【253】 コンベンション・ストライク・ミサイル  2013年2月15日(金) 


 
ロシア中部ウラル地方の上空で、今日午前9時20分(日本時間午後0時20分)頃、大気圏に突入した物体が爆発、落下した。チェリャビンスク州では、爆発の衝撃波で家屋や学校、工場など約300棟が損壊。州政府は、子供204人を含む985人が飛び散ったガラス片などで負傷したと明らかにした。大人2人は重傷という。ロシア宇宙庁は、物体は隕石(いんせき)と発表した。
 このような直径1mほどの隕石は、飛来の予測や事前の捕捉ができないという。昼のニュースで突然に報じられ、その映像を見て仰天した。大都市に飛来したら、大きな被害を覚悟しなければならない。


 隕石飛来のニュースを見て、先日、衆院予算委員会で石原慎太郎が質問の中で触れていた「コンベンション・ストライク・ミサイル(CSM)」を思い出し、ちょっと調べてみた。
 「CSM」とは、弾頭部分に超高速滑空体(HGV)を入れたミサイルで、核弾頭を掲載しているわけではないので核兵器ではない。この弾頭はタングステン鋼などの硬い金属の塊のみであって、爆弾も入っていない(とはいっても、弾頭だけで455kgほどもある)。
 
長距離ミサイルで打ち上げられ、大気圏外で分離されたHGVは、時速7000km、マッハ6以上のスピードで目標に向かって落下する。その軌道は人工衛星で誘導され、ピンポイントで目標に突入する。今日の隕石突入で見られたように、スピードと重さが作り出す運動エネルギーだけで、地上の建物はもちろん地下施設の破壊も可能だという。
 アメリカ国防省は昨年11月に、米ハワイ州から発射したHGVを極超音速で太平洋上の上層大気を滑空させ、南西に約4000キロ離れたマーシャル諸島のクェゼリン環礁の標的に命中させている。すなわち、地球上のどこへでも1時間以内に到達することが可能だということであり、他国の攻撃用ミサイルに対して圧倒的な優勢を保持したといえる。
 アメリカ国防総省は昨年8月11日にも、時速27000km(マッハ22)で飛行できる極超音速グライダー「HTV-2」の試験飛行を行ったが、こちらは失敗に終わっている。これが成功すれば、世界中のどこへでも数分で攻撃することが可能となり、オバマ米国大統領の「核兵器削減方針」を支える戦略的根拠である。


 非核を国是とする日本は、(核兵器のイスラエル型秘密開発とともに)この「CSM」の開発を急ぐべきだ。建造する原潜に搭載して、東シナ海を初めとする世界の海を遊弋させればよい。時速16ノット程度でしか走らない中共の空母では艦載機の離着陸もできないが(もともとロシアの廃艦でカタパルト機能は外されている)、その無用の長物の中共空母を港から出られないようにするぐらい訳もないことだろう。


 今週水曜日に、地球から1450万キロのところを通過していくアポフィス (99942 Apophis) は、地球に衝突はしないが、人工衛星の軌道よりも下を通過していく。もし衝突すれば広島型原爆25000個分相当の破壊力があるとのこと。中共がどう…なんてことを言っている場合じゃないね。


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