【49】目覚めよ 民主党 −小異を捨てて大同につくことこそ 王道−  (2002.09.25)


 鳩山新代表を選んだ新生民主党が人事でもめている。幹事長に、党首選への立候補を断念して鳩山氏支持に回った中野寛政氏を起用したことを、「論功行賞だ」として党内から総スカンを食っているのだ。
 党内抗争をやれるほど民主党も成長したということか。自民党にしても、保守合同による結成以来、激しい党内抗争を経て体質を強化してきたのである。ある意味では、対外闘争以上の熾烈さで、血みどろの党内抗争を繰り返してきている。
 しかし、今の民主党のゴタゴタは、自民党が繰り返してきた「権力闘争」とはその質が違う。代表選で新しい代表が決まって、難局を迎えている国政に正対して、小泉政権に政権交代を迫るべき場面なのである。
 私はかつて、【政治39で 健全な国へ 政権交代を】として「(大意)旧態依然の政治を繰り返していれば少なくとも政権維持は安泰といった、責任感も緊張感もない政治からは、進取の精神も意欲ある国づくりのビジョンも見えてはこない。…(略)…。わが国の政治の歪みや澱みを是正してこの国のかたちを正すために、健全な野党の成長と政権の交代が望まれる。」と書いた。
 勿論、野党第一党としての民主党はその責に自らを任じなければならないわけだが、今日の迷走を見ていると、その資格すらないのではないかと思う。
 政権をとるための戦いは堂々とやるべきである。しかし、鳩山氏に決した今、たとえ中野氏が選挙で鳩山代表決定に与しそれが幹事長就任の材料であったとしても、以後の協力に手を携えないというのは負けたもののひがみ根性である。幹事長人事は、鳩山氏の専権事項であって、自身がこれからの党運営に最も信頼する人を選べばよい。中野氏が政治的手腕に欠けて、幹事長を努める能力がないという確たる証左があるならば、その反対に説得力もあろうが、選挙で協力した論功行賞だから反対では、反対の理由をとにかく言い立てる反対屋の嫌がらせであり、負け犬の狂犬病であって、まさに民主党の体質を見る思いである。
 いわば自民党の党内抗争は権力を手にするための男の戦いであって、民主党のそれは成功者の足を引っ張る卑しさがつきまとう。党運営に対する意見はこれからの政治活動の中で実現していくべきであり、戦いは国政の中でその真価を発揮すべきものである。こんなところで小さなことをウジウジと問題にしている時ではないだろう。選挙で党首を選びながら、幹事長人事を論功行賞だから反対などともめている民主党に、万難を越えて、国際化の進む政治の舵を取り、小異を捨てて、経済や社会の改革をなさねばならないわが国の、国政を担当する底力があるとは思えない。目覚めよ 民主党!



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