【158】 終戦記念日  −大東亜戦争の検証を−      2008.08.15


 63回目の終戦記念日でした。不戦の誓いも新たに、各地で日本の国と国民を守るために戦って死んだ戦没者の慰霊式が行われました。 


 しかし、日本は 日本ために戦って命を落とした戦没者の慰霊をするにも 他の国への配慮をしなければならない国ですから、戦後63年を経た今も、慰霊の方法ひとつにしてもすんなりとはいかないのは誠に残念なことです。追悼式でも、河野衆議院議長が無宗教の慰霊施設を新しく造れと繰り返したりしています。
 この人たちにしてみれば、日本の大東亜戦争は侵略戦争であって、日本は犯罪を犯した国家なのでしょうね。だから、周囲の国から何も言われない形を作ろうというわけです。犯罪の意識がなければ 他国から何も言われる筋合いのものではないと堂々と慰霊すれば良いのですから。
 でも、施設を別に造れば解決する問題でしょうか。日本が戦った大東亜戦争そのものが犯罪だとするのならば、どんな施設を造ったところで、その戦争で亡くなった人は犯罪者なのですから、慰霊すれば抗議の声が上がるでしょうし、日本国民は永久に犯罪者としての祖先を抱いていかねばならないことになります。
 大東亜戦争の検証を行い、歴史の判定に正面から臨むことを、避けてはいけないのではない
でしょうか。日本はなぜ開戦し、それぞれの局地戦をどう戦い、いかに負けたか。かの戦争がもたらしたもの、敗戦が残したものは何であったのか。日本としての見解を、世界に示すべきではありませんか。
 それとも、もう示しているのでしょうか、「日本は戦争犯罪国家であった」と…。


 今年、この終戦記念日に靖国神社へ参拝した人は約15万2000人…。今日 靖国参拝を果たした閣僚は、18閣僚中、保岡法相、太田農相、野田消費者相の3人…。
 2年前のこの日には、5年間続いた小泉参拝に後押しされて、約25万8000人もの参拝者が詰めかけたですが、昨年は一気に約16万5000人へと落ち込んでいます。ときの政権の姿勢とは、かくも人心に影響を与えるものなのですね。
 「お友達の嫌がることをする必要はない」(福田首相)という感覚で、戦没者の慰霊に向かう内閣総理大臣…、国民もそれに反発することもないのですから、靖国問題は触らないのが日本流政治の『大人』の選択ですかね。

 この国のために命をかけようという人は、ますます居なくなりますね。


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