【52】 この民主党に明日はない                   (2002.12.3)


 このクソ忙しい時に、民主党は何ということをしてくれるのか。仕事の原稿の締切日が過ぎているというのに、その原稿を放っておいて、民主党にひとこと言わねばならない。


 民主党の鳩山代表が、3日午前に国会内で開かれた党常任幹事会で、自らの進退について、「13日をもって代表の職を辞する決意を固めた」と述べ、新党構想をめぐる混乱の責任を取って今国会最終日の13日に辞任する意向を表明した。9月の党首選以降、くすぶり続けていた党内の不協和音が、自由党との連携という火種で一挙に爆発し、辞任を余儀なくされたものである。
 この民主党に、「大儀」はない。管・羽田・原口などテレビで意見を述べる議員は、とにかく鳩山辞任が先決であった。国政に対する大儀はない。自分達の目先の利益のためならば、何でもする。横路なんて、人の道に外れている…ヨコミチだ!なんて、民主党並みの駄洒落ジャン。
 ついこの間、選挙で選んだ自分達の代表ではないか。至らないところがあったら補完しあって、党勢拡大に奮闘するのが、目的を持った政治家というものだろう。しこりを引きずり、アラを探して足を引っ張ろうなんて、自分の品格のないことを…小物ぶりを、天下に露呈している。自公保の面々は呵呵大笑だ。「民主党さん、もう少ししっかりしてもらわなきゃ」なんて言われてる。
 鳩山由起夫のあとを、誰が継いだとしても、民主党はまとまるまい。大儀のない政治家の集まりでは、金かポストの利益でしか求心力も働かないし、第一に国民が民主党の底の浅さを見てしまった。
 私は以前、このサイトで、期待を込めて「政権交代のできる党に」と言った。あまりに長い自民党政権が垂れ流す社会的罪悪は目を覆うばかりで、自民党の政治家は国政を舐め切り、官僚や経済界は自民政権にべったり…、癒着・馴れ合い・利権など、社会の停滞を招く症状が蔓延していて、政権が変わるという緊張感がないことには、この国の姿勢は改まらないと思われるからである。
 しかし、この民主党に明日はない。民主党なんて、党の資金は鳩山が丸抱えで面倒を見てきたのだ。地方組織も何とか整った今、ようやく政党の体をなしたからといって、鳩山なしで一人歩きできると思っていたら、大間違いである。
 しかも、「金」以上に、民主党には「志」がない。一人の議員にでも「志」があったら、この時期に、鳩山党首に泥をかぶせるなどということはしなかったであろうに。鳩山由起夫よ、潔く民主党を出て、野党勢力の再編成を目指せ。また日本は大きな後退を余儀なくされたのかもしれないが、しかしそれ以外に、自民党に代わる政権の受け皿としての政党をつくることはできない。



 日本は今 トップページへ