裾のほうから上ってくる靄(もや)が、時々、山肌を覆います。
ビーナスラインを行く車も、ほとんどがヘッドライトを点燈していました。
「ニッコウキスゲ観察ツアー」を案内する添乗員の女の子たちは、上下の合羽に帽子をかぶって、完全武装のいでたちです。確かに、花たちの間を散策する人々は、長袖のウイドゥブレーカーやレインコートを着込んで防寒対策はバッチリ…。土産を売る店の衣料品コーナーで、長袖のコートを払拭している人が後をたちませんでした。それほど高原は涼しかった…、いや、寒かったのです。
美ヶ原の「山本小屋」で引き返し、美ヶ原美術館へ…。奥外展示品を眺めながら物見石山へ登り、南・北・中央アルプスの山々を展望することができました。ようやく雲が切れてきて遠くの山々が輪郭を現し、足元には上田盆地が広がります。
← 美ヶ原美術館付近からの、北アルプス展望です。
午後5時5分、暮れてゆく上田盆地です。→
扉峠から扉温泉へ降りていきました。車一台がやっと通れる道は、折れた立ち木が道を塞いだりしていて、とてもワイルドでした。立ちふさがる倒木を、「よいしょ」と移動させたりしながら、「どこに宿があるんだ」とたどり着いた「明神館」は本日満室!。聞けば、人気の温泉宿とのことで、この時季に飛び込みは無理と言うものですか。
さらに1時間ほど走って、今夜は松本泊まり。「アルモニーホテル」は、新築が嬉しい落ち着いたテルでした。
内陸なのに、松本駅前の「王滝水産(寿司屋)」はネタも新鮮…。さすがは、国宝「松本城」を擁して歴史の彩りを漂わせ、西に北アルプス、東に美ヶ原を控える、観光の要衝です。
夜の町を少し歩いて、11時過ぎにホテルへ戻りました。
平湯大滝・飛騨高山へ 物見遊山トッブへ