【271】日本は、全ての批判に的確なコメントを    2014.04.23

 『中国外務省の秦剛チンガン報道局長は23日の定例記者会見で、オバマ米大統領が読売新聞の書面インタビューで、尖閣諸島に日米安全保障条約第5条が適用されると明言したことについて、「断固として反対する」と述べ、反発した』と、読売新聞が伝えている。秦局長は、「日米同盟は冷戦時代の2国間の取り決めであり、中国の領土主権と正当な権益に損害を与えるべきではない」とも言い、さらに「米国は、領土主権問題ではどちらの側にも立たないという立場を厳守し、言行を慎み、地域の平和と安定に建設的な役割を果たすべきだ」と主張して、米国が尖閣諸島をめぐる日中対立に関与しないよう強く求めた。
 アメリカの「尖閣諸島に日米安全保障条約第5条を適用する」との発言は中共を牽制するもので、はたして兵力を出すかどうかは、実際の場面にならないと判らないことだろう。緒戦で日本が圧倒的に有利な展開をすれば、「まぁまぁ」とか言って第7艦隊が出てくることになるのか。
 アメリカの意向がどうであれ、中共が何を言おうとも、日本は独力で中共を叩きのめす実力をつけておくことが、やらねばならない第一条件だということは疑いないが、怠ってはならないことは、国際社会で生じた全てのことについて、わが国の考えや立場を的確に表明しておかねばならないということだ。
 大東亜戦争の原因にしても、対中戦争の正当性にしても、日本は何も言わないままに侵略者にされ、従軍慰安婦や南京大虐殺の犯人にされてしまっている。日中戦争において蒋介石は、局地的な武力戦で敗れて後退を余儀なくされても、やがて世界の世論は中国に味方して、最終的な勝利は我が手に帰すると信じていたという。そのために国民党政府はアメリカやオーストラリアの新聞記者を情報局に取り込んでプロバカンダ記事を発信させ続けた。有名な南京爆撃を受けた駅で泣き叫ぶ赤ん坊の写真(捏造)や、南京戦で50万の人口が20万に減ったという記事が一人歩きして「30万人の大虐殺」がつくり出されていったのである。言論情報戦の重要さ苛烈さを、肝に銘じなければならない。
 「相手をいたずらに刺激しないように」などといった、国際社会を迷走する20世紀の日本型政治家達のようなことを繰り返していてはならない。中共の「日米同盟は冷戦時代の2国間の取り決めであり、中国の領土主権と正当な権益に損害を与えるべきではない」との主張には、「日米同盟は、力で領土的拡大を推し進める中共の覇権主義に対して、東アジア・東南アジアの平和と安定を維持する重要な礎である」「この地域の安定を損なうものは、この10年間をとりあげても、40倍にも膨れ上がった中共の軍事力であり、その力を背景にチベット・新疆ウイグル・内モンゴルを武力制圧し、今なお南シナ海に進出しようとしている、中共の覇権主義である」と、明確な指摘を行なわなければならない。
 ありもしない従軍慰安婦を目先の政治を動かすために認めてしまった愚か者の責任は、いわれなき非難を日本が受け、異国の日本人学校の生徒が糾弾を受けるというような事態を招いていることを考えると、許すことはできないけれど、今はその過ちを繰り返すことのないようにと再確認し、その先に目を向けることにしよう。すなわち、日本に向けられるさまざまな誹謗中傷や批判に対して、ひとつひとつにきちんと的確に反論していくことはとても重要だということを、改めて確認したいと思う。国際社会では、黙っていれば認めたことになり、?も百回言えば本当になる。日本を非難する相手が呆れ嫌がるぐらいに、的確に反論し、事実はこうだと説明しなければならない。

 冒頭の中共の日米同盟への非難に対しては、世界に中共の無法をはっきりとしめすことこそ、この地域に…そして世界に平和と安定をもたらす、必要かつ不可欠な言論である。


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