【日本は今、222】 サッカー 対北朝鮮戦を見て   2011.11.16


 サッカー日本代表チームは、15日、平壌の金日成競技場で約5万人の北朝鮮大観衆が見守るなか、ワールドカップ(W杯)ブラジル大会アジア3次予選第5戦の対北朝鮮戦に臨んだ。日本の代表選手団が平壌で試合するのは22年ぶりだ。
 競技場は北朝鮮の観客で埋め尽くされ、試合前の日本の国歌演奏にはブーイングが浴びせられて、曲が聞こえないほど。「北朝鮮勝て」の人文字が描かれ、ピッチの周囲には多数の警官が配備されるものものしさのなか、試合開始のホイッスルが吹かれた。
 日本代表は雰囲気に呑まれたのか、当りも弱く、クロスプレーにいつもフィールドに倒れているのは日本選手…。ゴール前でのフリーキックさえも、チョコンと遠慮したようなキックしか出来ない。
 選手の北朝鮮への入国時から空港で4時間も待たされたり、抗議すると机を叩いて「黙れ!」と恫喝されたと聞く。およそ紳士的とはいえない、国際常識が通用しない相手だけれども、言っても判らない相手だからこそ体を張って「こいつにはとてもかなわない」と思い知らせることが必要であった。実力は、世界ランキングからして、アジアナンバーワンの日本のほうがはるかに上なのである。
 文明的でないものほど、強いものに弱いことは周知の事実だ。勝った北朝鮮は、「ほら見ろ。日本なんて、ちょっと本気を見せて(脅かして)やれば、すぐに尻尾を巻いて逃げて帰るのさ」と、民衆レベルも思ったことだろう。今後の外交にも、居丈高に臨んでくるに違いない。


 後半5分、北朝鮮のパク・ナムチョルが頭で日本ゴール右スミに流し込んで先制点!
 僕は、ここでテレビのチャンネルを他局に変えた。日本選手のプレーには、びびってしまってゴールしようという気迫が感じられず、この先、1点を取れるとは全く思えなかったからだ。


 負ければ強制収容所行きだから(笑)、必死の北朝鮮選手団の当りは厳しい。それに対して、ラフプレーを奨励するわけではないが、負けない当りを見せて試合を互角に運ぶ気迫は必要だろう。やられたら引っ込むのでなく、やり返してこそスポーツだろう。
 死んで来いとまでは言わないが、5万人の観客の熱狂的な応援に、素人目にも萎縮して勝てっこないなぁと思わされる試合をやるのでは、敵地に乗り込んで試合する必要はないだろう。
 堂々の試合をしてきたのならば、勝負は時の運であると健闘を称えることもできる。それをビビッたプレーをし、格下の北朝鮮に、「日本なんかに負けるかい」と言われて、おめおめ帰ってくるとはどういうことだ。


 もし10−0ぐらいコテンパにやっつけて、帰りのバスを群衆に囲まれたらどうするんだ…って?
 自衛隊を出動させて、即、救出に行くに決まっている…とは、自国民を拉致されているのがわかっているのに救出に行こうともしないのだから、今の政治ではとても言えないなぁ。まぁ、負けて来るのは、はじめからわかっていたってことか。




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