【144】 小沢ショック −問われる 民主党の能力−         2007.11.05


 小沢辞任を国会議員や評論家たちが、真相がわからないままに、憶測でいろいろと評論しています。そのほとんどがピントはずれで、聞いていても恥ずかしくなるようなことを大真面目に言っている。
 民主党の国会議員連中が大騒ぎし、民主党の役員連中がまた小沢に辞意撤回を求めたりして…。どうも、平成田舎ドタバタ芝居を見ている思いです。


 小沢一郎は時代を読んで政治をリードする、数少ないリーダーなのでしょう。ただ、「何でこんなことが解らないのか」と思っている小沢一郎は、説明をしないものだから、周囲が彼についていけない(苦笑)。
 ねじれ現象に停滞している国会を見て、民主党にも責任があるのじゃないかと国民は思い始めています。民主党の連中は「解散総選挙に追い込む」なんて、選挙をすれば必ず勝てると浮かれているけれども、参院選のゆり戻しも当然あるでしょうから、このまま総選挙でもすんなりと民主党が衆院過半数を取れるという雰囲気ではない。


 小沢一郎は、今度の衆院選で民主党が勝つのは、まだまだ難しいということを肌で知っているのです。それで政権奪取の方法のひとつとして、大連立を構想したのですね。
 さすがに自民党はしたたかで、それを警戒した首脳たちは伊吹幹事長から福田首相に「連立だけは話題にしないように」と念を押させ、その話を潰してからも、『小沢から言い出したことだ。閣僚ポストまで相談しあった』なんて、一部のマスコミと一緒になって情報操作をしている。
 それに対して、アホぞろいの民主党は、小沢を守り、対外情報宣伝をしなくてはならないはずなのに、小沢を責めて説明しろとか言い、詰め腹を切らせようとしている。
 開会以来、1本の法律も成立しない膠着国会の現状をみると(向こう3年間か6年間、この状態を覚悟しなくてはならない)、これを打開し政治を停滞させない方策を講じることが、自民党・民主党の責任というものでしょう。ならば、大連立は飛躍しすぎているとしても、是は是・非は非とする対応…政策協定ぐらいの知恵は働かせて当然ではないでしょうか。
 ここで小沢に代表を投げ出されたら、民主党は偽メールをつかまされて代表が辞任した、あの痛恨事の二の舞じゃないか。こんな政党が政権を担当するなんて100億年早いわ…と言わなくてはならないけれど、参議院の逆転は政官民癒着の日本の政治に風穴を開けつつあることは確かです。政権交代を実現し、確かな政治を担当していくためにも、民主党の自立が望まれるところです。


  「日本は、今」 トップページへ