【226】 
民心を失った政治 
−総選挙で民意を問うしかない−   2012.01.24
 
 
 第180通常国会が召集された。内閣総理大臣野田佳彦は施政方針演説で、消費税率引き上げを柱とする社会保障・税一体改革を掲げ、「『決められない政治』から脱却することを目指す」として実現への決意を表明、野党に協力を呼びかけた。
 消費税アップ第一というその方向の間違いは先日のこの項でも指摘した通りだが、今日の演説を聴いていて、民心を失った内閣が政治の方針を述べることには、ただ空しさを覚えるばかりであった。
 野田内閣がいかに改革を訴えようと、すでに民主党の政治は国民から見放されている。いかにあがいても、再び民主党が政権をとることは未来永劫ないだろう。だから、野田内閣の政策は継承されることはなく、いかに美辞麗句を並べても、実現されることのない画餅の政策を並べているに過ぎないのである。
 それでも、未来への指針は提言できると言うかも知れない。しかし、民心を失った政権は、たとえ正論であったとしても、その提言すら支持されることはない。もはや民主党政権は、「そんなことを言っていても、また、『やっぱりできません』と言うんだろう」と信頼されていないのだ。
 民主党にとっては、政権を失うことは目に見えているけれど、ここは争点となる政策を明確に掲げて、総選挙を実施するしかない。このままでは、何も決まらず何もできない死に体内閣が死骸を野ざらしにするだけの歳月が過ぎるだけだ。
 消費税、国政改革、産業振興策、憲法改正など、今の日本が解決していかなければならない課題を掲げ、主義主張と理念をもとに政界再編を見据えた新集団をもって、総選挙を実施することである。それこそが、野田首相が日本の未来に貢献できる唯一の道だろう。
 橋下大阪市長が率いる維新の会など、新しい政治のうねりも誕生している。既存の政党と、どのように融合し、政界地図を塗り替えていくのか。案外、そのあたりが憲法改正への最短距離にいるのかもしれない。しかし、橋下に保守本流かと聞けば、自ら否定することだろう。
 ここは、自民党・民主党・みんなの党の中で、憲法改正・再軍備を標榜するメンバーを招集し、アメリカの干渉(とそれに結託する国内勢力)を排除していける真性保守を形成することが求められる。
 野田首相が述べた「『決められない政治』からの脱却」とは、従来の自分のことを自分でできないこの国の仕組みを改めることであり、「日本の将来を拓く」とは日本の自主独立を実現する政治を目指すことである。決して、死に体政党の延命に固執することなく、未来を見据えたこの国の仕組みづくりに邁進してもらいたい。


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