【ゴルフ114】 藤田寛之が世界ランクで日本勢トップに  2012.05.28


 国内男子ツアー第6戦「ダイヤモンドカップゴルフ」で今季2勝目をマークした藤田寛之が、27日発表の最新世界ランキング(2012年第21週)で64位に浮上した。このところの藤田の活躍は目覚しい。168cm、70kgはプロゴルファーとしては小柄なほうだし、43歳という年齢も最盛期を過ぎているといえなくもない。
 藤田の素晴らしいところは、まさにその年齢を重ねるごとに成績が向上してきたことである。40歳となった09年に自身初の年間2勝。10年には『日本シリーズ』を優勝で締めくくり、賞金ランクは自己最高の2位。最優秀選手賞も獲得した。11年も最終戦の『日本シリーズ』で最終日に64をマークし、逆転で連覇を達成。史上8人目となる、生涯獲得賞金10億円突破も達成した。(プロフィールより抜粋)
 藤田の安定性を物語る記録がある。今週の「ダイヤモンドカップゴルフ」2日目の10番ホールまで、『65ホール連続ボギー無し』(歴代13位)の記録を継続中だった。25日(金)の10番ホールで記録は途切れたのだが、3ラウンドと11ホールをボギーなしで回っていたのだ。
 全13勝中、40代になってから7勝。彼が語るには、転機となったのは海外メジャーに初めて出場した2005年だったという。「メジャーに出ると、皆すごい。これじゃダメ、自分はもっとやらなきゃいけない」とこれまで以上に練習、トレーニングに励むようになったと…。「練習をやめるとそれ以上にはなれない。そこからが勝負だと思う。ゴルフはやるだけ上手くなる。自分は下手だからやるしかないですよね」とは、含蓄のあるメッセージではないか。


 米国男子ツアー「クラウンプラザインビテーショナル」で予選落ちした石川遼が、前週59位から65位にランクダウンしたため、42歳のベテランは初めて日本勢のトップに躍り出た。
 藤田の健闘にはエールを惜しまないものだが、しかし、日本のトップが世界ランクの64位というのは何とも情けない。日本のプロの実力不足は「112、マスターズ」でも記したところだが(参照)、男子ツアーのテレビ中継を見る気にならないというのは、このあたりに原因があるのだろう。
 石川 遼も、このあたりでもう一皮むけないと、このままではいくらゴルフ関係者やメディアが持ち上げようとしても、ファンに飽きられてしまう。石川が飽きられるということは、男子ツアーが見捨てられるということである。日本のゴルフ関係者諸氏よ、一考を要する問題だと思うのだが…。


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