◆ 乗鞍スカイラインと白骨温泉 2003/9/3-4 【物見遊山56】

今日も、中部以西は晴れマークが並んでいる。9月の声を聞いてから、下界がどうも暑い。どこか涼しいところへ行こうと思って、乗鞍岳を目指した。スカイラインは今年からマイカー規制が布かれ、ちょっと様変わりしたようである。
朝7時30分出発。東海北陸自動車道を荘川まで走って、朝食を食べていないので高山で少し早い昼食を取り、平湯に着いたのが午後1時前。ほおのき平駐車場に車を停めて、畳平までの専用バスに乗る。往復1800円は、かつての乗鞍スカイラインは往復3000円ほどしたと思うので、安いというべきなのだろうが、3名・4名と人数が増えれば物入りというべきか。
バスの座席に座ると乗用車よりも視線が高いので、車窓から眺める景色も目新しい感じがした。何よりも運転しなくていいので観賞に浸ることができる。下界は良く晴れていたのだが、山頂に近づくにしたがって雲が出てきた。ほおのき平を出発してから約50分、畳平に降り立つと肌を撫でる風が、ほんのりと冷気を含んで心地よい。周囲の木々はほのかに色づいて、どこ

となく秋のいでたちである。
今まで乗鞍へは10回に余るほど来ているが、実はコロナ観測所や山頂へ行ったことがない。いつも畳平に夕方着くので、山頂付近を歩き回る時間がないのだ。

今日もすでに2時過ぎ、山頂散策はあきらめて、3時30分、早々に下りのバスに乗る。
途中から白骨温泉の丸木旅館に電話を入れて、今夜の宿を頼む。白骨は、昔は白船温泉といったそうだが、中里介山の「大菩薩峠」に白骨温泉という名で登場し、以来その名まえが定着したとか。ここのお湯は炭酸石灰を多く含み、噴出するまでは無色透明だけれども、空気に触れると白濁するのだという。湯の色は、ミルクを流し

込んだような乳白色である。
石灰を含むので、噴出口に多くの沈殿物が堆積する。幾重にも積もって「噴湯丘」という独特の景観を呈する。浴場にも石灰の沈殿が溜まり、湯殿にも、排水溝にも、いたるところに沈殿物が見られる。
沈殿物が混ざっているせいか、神経質な向きには異物が浮いているようで気になるかもしれないが、乳白色の湯は肌に優しく、湯上りの心地も申し分がない。胃腸病・神経系統諸病・婦人病などに効くとされていて、
少量の硫酸を含むので皮膚を丈夫にするためか、古来「3日入れば、風邪をひかない」といわれる。 日が暮れると、あたりの山々は漆黒の闇に包まれ、その懐(ふところ)に抱かれたいで湯の里は静寂の中に沈む。宿の浴場は24時間。12時過ぎ、ひとり、露天風呂の湯船にひたる。見上げれば満天の星空! ゆったりとひそやかに時が過ぎる山間(やまあい)の夜…。あたりの涼やかさは、もうすっかり秋の気配である。
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