【1】 名こそ惜しまん −日本人の心意気はどこへ−     2001.05.30 


 日本には、古来から、『名を惜しむ』と言う考え方があって、鎌倉武士以来「名こそ惜しまん」という合言葉は、武士道の中心的な思想として、日本人の精神構造の中に大きな位置を占めてきました。
 太平洋戦争の敗北を契機として、それ以前の全てを否定することが進歩的であるとした日本は、日本人たる根源の精神的な支柱をも喪失してしまい、今日、社会の混沌を招くに至っています。
 今一度、「名を惜しむ」ということ…自分の名誉と誇りをかけて、世の中の正しいことや人としてやるべきことを成し遂げていこうとする思想と体制を構築することが大切です。名誉をないがしろにするものは軽蔑されて、人間として信用されませんし、誇りを持たないものは軽んじられて、人に尊敬されることはありません。

 永田町の倫理・派閥の利権など私利私欲に走る政治、公的資金の導入・債権放棄の要請など自己の責任を取ろうとしない経済、子どもの学力を保証せずに競争原理や責任を放棄した教育、恥よりも実利に走る風潮、そして、恥を恥とも思わなくなってしまった世相など、今の日本の抱えるさまざまな問題の根幹に、名誉と誇りをどこかへ忘れてきた日本人の姿があるのではないかと思います。


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