【116】自民党新総裁に安倍晋三氏  得票率66%          2006.09.20


 NHKテレビが自民党総裁選の現場を中継…、今、第21代総裁に安倍晋三氏が選出された。結果は事前に判明していたこととはいえ、「新総裁は安倍晋三君に決定」という選管委員長の言葉を受けたときの安倍氏は、強い決意の中にもホッとした安堵の表情を浮かべて立ち上がり、四方へ丁寧に礼をしていた。
 新総裁としての挨拶の中では、「改革を受け継ぎ、しっかりと進めていく」との決意を述べた。あまりにも快走を続けた小泉首相のあとを受けて、何かにつけて反動の波をかぶる船出である。前途の洋々たることを祈念するとともに、先ずは、党役員と組閣人事に不退転の決意を見せて欲しい。
 7割が支持勢力に回った総裁選で見られるように自薦他薦ひしめくポスト争いが熾烈だし、参議院からは「閣僚2名枠は確保」との注文が出ている。しかし、ここで妥協する姿勢が微塵でも見られれば、安倍支持の高い世論は正体を見せられた思いがすることだろう。越えねばならない、第一のハードルである。
 麻生(136票、19%)、谷垣(102票、15%)の健闘に、見ているほうとしても胸を撫で下ろしている。両氏とも、100票を越える得票で、これからも国政の中で活躍する場を確保したと言えよう。
 人事のあとは、アジア外交だ。小泉首相には袖にされ続けてきた中国・韓国は、新総裁誕生の機会を関係改善への契機にしたいと願って、様々なシグナルを発信して来ている。両国の面子も立てながら、靖国参拝、領土・資源問題などについて取り組まねばならないわけであるが、アジア外交の成否はアジア諸国の理解と支持にかかっている。国民と国際世論を常に味方につける配慮を怠らず、多方面にわたる日本外交を続けて欲しい。
 憲法改正、教育改革…などとともに、やはり財政再建も避けることの出来ない政治課題である。安易に消費税率の引き上げなどに頼っていては、実のない政治とのそしりは免れない。小泉改革の空洞の部分をしっかりと補強しながら、磐石の政治を築き上げて欲しい。



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