【19】新しい津市長に前葉泰幸氏(49才)  2011.04.24(日)


 民主・連合が支援する前葉泰幸氏と自民・公明が推す村主英明氏の両新人が、真っ向から激突した選挙であった。
 選挙戦を前にして、この機会に何とか三重県と津市を変えていきたいという願いで、章くんは親しい友人とともに候補者を探して回った。ただ、知事選は選挙区も三重県全域にわたる広さで、選挙の準備も間に合わないということで、立候補する候補者を見定めることとした。鈴木英敬氏と松田直久氏が手を上げたわけだが、章くんは停滞する津市政を招いた松田氏よりも、鈴木英敬氏の未知数に賭けた。
 そして、津市長選…。当初、大学教授のNさんを擁立すべく準備を進めていたのだが、Nの出馬に対する環境条件がもうひとつ整わず、迫り来る期日の中で、前葉泰幸氏に面談する機会があった。東大を卒業して自治省に入り、京都・宮城・熊本などを歴任して地方行政の実践を積んだその見識は立派なものであり、語る言葉も具体的かつ明瞭で、明日の津市をこの男に託してみようかと決意して選挙戦に入った。
 友人知人のもとを一緒に訪問して支持を訴え、知らないところでも本人が行ってみたいというところは、何とか伝手(つて)をたどって訪問を実現したりした。この訪問では、行く所々で村主英明氏の足跡をふむことになり、前葉の出遅れと、意外に村主氏がこまめに歩いていることを知らされることとなった。
 この選挙戦も、知事選同様に激戦であった。訪問した先々の感触の良さに、もっと楽な戦いかと思っていたのだが、知事選の勝利に勢いを得た自民党が村主氏の公認を打ち出し、告示後の数日で激しい追い込みをかけてきたことが実感され、勝敗は予断の許さぬものになった。
 まぁ、それでも、一歩リードで選挙戦を終えたかと思いながら、投票日夜のNHK選挙速報を見たのだが、出口調査の結果を示す棒グラフは「村主氏わずかにリード」を示している。「おいおい、どういうことだ」と友人たちと電話で話したのだが、みんな「開票結果を見なければ、何とも言えんなぁ」と言うばかり…。
 午後10時を過ぎたが、選管発表の中間得票数も報じられない。…10時30分を過ぎて間もなく、突如、『津市長選 前葉泰幸 当確』のテロップが流れた。まだ、何らの得票数も発表されず、村主有利の出口調査の棒グラフが繰り返し映し出されている中での「当確」だけに、「ホントか」と思ってしまった。
 直後に発表された中間得票数は、前葉40000票、村主40000票と同数…。「当確が出たね」と友人から電話があって話していたら、前葉44000票、村主40000票、藤岡20000票と差がついて、勝利を確信した次第である。
 確定得票数は、前葉泰幸(49才、無所属・民主連合) 44534 (41.3%)
        村主英明(51才,無所属・自公推薦) 40536 (37.6%)
        藤岡和美(64才、無所属     ) 22865 (21.2%)


 前葉新市長の今後の市政については、章くんも支持を訴えて歩き回ったのだから、多少の責任を負わなければならないと思っている。民主党や連合がバックについているから、当面は市政改革・公務員改革・教育改革などについては、松田市政からの路線の変更は望めないかもしれない。だが、救急医療センターの整備など、目に見える必要性を具現化していくこととともに、全国順位44位という数字に示されている教育レベルのアップなどは、早急に取り組まなければならない行政課題であろう。連合三重や三教祖に遠慮しなければならないというのであれば、津市の明日を託する市長というレッテルは色あせたものになってしまう。
 友人は前葉泰幸新市長の誕生を、焼け跡の津市に6車線の道路を敷設した昭和27年当時の津市長「志田 勝」氏以来の逸材だと評価している。三重県の県都としての品格を有する津市(前葉氏自身の言葉)を作り上げ、津市から県へ…そして国へと政治・経済・文化のメッセージを発信する新しい活力のある町を創るため、大いに力を発揮してもらいたい。そのための支援は、友人たちも惜しまないといっている。この意識の高まりを、前葉市政は明日の津市作りに汲み上げることが出来るか、明日からの日々をじっくりと見定めていきたいと思っている。


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