【177】 小沢民主党代表 辞任                     2009.05.11
     

 民主党の小沢一郎代表は、11日午後、党本部で、記者会見し、代表を辞任する意向を正式表明した。西松建設の違法献金事件で公設秘書が逮捕・起訴されたことから、マスコミ各社が繰り返した世論調査で民主党の支持が下落し、「小沢代表はその責任を取るべきだ」との声が党内からも湧き起こっていることなどから、選挙を睨んでの辞任となったものである。
 

 コロコロと数値を変える世論調査に惑わされて、小沢一郎ともあろうものが辞任を決意するとは何ということか。
 今朝(5月12日)の日本テレビ「朝ズバ」で司会のみのもんたを初め、コメンティターの面々は、「小沢氏が記者会見で言ってることは全く理解できない」「辞任は遅きに失した」などと言いたい放題。『溺れる犬は叩け』という日本のマスコミの魔女狩り体質を見せ付けられて、胸の悪くなる思いであった。
 判決もまだ出ていない問題で、なぜ責任を追及して辞任を迫るのか。彼らの存在は日本をあるべき方向へ導く、有意義な存在なのか。それとも、そのヒステリー体質は、かつて日本を雪崩を打って大東亜戦争へと導いたように、また、戦後にあっては東京裁判史観を絶対として大東亜戦争を日本の犯罪だと断罪してきたように、大きく日本を誤らせる役割を演じているのではないか。


 民主党は、またしても自党の同士を守ることができなかった。しかも今回は、党首の首を奪られたのである。僕は以前にも書いたが、少し揺さぶられると、身内から厳しい批判の声が上がるという体質を改めない限り、この政党の明日はない。自民党は、支持率10%台であつたあの麻生首相をさえいまだ守って、支持率を回復させてきている。相手の勢力から甘い言葉をかけられると、自党の代表をこき下ろしているような議員のいる政党が、世間の信頼を得られるはずがない。


 みんな、この国を建て直すため小沢一郎が果たす役割の大きさに、思いをいたすことができないのだろうか。岡田克也が党首となって政権交代を果たしたとしても、小沢を党首として民主党が政権を取るのとは、改革の断行に大きな違いが出ることは否めない。小沢一郎は、自民党と官僚が牛耳ってきたこの国を改革するには、どこからどのように手をつければよいのかを熟知している。だからこそ、小沢の追い落としに、政権が筋書きを作り、検察が暗躍し、マスコミが煽るという、なりふり構わぬ手段を講じたのである。
 小沢の辞任で、利権勢力は胸を撫で下ろしていることだろう。あとの民主党の面々では、誰が党首として号令をかけても、チンプンカンプンな改革を言うだけで、悪代官と越後屋は、そんな民主党を操るのは赤子の手をひねるようなものだとほくそ笑んでいる。


 小沢辞任 … 政権が筋書きを作り、検察が暗躍し、マスコミが煽って … そして国民が踊らされる。世論調査、『小沢辞任を求める声が71%』といったように!




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