【3】 学歴偏重社会の打破 … 官公報・新聞から、出身校の表示をやめよう   2001.06.16


 人間の尊厳と価値を学歴で測ることの弊害をなくし、過激な受験戦争を煽ることなく、教育の本質を取り戻して青少年の健全な育成を目指すなどの合言葉のもと、「学歴偏重社会の打破」が叫ばれて久しい時が過ぎ去りました。
 現在その運動は、関係者もマスコミも世論も、ひところの熱心さに比べて、やや下火となった感は否めません。昨今、官公報や新聞各紙の人物紹介を見ますと、依然としてそのほとんどの場合に「出身校・学歴」が表記されています。
 学歴によってその人物を評価することを改めるとする、「学歴偏重社会の打破」の主旨から考えますと、人物紹介や選挙公報などに、出身校・最終学歴を記述する必要はなく、むしろ記述することが学歴によってその人物を評価することにつながっていると思われます。
 学歴からその人の価値を計ろうとする人間観、そこにつながる受験をビジネスにする偏向した受験競争が大手を振って歩いているのは、言うまでもなく望ましい社会の在り方ではありません。これらを是正し教育本来の目的を取り戻すために、また、人間の価値はその個人の生き方にあるのであって、決して出生の条件や社会的なレッテルによって左右されるものではないことを知らしめ、健全な日本社会を構築するために…、さらにもうひとつ、固定的な観念にとらわれることなく、人間の持つ根源的な部分からその人の価値を見い出し、社会の原動力とするために、学歴によって人を計る旧弊を改めなければなりません。
 その第一歩として、官公報や新聞の記事などから「出身校・学歴」の記載を廃することが肝要であり、「学歴社会の打破」への手がけるべきアプローチであると思います。




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