栗本君ち(まるせい)のふぐ
  思いつき、メモ、ぼやき、他のジャンルに入らないことがら、
 誰かに送ったメールの抜粋 … などを記していきます。
  ほとんど根拠のない、気楽な話の羅列ですから、ご用とお急ぎ
 の方はのぞかないでください(笑)。
     (文中敬称略)


             栗本くんち(まるせい)のふぐちり→


 零捌(08)年  壹月 貳月 参月 肆月 伍月 陸月 質月 捌月 玖月 拾月 拾壹月 拾貳月
 零玖(09)年  壹月 貳月 参月 肆月 伍月 陸月 質月 捌月 玖月 拾月 拾壹月 拾貳月
 壱零(10)年  壹月 貳月 参月 肆月 伍月 陸月 質月 捌月 玖月 拾月 拾壹月 拾貳月
 壱壱(11)年  壹月 貳月 参月 肆月 伍月 陸月 質月 捌月 玖月 拾月 拾壹月 拾貳月
 (12)年  壹月 貳月 参月 肆月 伍月 陸月 質月 捌月 玖月 拾月 拾壹月 拾貳月

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3月29日(金) えらいぞ、亀ちゃん!
       − 財政再建の青写真なき増税は亡国の道 −


 国民新党の亀井静香代表が、野田政権の消費税の値上げ閣議決定に反対して、連立与党を離脱することを表明した。自らの主張を貫き通そうとする、一貫した政治姿勢だ。そもそも連立を開始した当時は、消費税は上げませんというのが公約だった。それを、東北大震災・福島原発事故を受けて、復興のためにを大義名分として、一気に増税論が高まり、今や増税は当たり前のように言われている。
 僕は以前に「増税という愚策」として、「赤字の根本にメスを入れなければ、アップしても消えていくだけ。議員と公務員の定数削減と歳費カットを示せ」と書いた。健全財政への青写真を示しえないままに行われる5%の消費税アップは、企業の利益と国民の消費を減退させるばかりで、日本の国力を減退させるばかりである。
 亀ちゃんと一緒に、お嬢さん亀(亀井亜紀子政調会長)も離脱を表明…。このお嬢さんは、亀井静香代表の娘なんぞじゃなくて、国民新党顧問の亀井久興の長女、元東北開発株式会社総裁で旧津和野藩主亀井家の第15代当主・亀井茲建の孫、また明治の元勲岩倉具視の来孫にあたるという、れっきとしたお嬢さまである。だから、どことなく品がある(…亀ちゃん、失礼!)。
 それにひきかえ、幹事長の下地幹郎なんて、今でこそテレビにも映るが、政権離脱したら何の存在感も無くなってしまうから、離脱反対で大わらわだ。ここは、大儀に遵じるのが道というものだと思うがどうだろう。…ン、政権参加が、彼らの大儀か。
 石原慎太郎らとの新党結党をにらんでの政権離脱だと言う声もあるが、そうだとしても自らの信義を貫くところは評価すべきだろう。スタート時の公約は、「消費税増税はしない」というものだったのだから。


     
3月26日(月)  映  画


 23(金)・24(土)・25(日)日と、3日間続けて映画を見に行った。1年間に20日しか働かないと言われている章くんにとって、年度替りの今がその20日間の真っ只中であって、超多忙なのだが、忙中閑ありというところだ。
 23日は「戦火の馬」。少年が手塩にかけた馬が戦争に徴用され、敵軍の手に渡ったりしながら数々の戦場を生き延びる。応集した少年と、戦地で感動の再会を果たすという物語だが、困難にあたっても生き延びようとする馬の意志力、敵味方なくその馬を助けようとする人々の暖かさ、そして、少年にめぐり合って歩み寄る馬の思慕…。心洗われる一編であった。
 24日は「鉄の女、マーガレット・サッチャー」。没落の英国に、鉄の意志で再生をもたらしたサッチャー。しかし、厳しく自己責任を求める政治姿勢は、国民の怠惰さを切り捨てていく。その非常さから、「もう彼女では選挙に勝てない」と同僚議員から批判されて、首相の座を追われてしまう。議院内閣制政治の醜さと限界を感じた。
 25日は「シャーロック・ホームズ、シャドゥゲーム」。東西首脳が集まるロンドンのホテルの爆破は、単なるテロではなく、その背後には首謀者の(ナントカ)博士の世界規模の戦闘絵図があった。世界を大戦争に巻き込んではならない。ホームズとワトソン君の、縦横無尽の活劇が展開されていく。
 映画はいい。その非日常性が、日々のスタンスを再認識させてくれ、実感させてくれる。あとひとつ、「長靴をはいた猫」を見たいのだが、急がないと上映打ち切りになっちゃう!


   
3月25日(日) 猫ひろし、マラソン カンボジア代表に


 カンボジアに帰化して、ロンドン五輪のマラソン・カンボジア代表を目指していた猫ひろしが、代表に内定したことが、カンボジア五輪選考委員会から発表された。
 国籍を変えてまでオリンピックを目指すなんて…といった批判もあったが、そんなことは個人の心情の問題であって、そうしてまでも2五輪を目指すという姿は立派と言うべきだろう。


 僕も、カンボジアへ帰化して、4年後のリオ五輪から競技種目に加えられるゴルフのカンボジア代表を目指そうかな。 カンボジアには、90をきるゴルファーなんて居ないだろう!


   
3月25日(日) しっかりしろ、ケーブルテレビ!


 午前5時に起きて、テレビのチャンネルをBS1に合わせた。PGAツアーのアーノルドパーマー・インビテーショナル最終日の模様が放映されているはずであるり、昨日のスポーツニュースではタイガーウッズが2日目を終わって首位タイにつけていると報じていた。
 2年何ヶ月ぶりのタイガーの優勝を応援しようと、勇躍してリモコンのボタンを押した。…と、画面は黒一色で真ん中下に「アンテナの具合をお確かめください」なんて文字が出ている。
 何言ってんだ、乙部の自宅のパラボナで見ているのならいざ知らず、ここはマンションなのにアンテナなんてあるかい。ケーブルテレビを引き込んで、各部屋へ分配しているんだから。
 以前、ケーブルテレビへ「画面が乱れたり映らないことがあるンだが」と問い合わせたら、「風の強い日には映らないことがあります。ナントカ契約をすると画面の乱れは無くなります」と言う。要するに、月額5000円ほどの契約と我が部屋のような1000円程度の契約があり、安いほうの契約は画面の乱れぐらいは当然だというわけである。
 確かに、それほどテレビを見ることもない僕は、やたらチャンネル数の多い有線放送は無用と、契約を断った経緯がある。ケーブル配信の番組には見たいという番組はほとんどなく、ドラマといえば韓国ものや再放送、ニュース番組には無責任な雑談程度のコメントを言う学者や評論家にしゃべらせ、どのチャンネルでも同じような芸人の面白くもないバラエティ、一番新鮮なのはテレビショッピング…なんて冗談もなるほどと思わせられるような内容ばかりなのだ。
 それでも現在、月額1000円を払ってケーブルテレビと契約しているのは、我がマンションではこの回線しか一般放送すら見る方法がないからである。自分で屋上に自前のアンテナを立てるなんてことはできないだろう(多分?)。
 しかし、ケーブルテレビは有料契約をしてテレビ回線を提供しているのだから、いかに自分たちの技術力が追いつかないとしても、それを克服する努力をして、月額1000円の請負範囲である地上波とBS放送分は責任をもって安定配信をしなければならないはずである。
 「今日は風が強いので映りません。雨が降っているので画面が乱れます」なんて、テレビ局の言うことか。いくらローカル放送局とはいえ、責任範囲はきっちりと仕事をするのが、一流会社というものだろう。ン、ケーブルテレビは一流会社じゃない…ってか!



3月19日(月) 片田の梅林
 お墓参りのあと、あっちゃんと片田の梅林へ行った。
 一昨年まで30年間余りアメリカ暮らしだったあっちゃんは、ずっと日本の風景にご無沙汰であった。たまに帰国したときには日本の日常を経験するが、花見なんて暇はなかったという。
 だから今日は、あっちゃんにとって30数年ぶりの観梅なのである。


 片田の梅林は、今が盛りのちょうど見ごろで、あっちゃんの記念すべき花見にとって、十分その鑑賞に堪えたというところであった。


 あっちゃんには、この春、日本の桜をぜひとも見てほしいと思っている。章くんには、中でも見せたい桜がある。どこの桜か…って? それはまだいえない。
  
  
3月19日(月) 何や、この車?


 津インターへ向かって車を走らせていたら前を西部劇に出てくる鉄道の最後尾に連結している展望車みたいなのが走っている。 →














 道路を走っているんだから、れっきとした車のはずである。追い抜いて、前に回ってみたら、前も列車の運転車両のような形をしている(笑)。
← 振り向きざま、ケイタイで写真を撮ったのだが、ちょっとピンボケになってしまった。


 『どんな人が乗ってるんだろう?』と思って中をのぞいてみたら、幼稚園の教材だか遊具のようなものが積まれていた。幼稚園に出入りする業者の人なのだろうか。
 こんな車でやってきたら、園児はさぞ喜んで集まってくることだろう。40歳ぐらいの運転手さんだったが、さぞかし幼稚園の人気者なんだろう。


3月19日(月) 津市内の私立幼稚園が閉園


 春の彼岸を控えて友人のお墓に参ったら、ちょうどお経をあげていただいていた杉谷ご住職にお会いした。「今日は幼稚園の閉園式を済ませて、ここへ伺ったんですよ」と仰(おっしゃ)る。
 ご住職は津市内で80年余の歴史を誇る「龍宝幼稚園」の理事長さんでもあられる。保育所が足らないため乳幼児の受け入れができず、待機児童の問題がクローズアップされているのに、幼稚園段階では少子化によって入園児が減少しているという現実があるんだ。
 「龍宝幼稚園」は、章くんンちの近く…。知り合いに卒園生もたくさんいるし(前歯津市長もその一人だ)、いつも前を通ったりしているので、ちょっと淋しい気持ちになった。


3月17日(金) 松坂 コキーユ  − 小さなイタリア料理店 −

 
 小さな店だけれど、おいしいイタリアンの店があると聞いて出かけてみた。下村2丁目の交差点にあると聞いていったのだが、ホントに小さなお店で、しばし探した。
 午後7時過ぎに到着。入り口の引き戸を開けて入っていくと、シンプルな店内に4人がけと2人がけの机がそれぞれ2つずつ並んでいる。入り口に一番近い4人がけのテーブルに、若い女の子の3人連れが陣取り、おしゃべりに夢中だ。
 カウンターの中に夫婦らしい若い二人…。この若夫婦が店をやっているンだ。
 章くん、サラダ・若鶏(フライドチキン)・パスタ・デザートの簡単コースに真鯛のカルパッチョを頼んだ。


    真鯛のカルパッチョ。
     タイも新鮮なコリッとした歯ざわり →


 最初に出てきた野菜サラダと味がかぶってなくて、オリーブオイルで味付けした細かな工夫が施されていた。



← 若鶏のフリッター


 皮はぱりぱり、中はジューシー。揚げ方に風味がある逸品でした。付け合せの野菜も、パリッと揚がっていて絶妙の味わいであった。



 手長えびのトマトソースパスタ →


 トマトソースに浸った、手長えびの風味を堪能できるパスタだ。ソースはあっさり目で、えびの味を引き立てている。


← イタリアンらしい、豪華なデザートです。


 結構お腹いっぱいになったところで、どっかんと出されるデザート…。ナントカは別腹とは、良くぞ言ったもの!


 …ということで、外から見るとちっともイタリア料理点らしくない店なのだが、中で出される料理は一品ずつに細かい工夫と丁寧な調理が込められていて、間違いのない店であった。




3月9日(金) 長野峠越え


 伊賀市島ヶ原に所用があって、昼前に車で津を出発した。伊賀市に至るルートはいくつかあるが、最近では伊勢道から名阪道へと自動車道を走ることが多い。
 今日は急ぐこともなかったので、ここ1年は走っていない「長野峠」を越える国道163号を走っていくことにした。美里町長野
 この道、津市美里町平木から伊賀市阿波座までの九十九折の峠道が面倒で、最近走っていなかったのだ。でも今日は時間はたっぷりある。あのカーブをゆっくりと登ってみようと思い、片田を抜けて西へ向かった。


 津市美里町長野付近 変わらない静かなたたずまいだ→


 長野の集落を抜けて5分ほど登ると、2年ほど前に開通した新長野トンネルの入り口が見えた。この手前を左に曲がると九十九折の道の道が続き、旧長野トンネルで峠を越えることになるが、すでに「通行止め」の看板が立てられていた。


← 長野峠の下を抜ける新長野トンネル↓



















 約2kmのトンネルだが、曲がりくねった旧道よりも、10分ほどの短縮だという。章くん、このトンネルは開通して間もないころに伊賀市側から津市へ抜けたことがある。かれこれ1年半ぶりに通ったということだ。

 峠を抜けて下っていった伊賀盆地の里山は以前と変わらぬ穏やかな早春風景…。ところどころで農作業が始まっていた。
 

 163号をひたすらまっすぐに西へ走り、上の市外を抜けて鍵屋の辻へ…。荒木又右衛門三十六人切りの過度を抜ければ、島ヶ原まではあと10分ほどだ。



  
3月9日(金) 河村名古屋市長、がんばれ! −南京大虐殺に疑問−




 「日本は今 228」に、「日本は、主張すべきことを主張せよ」と書いた。「外交とは、主張すべきことを主張してこそ、そこを出発点として話し合いが始まる。主張しないことには、スタートラインにも立てないことは、国際社会の常識である。」と。
 その意味で、河村名古屋市長の「南京事件はなかったと思う」との発言は評価される。その後、「真意は…」などとちょっとニュアンスの違うことを言ったりしているが、「南京大虐殺」は事実無根の中共政府によるプロバカンダでしかない。
 よく、「公的立場にあるものが、波紋を広げる発言をするべきでない」という論議を聞くが、公的立場にあるものだからこそ、真実を述べなければならないのではないか。反動・軋轢が大きいからなどと言って、その発言を規制しようとする動きがあるのは、的外れな愚論である。公的立場にあるものこそ、自らの発言がもたらす影響の大きさを常に考えて、神事を述べるべきである。これまでの政治家たちは、例えば従軍慰安婦問題に対する河野洋平官房長官(当時)談話のように、いかに事実を折り曲げて日本人の誇りを傷つけてきたことか。彼らは、歴史の審判を受けることだろう。
 ちんぷんかんぷんなことを繰り返す河村名古屋市長であるが、ここに来て大仕事がめぐってきた。このままブレずに、「何人にも、真実は変えられない」と中共の圧力を跳ね返して自己の姿勢を貫くことができるか。河村の信念は本物かどうか、名古屋市民は…いや日本中が見ている。


   
3月8日(木) 『思案することなかれ』


 眠るときに、いつもテレビかラジオをかけて、30分〜1時間のタイマーで、聞きながら寝入ることにしている。静かな中でベッドに横たわっていると、あれこれと考え事をして、つい寝そびれたりしてしまうからだ。
 今日、ある本の中に、「思案することなかれ。思案は自我を増幅させるからである」と書かれてあるのを見た。そうか、寝そびれたりするのはこれか…と思った。
 熟考するは大事である。あらゆる可能性を考えて、結論を導かねばならない。しかし、ひとつの結論を得たら、もうあれこれと思い悩むことは無駄である。
 巧遅よりも拙速だ。古来、巧遅にして成功した例を知らない…とは、先日読んだ「三国志」のなかで、曹操が述べていた一文である。
 考えたって同じ。それより行動することだ。…とは、拙遅の傾向が多い章くんの反省である。


   
3月3日(土) 遠来の友  かれこれ、30年ぶりかなぁ


 『朋あり遠方より来る、亦楽しからずや』。ご存知「論語学而編」の冒頭にある文で、朋とは同じ道を志す同士。広く、同窓の学友を含めてもよいのだろうと思う。
 この日、高校時代の同級生ユキノリが、30年ぶりに訪ねてくれた。ユキノリとは、高校3年生のときに同じクラスで、自転車で通学していた彼は学校の帰りに毎日のように我が家に寄っていき、僕と将棋を2〜3番指すのが日課だった。対戦成績は、500勝Vs500敗ぐらいだ。
 大学卒業後ほどなく、ユキノリは神奈川県相模原で重機を取り扱う会社を興し、以来40年、今や三菱ふそう相模原KKの大社長である。
 最後に会ったのは、僕が幹事をしていた同級会のゴルフコンペに、ユキノリが相模原から駆けつけてくれたときだから、35歳ごろだと思う。35歳を過ぎたころに、幹事役をタカシに代わってもらったから、そのコンペからかれこれ30年は経っているだろう。先週、そのユキノリからの電話が鳴った。


 ユキノリが泊まっている「津アスト」の玄関前に迎えに行くと、エレベータから降りて、ホールをこちらに歩いてくる人影…、ひと目でユキノリだとわかった。
 「全然かわっとらんのぉ」。「お前もなぁ」。
 同級生とは、一言で30年の空白を埋めることができる。髪の毛に白いものが混じったりはしているが、30年前に机を並べていた笑顔がそこにあった。


 「ちょっと糖尿の気があって…」と言うので、松坂牛を通り越して、先日たずねた伊勢のふぐ料理店へ行った。ゆっくりと走って、片道1時間と少々…。積もる話をするには、まだ近すぎた感じだ。
 友人ががんばっている姿を目の当たりにするのは、元気を貰うし、勇気を奮い起こす作用があるようだ。あの西日の射す部屋で、将棋版をはさんでウンウン言い合っていたユキノリが、大きな重機を扱って知恵を絞り、後継者の問題を片付けなければならんと言う。器も大きくなったし、確かな年月を生きてきた男の顔があった。
 「じゃぁ、仕事をきちんと引き継いだら、ゴルフクラブを担いで、まずはタイへ行こう」。固い約束をして(笑)、ホテルへ送り届けた。


 同級生とは、良いものである。改めて考えてみると、年賀状や電話ぐらいで、久しく顔を見ていない友人がたくさん居る。 出かけなきゃぁ、顔を見に! ええいっ…と、電車に飛び乗って!


  
3月5日(月) 車、盗まれたぁ! −車ドロボウにご用心−


 いささか旧聞に属するのだが、なかなか書いている時間がなくて…。実は、2月20日の未明、駐車場に停めていた車が無くなってしまった。
 午前6時ごろに出かけようとしたら、車がない。一瞬、どこか他所に停めてきたっけ…と思ったのだが、昨夜の行動をたどってみると、確かにここに停めた。
 「盗まれた!」と確信した。さてどうするか…、とりあえず警察に届けようと思って、津警察署に出向いた。早朝の警察署はガランとしている。「盗難届けを出しに来たんだけど」と言うと、「3階の刑事課へどうぞ」と案内してくれた。
 応対に出てくれた若い男女の刑事さんに被害届を作ってもらい、現場検証に出向いてもらった。8時過ぎ、盗難にあった駐車場で写真を撮ったりしていたら、そこへ電話がかかった。「車、大阪の八尾で見つかったみたいです」。
 さすがは日本の警察である。午前6時前に三重県津市で盗られた車を、8時には大阪八尾市で見つけてくれるとは…。ほどなく八尾警察署から僕の携帯に電話が入った。「取りに来てくれますか?」。
 11時過ぎの近鉄特急に乗って八尾へ…。八尾駅の近くで昼食を食べ、タクシーに乗って10分、午後2時半ごろに八尾警察署に着いた。
 八尾署は、来訪者が多くて、ごった返していた。窓口に来る人もいろいろな国籍の人が居て、応対する係員もたいへんそう…。津署ののどかな光景を先ほど見てきた章くんには、ちょっとしたカルチャーショックであった。
 担当の刑事さんが待っていてくれて、「朝、八尾市内の月極駐車場にエンジンをかけたまま放置してありました。駐車場の人が連絡をくれたので、お宅に連絡したあと、ここへ引き取ってきました。」と、八尾署のガレージに停めてくれてあった僕の車に案内してくれた。
 外観は、ぶつけた様子もなく異常なし。と、鍵穴を見て驚いた。もとより、キー無しで盗んでいったのだから、鍵穴の部分は壊していったとは思ったのだが、見ると、カバーを外して、スターターのつまみを露出させている。


   カバーが外されています。真ん中奥にあるスターターの
  つまみが見えますか? あれをベンチではさんで、グイと
  回すと、エンジンがかかります。            →



 後部座席においていたダウンジャケットや本が見当たらない。『盗んでいったのだろうな』と思いつつ、ゴルフ道具などを入れてあるとランクを開けると、ダウンジャケットなどがきれいにたたんで入れてあった。ゴルフクラブや、登山靴などもそのまま…。
 刑事さんも、「売れば、すぐに金になるのになぁ」と不思議がっていた。「良心的なドロボウやな」と章くんが言うと、「ドロボウに良心的なんは居りまへん」と正義の番人らしい返事が返ってきた。
 「一応、指紋をとらせてください」と、沢口靖子に似た鑑識の女の子が、章くんの両手10本の指の指紋を採取する。そのあと、刑事さんが3枚の調書を作成し、「じゃぁ、車に乗ってください。エンジンをかけるには、こうやればええんです。」とペンチでエンジンをかけてくれ、「こちらへ…」と車を誘導してくれる。
 左。右と曲がったら裏門に出た。鉄の門扉を開けて、「どうぞ」と言うので、「もう帰ってええんですか」と聞くと、「はい、どうぞ」とのこと。午後3時15分、八尾署へ着いてから45分で終わりだ。

 八尾から近畿道に乗り、西名阪〜名阪と乗り継いで帰ってきた。


← 久しぶりの近畿道だ。


 帰り道、学習中のスピードラーニングを聞きながら行こうとCDのスイッチを入れたら、聞きなれない音楽が流れてきた。見ると、宇多田ヒカルの音楽CDだ。もちろん章くんのではないから、ドロボウくんの遺留品だろう。スピードラーニングのCDは持っていかれてしまったけれど、このCDも英語バージョンだから、これを聞けば勉強になるかと、帰り道にかけてきた。


 翌日、鍵穴を直すのにトヨタへ車を持っていったら、修理担当君が後部座席に「ニトリカード」が落ちているのを見つけた。会員番号も入っているし、しかも『○山美千子』と名前まで書いてある。これは、車ドロボウくんを特定するのに有力な材料となるかも知れない。
 車は無傷だし、ゴルフ道具もダウンジャケットもそのまま残っていたから、章くんとしては犯人を捕まえてくれ…と思っていたわけでもなかったのだが、今日、車の修理に来て、「7万円ほどかかる」と言われ、『損害賠償を請求してやろう』と思った…なんてわけでもないけれど(笑)、この証拠品は章くんの手元で処分するのは適当でないかなと思い、津署に届けに行った。
 「昨日、車の窃盗にあったンですが…」と言っていくと、若い刑事くんが応対してくれた。CDとニトリカードを渡すと、「調書を作りますんで」と言ってパソコンを抱えてきた。それから4枚の書類を作るのに3時間…。午前9時半に行ったのが、12時20分になってしまった。
 章くん、『CDとカードをどこで見つけたか…を記録する、こんな書類ぐらい、僕なら30分もあれば書き上げるぞ』と思いつつ、何度も上司のチェックを受けては書き直している刑事君を見ていると、「いつまでかかってるんだ」とも言えずに、持っていった本を読みながら付き合った。
 それでも、12時になったので、「12時30分、ゴルフのスタートなんだ。もう帰るわ」と言うと、「すんません、あと5分」と言いながら、懸命に仕上げている。それでも、15分ほどかかって、12時20分にやっと仕上がった。
 「スタートに間に合わん。パトカーで送ってくれ」と言うと、刑事くん、「それは、カンベンしてください」と言って、仕上げに車と章くんのツーショット写真を撮って、署内に走り去った。


 この日は、この時期には珍しく暖い小春日和…。ちょっとアプローチの調整に行きたいなと思っていたところ、思わぬ足止めをされて、こんな時間になってしまった。
 「ひとりで行くけど、午後1時ごろからスタートできるかな」と電話を入れると、「どうぞ」と快い返事!
 昼食を済ませてからだから、1番をスタートしていったのが午後2時になろうかというころ…、でも日没までには余裕を残して回ってくることができた。


  アウト3番パー4. ドライバーを左サイドにかっ
 飛ばさないと、池越えの長いセカンドが残る。
  章くん、この日は160Y残ったセカンドを6番で
 打って、左手前に外し、3オン2パットのボギー  →



 でも、この数日後の「白山V シニア・レディース杯」の最初のハーフ、章くんは「50」をたたいているから、練習ラウンドの効果はなかったみたいだ。


 さて、この車盗難事件にはもうひとつ余談がある。この翌日、章くん、車内で『セブン銀行の出金票』を見つけた。章くんはセブン銀行に取引はないから、これもおそらく車ドロボウくんの遺留品だろう。
 でも、章くん、警察に持っていっていない。また、3時間もかかって調書を作られては、待っているのも時間の無駄すぎる。それで、いまだ手元にあるのだが、友人は「それこそ、犯人逮捕の決め手だろう」と言う。
 持って行こうか…?。 先日しっかり付き合って、書き方は完全にわかったから、調書も自分で書いて、添えて持っていけばいいか。


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雑記帳 2012年 3月