【211】 菅降ろし   もはや、みんな、積極的に動くべきだ     2011.07.26
  

 菅民主党政権が人事不省に陥っている。定見なく、思いつき発言を繰り返し、政治の現場を混乱させる役割しか果たせない菅首相に、閣内からも、民主党内部からも、ホトホト愛想を尽かしたとして、辞任を促す声が湧き上っている。もはや菅首相を支えている周囲は、辞任の道筋を付けることへの職務だけであって、日本の将来や、国民の明日を拓く政治は何もない。
 岡田幹事長も、枝野官房長官も、とんだ泥舟に乗ってしまったものだ。彼らは、次世代の民主党を支える人材であったが、ここ数ヶ月で政界における存在感はすっかり薄らいでしまった。支離滅裂の菅首相の尻拭いに奔走している姿をさらして、国民の顰蹙を買っている。海江田・野田大臣など閣僚の面々も然りであって、死に体内閣のなかで、今や自分の職務に意欲を持って取り組んでいる大臣なんて、ひとりもいない。鹿野農水相や細川厚労相など、「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)問題」や依然として迷走している年金問題や食の安全問題などで、もっと活躍する姿が見られてもいいはずなのに、どこで何をしているのかわからない。外務大臣って誰だぁといった調子だし、抜擢の感があった細野原発相も今は後悔していることだろう。


 菅内閣の仕事が遅々としてはかどらないことはおびただしい。ご本人は、復興会議の席上で「仕事が進んでいないとの批判があるようだが、わが内閣なりに着実に仕事をしている」と話しているけれども、復興の槌音を響かせるべき被災地には、震災から4ヶ月を経た今もまだ瓦礫の山の75%がそのまま放置されている。阪神大震災のときには、瓦礫は2ヶ月で片付けられ、3ヶ月目には復興に向けた建設作業が始められていたのである。
 被災した方々は今日の暮らしに困っているというのに、まだ避難所暮らしの方が多数いるし、全国から寄せられた義捐金も多くが配られていないという。難しい問題は多々あるのだろうが、それを乗り越えて行われるのが復興事業というものであろう。できない理由を並べているものを『能無し』と言う。
 

 菅首相は、自らの進退に関して、2011年度第2次補正予算案の成立、公債発行特例法案の成立、再生エネルギー特別措置法案の成立の「3条件」を実現させることが「1つのめどになる」と表明している。
 総額1兆9987億7671万8000円
の第2次補正予算は、復興を人質にとって、今日、参議院本会議で成立したが、もはや残る2つの法案成立を待つ必要はない。心ある国会議員ならば、与野党を問わず一刻も早い菅首相の辞任を実現させるべく努力すべきである。
 公債発行特例法案の成立は復興財源の確保に急がねばならないけれども、再生エネルギー特別措置法案なんて菅内閣で成立させなければならない理由は何もない。延命を図るために、2009年の民主党マニフェストに書かれていたこの法案を持ち出してきたに過ぎないというのがホントのところなのだ。
 菅首相は、消費税でも環太平洋連携協定(TPP)でも原子力政策でも、世間受けすることを言ってきたが、結果は全て混乱を招くだけのものであった。脱原発についても、その行程や日本経済の将来像はどうするのかといった実像は示せず、全てに確たる定見がない。吟味し考え抜いた政策ではないということだ。
 鳩山前首相が見事に騙されピエロを演じた、あの民主党両院議員総会の絵面は、微笑ましくも馬鹿馬鹿しいが、最早やこの邪悪な詐欺的手法を駆使する首相を擁くことは、日本にとって甚大なる損害であると言わねばならない。
 国民の支持率は10%そこそこと危機的状況を下回り、野党のみならず多くの与党議員からも辞任要求が出ている現状は、もはや政権の体をなしていない。幣原内閣に入閣しながら、総選挙後の“居座り”に対して、単独閣僚を辞任して内閣総辞職に至らしめた芦田 均の先例に倣って、閣内からも倒閣を図るべきだろう。
 そもそも、こうした政治状況を招いた場合は、自らを恥じて辞任するというのが、「恥を知る」「名を惜しむ」ものの身の処し方だが、菅 直人には誇りも教養もないようだ。ならば、倒閣運動を進めるしかない。


 さらに菅首相は、東日本大震災の復興について何の指針も具体的な目標も示すことが出来ず、また、福島原発事故についても右往左往するばかりで、発表する報告はウソばっかり、汚染地域も福島全域を…、いやもっと広範囲を指定しなきゃいけないんじゃないかと疑ってしまう。汚染野菜や汚染牛についても、市場へ流通してからあわてふためいている迷走ぶりだ。
 しかも、ここにきて、北朝鮮の拉致容疑者親族の周辺団体に6250万円もの献金を行っていた事実が判明した(21日、参院予算委で山谷えり子氏(自民)の指摘)。日本の国是に反する行為であるばかりでなく、人間としての見識を疑う問題はないか。また、3月11日には前原前外相の辞任の理由となった在日韓国人からの違法献金を国会で追及されてこれを認め、また、過年には日本人拉致実行犯の辛光洙(シンガンス)の釈放署名嘆願にサインをしていたことも発覚している。
 首相とは、国民の生命財産を守る政治の要であり、拉致被害者救出の最高責任者である。これを見ても、いかに菅 直人に
その資格がないかが判るであろう。


 菅 直人が首相の座に居坐れば、復興は一日ずつ遅れ、日本は沈没していく。退陣が決まっている人間が将来に向かって積極的な役割を果たせるわけがない。外国首脳も、辞めようとしている首相を相手にするまい。菅 直人の役割は終わったのである。民主党は、政権政党の責任において、菅 直人を首相の座から降ろさねばならない。
 「菅、辞任」を果たしたのち、ルーピー鳩山、史上最低の総理菅直人と二代の首相を擁いて、もはや国民から見放された民主党は、未来永劫政権に返り咲くことはないのだから、解党して政界再編を実行することだ。岡田・前原など、有能な民主党の若手を再生させる道は、他にない。


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