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郵政民営化見直し法案可決    2012.04.14
  −自民党も国民の信頼をつなぎとめることのできない政党であることを、自ら再証明−


 民主、自民、公明3党が共同提出した郵政民営化法改正案が12日午後の衆院本会議で賛成多数で可決、衆院を通過した。改正案は参院に送付され、今月中に成立する見通しだ。
 小泉政権で完全民営化の旗を振った自民党の中川秀直元幹事長、菅義偉元総務相のほか、小泉進次郎氏が賛成しなかった。
 改正案は、郵便局会社と郵便事業会社を合併し、現行の5社体制を4社体制に再編する。政府出資の日本郵政が保有するゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式については、時期を定めずに「全てを処分することを目指す」と努力目標にとどめるとし、また、4社の持ち株会社である日本郵政の株は政府が3分の1超を持ち、影響力を保つ。


 自民党、お前もか…!と、カエサルの心境である。まぁ、自民党を信用していたわけではないが、これで民主党のマニフェスト破りを批判する資格を喪失したという人だ。だから、民主党の株が上がったということでは決してないことは自明の理だが、自民党も国民の信頼をつなぎとめることのできない政党であることを、自ら再証明して見せたということだ。
 政官がザブザブと使っていた『離れで隠れてすき焼きを食うための資金』を断ち切り、民業に資金を回して、日本の経済を活性化するために使おうというのが、郵政民営化の趣旨であった。日本の旧制度を改革しようとする小泉改革の本丸としての「郵政民営化」を掲げた2005年の総選挙で、自民党は296、公明党は31の議席数を獲得し、その国政改革へと歩む姿は300議席を超える国民の支持を得たのであった。
 この改正(?)案によって、2009年に成立した株式売却凍結法案は廃止され、政府が100%を保有する日本郵政株は3分の1を残して売却が可能になるし、金融2社(ゆうちょ銀行・簡保生命保険)による新規事業への進出も可能となるなど、評価すべき改正点はある。ただし、現行法が持ち株会社の日本郵政による金融2社の株式を完全売却することを義務付けているのに対し、改正法はこれを努力目標としているところに、政治の闇(利権)と自民党の腐敗を見てしまう。
 郵貯と簡保の大資金を政官が意のままに使うことのできる体制への逆戻りを可能にしていては、民主党もそうだが、自民党にも明日はない! 


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