【110】 ドイツ ワールドカップ 宴のあと 2006.07.12
世界中を熱狂の嵐に巻き込んだ、「FIFAワールドカップ・サッカー ドイツ大会」が、『イタリアの優勝』と『ジダンの頭突き』で幕を閉じた。
ドイツの準決勝戦の日、ブランディングブルグ門に集まった市民の数は100万人だったとか。何事もお上のお達しの通りがありがたく、人々が群れをなして行動することを嫌う農耕民族に比べて、いつもは獲物を求めて各地に散っている人たちが、大切なときには一堂に集まって議論し、みんなが参加して物事を決めていく狩猟民族らしく、自国の試合に人々は集まって応援をするわけだ。
欧州や南北アメリカの人たちにとって、このワールドカップはオリンピックの比ではない。その熱狂ぶりを、ドイツ在住の友人のメールの行間から垣間見てみよう。
『 この1ヶ月、ドイツ中が第二次世界大戦のあと初めてといってよいくらい、愛国心で一つにまとまったように思います。これまではヒトラー後遺症から抜けきれないドイツであって、国歌を歌ったり、国旗を掲げる事をどこか遠慮するきらいがありましたが、期間中は国中に黒・赤・黄(こちらではゴ―ルドという)の国旗がはためいていました。アパ―トの窓、バルコニ―、車に翻る国旗、Tシャツ、アクセサリ―、カラ―ペイント、レストランでの3色メニュ―…などなど。
そして、あちこちに設けられた巨大スクリ―ンの前では、人々を集めて各国との親善交流、出店、奇抜なファッションショ―などが連日連夜繰り広げられ、ホスト国としてのドイツの姿がそこにありました。
今回のドイツでのW杯開催は、無骨で融通の利かない、ケチで頑固なドイツ人という印象をすっかりフレンドリ―に変えてしまっただけでなく、ドイツ人がおおっぴらに愛国心を表に出すきっかけを作ったように思います。ドイツの国歌をスタジアムだけでなく各家庭でも大きな声で歌う姿を見て、圧倒されました。あの念仏のような「君が代」のメロディーは、試合前、ちょっと気分が
落ち込んでくる(?)ようにも思われますが、逆に、ドイツの国歌「ダス・ドイチュランド」は気分が高揚する…そんな感じです。
ドイツの国歌をご紹介しましょう。
大戦時の反省から一番は歌う事が禁止されていますから、 国歌斉唱の際には三番の歌詞が歌われます。
1: ドイツ すべてに上回るドイツ 全世界に冠たる国であれ
国家の保護のために力を合わせ マースからメーメル、エッチュからベルトまで
すべてに冠するドイツであれ
2: ドイツの女性、忠誠、ワイン、詩歌は その古き良き評判で全世界に維持される
我々の優秀な行いは命の限り我らを陶酔させる ドイツ人女性、ドイツの信頼、
ドイツワインとドイツの歌よ
3. 団結、正義(権利)、そして自由を 我らが祖国ドイツのために
その為に我らは心を通わせ手をつなぎ全力を尽くす
団結、正義、自由は成功(幸福)の礎 幸運の輝きの中で栄えよ!
栄えよ ドイツの祖国!
皆んな、ドイツが3位になるなんて思ってもいなかった、ドイツは弱いという評判だったから。だから一層、人々はボルテージを上げたのですね。
W杯が、もっと続いて欲しかった…。急に寂しくなりました。今度は2年後のヨ―ロッパ・カップです。開催国はどこだっけ??
おっと、日本は関係なかったですね。どうも私はドイツ人になりかけているのかなぁ〜。
PS. ジダンはなぜ怒ったのか?
こちらで口の動きから想像した人がいます、
どうも彼の妹が売春婦だとかいわれたみたい??? 』
ジダンでなくても、怒るよなぁ。家族を侮辱されて、これで頭突きを食らわさなきゃ、男じゃない!
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