【4】小泉人気は、国民が政治に託した期待の表われ       2001.06.25


 東京都議選が、自民党の圧勝に終わった。小泉人気のなせる技であるが、もともと有権者の多くは緩やかな変革向上を望む保守層であって、自民党が健全な政党であれば、これに投票することを当然としている。前回の共産党の伸張は、自民党に対する苛立ちの反動としての得票であったことも、今回の選挙は顕かに示して見せた。


 民主党の議席の延びも、小泉人気に対して緊張感を覚えた野党勢力が、きちんとした対応をした結果の現れだろうか。すなわち、今までは放っておいても自民党のタガは緩んでいるから、正反対の極にいる共産党を際立たせて、反自民を形の上で鮮明に見せておくことが、有権者の意思であったのだろうけれど、昨今の小泉人気は、反自民勢力も自民党の自滅を待つということは許されず、実質的な政治勢力として内容を持たせることが必要となり、民主党という形に意思を結集させたということなのだろう。
 小泉人気は、野党勢力の緊張を喚起し、政治に対する人々の関心を高めたという点も評価されると思われるが、自民党にとって、ここは喜んでいるときでなく、再生への最後のチャンスを与えられた、スタートの地点であることを肝に銘じるべきである。
 国民の大多数は、日本が再び活力ある国家として再生することを望んでいるし、その力を秘めていることを信じてもいる。いま、この国を再生させる正しい指導者を望んでいるのであって、その期待を小泉首相に託しているのだ。だから、ここで自民党が、託された期待を裏切るようなことがあったら、私利私欲を図り、独善的な論理に走ることを繰り返したら、国民はそれを許しはしないだろうし、何よりも日本の国にとって致命的な損害を生じることになる。
 国政を担当するものの本義として、自民党よ、そして議員諸君よ、今こそ政治の大道を歩み、この国の行くところを明らかに示せ。目標が明示され、信頼のあるところ、痛みにも耐えられる。今、国民は、自民党に対してだけでなく、政治に対して、最後のチャンスを与えた!のである。




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