党派別当選者数 |
政党 |
当選 |
小選
挙区 |
比例 |
公示前 |
増減 |
民主 |
308 |
221 |
87 |
115 |
+191 |
自民 |
119 |
64 |
55 |
300 |
-181 |
公明 |
21 |
0 |
21 |
31 |
-10 |
共産 |
9 |
0 |
9 |
9 |
0 |
社民 |
7 |
3 |
4 |
7 |
0 |
国民 |
3 |
3 |
0 |
4 |
- 1 |
みんな |
5 |
2 |
3 |
4 |
+ 1 |
改革 |
0 |
0 |
0 |
1 |
- 1 |
日本 |
1 |
1 |
0 |
0 |
+ 1 |
諸派 |
1 |
0 |
1 |
1 |
0 |
無所属 |
6 |
6 |
− |
6 |
0 |
|
|
欠員2 |
|
合計 |
480 |
300 |
180 |
480 |
|
「政権交代は日本の課題である」と繰り返してき
たけれど、民主党が勝ちすぎたという感が否めない
【参照】。 自公の減少分(-181と-10)をそっくり
そのままいただいて、公示前議席の3倍近くに増や
してしまった。日本人の一過性ナダレ現象というも
のだろう。
しばらくは鳩山新政権のお手並み拝見といきたい
が、諸制度の改新、予算の洗い直し、外交の現実的
転換、そして何よりも雑居政党であることの難しさ
に直面することだろうと思われる。国民も少々のこ
とには目をつぶって、この政権を見守っていきたい。
ただ、そんな中にも3ヶ月ぐらいの間に、目玉政
策をひとつ実現させて、国民の期待をつなぎとめる
ことが必要だろう。大衆は、一過性のナダレなのだ
から、無策のままに半年も待ってはくれない。
まずは9月中旬の臨時国会あとの組閣人事が見も
のだが、「民主党、お前もか」と言わせないために
も年内に大衆迎合型の施策が必要で、基礎年金一律
7万円支給へ年末にまとめ上げる予算に道筋を示すなどは、最も幅広い支持を集めることができる、解りやすい政策ではないだろうか。
それにしても、小選挙区制選挙のすさまじさを目の当たりにした思いであった。開票速報を伝えるテレビ画面は、民主党候補の次々の当選と、自民党の大物議員の落選を映し出していく。中川昭一の落選はやんぬるかなの思いで見ていたが、町村、武部…と続いたときには自民党はもたんなぁと思い、野田聖子の落選には自民党崩壊を実感した。伊吹文明・山崎 拓・与謝野薫の落選にはもはや何の感想も無し、小池百合子の落選には、自民党は女性総裁を担ぐことも封印されたかと思った。
私は前項に
−自民党解党の選挙が始まる−と書いたが、この結果を招いた原動力は、民主党の魅力というよりも、自民党の自滅であろう。長年の自民党単独政権の緩みに国民の怒りは鬱積していたのだが、政権に胡坐をかく自民党は、それを読みきれていなかった。気づいてはいたのだが、油断か弛緩か能力不足か、手当する方法を見出すことができなかったというべきか。
敗戦の弁を述べる麻生太郎は、まだ「小泉改革の行き過ぎた部分が色濃く残り…」などと言っている。選挙の直前に曲がりなりにも日本経済が上を向いたと発表できたのは、派遣を切り、リストラを進め、下請けを締め上げて、大企業が息を吹き返したからであって、それこそが小泉改革の成果であった。その後の政権が改革を頓挫させ、セーフティネットの整備を怠っているのに、景気は回復したなどと平気でウソをつくものだから、国民の怒りが爆発したのである。
それらに気づかないところに、自民党の賞味期限切れが現れている。慢心・退廃したところに、人材は育たない。現に、解党的出直しを強いられている現在だが、人材不足は否めない。総裁候補が見当たらないのである。
前回の総裁選立候補者で生き残っているのは石原伸晃・石破 茂だけれども、それに谷垣禎一を加えても、自民党を再生させるリーダーとして自他共に認める力量は備わっていない。安倍普三はまだ禊(みそぎ)が終わっていないし、まさか比例復活当選組を党の顔にするわけにもいくまい。あとはその他大勢…。鳩山邦生で鳩ポッポ国会対決では笑い話だし、いっそのこと、加藤紘一・古賀 誠…、いや森 善朗にお戻り願うか。…、そう考えてくると、参議院比例だけれど桝添要一しかいなくなってしまう。
9月中旬の臨時国会で、麻生太郎を首班指名の候補とするのも馬鹿げた話だ。自民党の議員は、支持するつもりも無い麻生太郎の名前を書くというのだろうか。次の候補者を擁立する時間が無いなどと情けないことを言っていないで、やれば出来るところを見せなければいけない場面だろう。
ついつい自民党の話題になってしまった。それほど自民党というのは、話題も多く面白い政党であったのだけれど、政権から離れると、今後は表舞台に顔を出す機会も少なくなっていって、段々と忘れ去られていくのだろう。日本の将来のために、保守本流政党として捲土重来を期して欲しいと思う。

民主党にしても、各省庁に政務三役(大臣、副大臣、政務官)として約100人の国会議員を送り込むとしているが、新人議員が多い上に、民主党議員の脇の甘さは折り紙つきだから、官僚にいいように取り込まれるのではないか。こちらも、今までに行政を担当した経験のある議員は少なく、人材難は否めないところだ。
暫定税率の廃止、高速道路の無料化など…、まずは民主党のお手並み拝見と行きましょうか。基礎年金一律7万円支給も、来年度からなどとは言わない。段階的に3万円・4万円…と年度を追うごとに予算措置を講じれば国民の納得は得られるのだろうけれど、40年後に…なんて言っていたら、次回の選挙では逆ナダレの前に政権は吹っ飛ぶことを覚悟せねばならない。
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