。と、思ったら、黒砂糖味のシャーベットまで付いて、満腹!。

 店を出て、時計を見ると10時。 JR奈良駅から猿沢池に至るこの三条通り界隈は奈良一の繁華街のはずだが、金曜日の夜というのに人通りが少ない。通りの店も、シャッターを閉めているところが少なくない。奈良の人たちの穴場はどこだ。もう一度、奈良公園へ戻って、鹿と遊ぶか。



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