【60】ブッシュ、ブレアに見る指導者の姿              (2003.03.24)


 ブッシュ米大統領も、ブレア英首相も、断固たる姿勢でイラク攻撃を説き、戦闘貫徹の構えを崩さない。ブッシュは国連決議の得られない状況を乗り越え、ブレアに至っては英国国会の反対決議を押し切っての開戦である。
 驚くばかりの信念ではないか。指導者たるもの、ことに当たっては百万人といえども我往かんの覚悟を確固として持つべきで、また、そうであるからこそ人々を説得することができるのである。もちろんその信念は、世の中の正義とされるものに根ざしていなければならない。ただ、万人にとっての正義は現実の世にはなく、自らが信じる正義に殉じることであろう。
 ブッシュを米国大統領にふさわしい資質を有しないと論じる、日本のマスコミがある。奢った話だ。アメリカ国民が選挙で選んだ大統領を、資質云々で何を否定することができると思っているのだろうか。指導者の条件は揺るぎない信念を有すること。それさえあれば、指導者としての姿は、あとから形づくられていく。
 その評価は、後世の人々が判じてくれることだろう。ただし、先人が記した歴史を、後世で評することの無意味さを以って…。
 振り返って、わが国の首相はどうだろうか。信念という点から言えば、細川護煕以後、お世辞にも信念を持ってという首相にはお目にかからなかった。小泉純一郎が信念を示しうるかどうかは、一に「構造改革の達成」にかかっている。



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