【63】 イラク戦争後の国際社会                   (2003.04.26)


 コメントする意味はないかなと思ってきたが、イラク戦争について、ここまで若干の発言をしてきたので、総括と今後に触れることは責任かなと思って書いていく。
 一言で言えば、アメリカのひとり勝ちだ。世界中の多くの国々の反対を押し切って開戦し、圧倒的な軍事力を見せて、大方の予想を上回るスピードで勝利したアメリカに、もはや抑止力となるものは何もないことを証明したということなのだろう。
 戦後処理についても、イラクの利権を賭けてフランス・ドイツ・ロシアなどは国連主導を主張するだろうが、フセイン体制打倒に血も汗も流さず、戦争反対・査察継続をお題目のごとく唱えていただけのものに、新体制樹立へ参画の余地はない。おこぼれに預かるべく、アメリカを遠巻きにして遠吠えするだけだろう。
 国際政治は、現実だけが真実であることを再確認させられた結末である。ものの見方の基本姿勢は唯物史観、社会を動かすのは欲望と利益、政治の要諦はマキュアベリズムで、力は正義なのだ。
 日本はどうするのか。アメリカの同盟国としての立場を、声高に一貫して貫くことである。それこそが、日本の将来を約束し、国際社会で存在を失わない道である。



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