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Air Asia 航空を利用しての往路・復路        2014.10.15
     クアラルンプール報告 その1    - 発展するLCC -

 2014年9月11日(木)から、マレーシアのクアラルンプールへ行ってきました。その日々を、日を追って報告すると、同じようなことを繰り返し書くことになりますから、それぞれのスポットで記していくことにします。

 今回、クアラルンプール行きを決めたのは、マレーシアを拠点とする格安航空会社「エア・アジア」が名古屋-クアラルンプール線を再開するので、その記念価格切符を発売すると聞いたからです。その経緯については、先にアップした「クアラルンプール・ゴルフ紀行」に書きましたので、ここでは繰り返しません。
 
 それでは、まずは往路・復路の様子から報告いたしましょう。


往路 津なぎさまち港〜セントレア〜クアラルンプールKLIA2〜ホテル

 この日のフライトは午後5時35分、「津なぎさまち港」を午後1時の高速船に乗って「セントレア港」に渡りました。この高速船、近頃は大人気で、駐車場が満車で、道路にまで車が溢れていることも多いようです。
 午後1時の船ではちょっと早いのですが、午後2時発がないので、その後だと3時出航ですから、セントレア着は3時45分…。それよりも、少し早く行って、空港で遅い昼食をとり、ゆっくりと搭乗手続きを行うつもりです。

 午後1時45分、セントレア着。2時20分頃から搭乗手続きを開始してくれたので、早速トランクとゴルフバッグを預けました。エア・アジアは受託荷物は全て有料で、スーツケースは2000円、ゴルフバックは3000円(それぞれ片道)です。

 身軽になって、食事に行きました。

 
      
機内食も頼んであるので、ここではお粥です。→

 実は、おかゆと麺の店「粥餐庁」という店で食べたので、お粥に加えて坦々麺がついていたのです。これだけ詰め込んで、機内食が食べられるのでしょうか。

 クアラルンプール到着は午後11時05分の予定です。深夜の到着で、すぐにタクシー代が要りますから、空港内の銀行で1万円だけRM(マレーシア・リンギット)に両替しました。
 渡されたRMは260RM…、後日クアラルンプール市内では1万円が330RM。25%ほども違いますね。「空港で両替するバカ」と書いていたブログを読んだ覚えがありますが、確かに肝に銘じるべきでしょう。

← 午後4時30分、エア・アジア機が着陸し、20番ゲートへ入ってきました。

 LCC(格安航空会社)では飛行機をフル回転させてコストを下げると聞いていますが、この飛行機も到着して乗客を降ろし、整備点検・清掃をして、30分後にはまた章くんたちを乗せてクアラルンプールへと飛び立つのです。

 4時50分、搭乗が始まりました。

      ヒシャブを巻いた女の人が乗り込んで行きました。
       イスラム圏へ旅立つのだという感懐を抱かされました。→

                この女の人、ビジネスクラスです。

 
← 午後5時45分、
 少し遅れて出発







   飛び立ってから1時間20分。
     午後7時過ぎに機内食が配られました。→


 このローストチキンは、前の箱の中のカットフルーツ、野菜サラダ、オレンジジュースともで19RM、コーラは6RMです。

 機内は60%ほどの客で、3連客席の肘掛を上げて、横になって寝ていくことができました。

 午後11時10分、クアラルンプール空港KLICA2(新LCCターミナル)に着きました。このKLICA2は格安航空会社(エア・アジア、タイガーエア、セブパシフィック航空など)専用のターミナルで、メインターミナルの南側に新しく建設したものです。当初2013年開業予定でしたが、遅延していて、今年5月2日に開業しました。

 日本人がマレーシアに入国するときは「入国証」は不要です。パスポートだけを提示し、両手の人差し指の指紋採取を終え、イミグレーション(入国検査)を通ると、すぐ目の前に巨大な酒類の販売スペースが広がっていたのでびっくり…。イスラム国家のマレーシアには酒類は売っていないから、ここで買い込んでいって、ホテルなど人目につかないところで飲め…ということでしょうか。いずれにせよ、下戸の章くんには、関係のない話です。
 ポツンと置かれていた章くんのゴルフバッグ



 セントレアで預けた荷物を受け取るべく、荷物レーンに並びました。ほどなくスーツケースはゴロゴロと回ってきたのですが、ゴルフバックが出てきません。やがて乗客はいなくなり、回っていた荷物もなくなってしまいました。
 章くんのゴルフバッグはどこへ行ったのか? 係員の子に尋ねると、「全ての荷物は終わった」と言う。積み間違えて、今頃は地球の裏側で貸クラブになっているのではないか…? 「大事なゴルフクラブなんだ」と言うと、「ゴルフクラブ?それは向こうの大きな荷物の置き場だ」と教えてくれました。
 教えてもらった置き場へ行ってみると、もうほとんどの荷物は持ち去られているガランとした部屋の真ん中に、章くんのゴルフバックが横たわっていました。

   
インフォメーションで、
    「タクシー乗り場はどこ?」と聞きました。→

 タクシー乗り場へ向かいます。

 空港内も、後日歩いた街中も、
  マレーシア国旗で溢れています。↓













 マレーシアの親子連れ。こんな遅くに何処へ行くのかな→

 
← タクシー乗り場は、もう近そうです。


 途中にあった お店屋さん→

 結構オシャレです!




    
タクシーチケットの売り場へたどり着きました →

 空港からのタクシーはこのタクシーカウンターでチケットを購入してから、乗り場へ行きます。カウンター窓口で行き先を告げて料金を確認し、支払いを済ませればクーポン券が発行されるチケット制です。現地通貨RMまたはクレジットカードでの決済になります。
 章くん、インターネットで予約した際のホテルのデータを印刷してきました。住所、電話番号なども書いてありますから、それを窓口から差し出すと、それを見た係の女の子がそのホテルまでのタクシー料金を計算して、レジに表示します。
 「150.25RM」、標準的には空港からクアラルンプール市内までは100RMぐらいとのことですが、深夜料金で5割増のようです。
 空港からクアラルンプールへ向かうには、わずか28分でKL市内に到着する人気のKLIAエキスプレス鉄道をはじめ、安価なバスなど公共交通機関も充実しています。ただ、今日は11時過ぎという深夜の到着であり、鉄道やバスで市内に着いたとしても、そこから午前0時を過ぎた見知らぬ街でホテルを探すのはちょっと無理があるかなと思い、玄関の前まで大きな荷物と一緒に運んでくれるタクシーを利用しました。

← 空港バス。この乗り場の反対側にタクシー乗り場はあります。

 タクシーに乗り込んで運転手くんにホテルの印刷物を見せると、運転手くん、ケイタイのナビシステムを呼び出して入力していました。若い運転手くんは文明の利器を駆使します。

  タクシーの中から見たクアラルンプールの月 →

 今夜は十七夜ですから、立ち待ち月ですね。クアラルンプールで見る「立ち待ち月」も乙なものです。

 タクシーは夜の空港道路を疾走して約1時間、クアラルンプール随一の繁華街ブキット・ビンタンにある「Le Apple」ホテルに到着しました。チップは不要と聞いてはいたのですが、迷わずに走ってくれた運転手くんに20RMを渡しておきました。

 午前1時でしたが、エア・アジア機のクアラルンプール空港到着が午後11時すぎだと伝えてあったので、チェックインは問題なく済みました。
 24時間玄関前に待機しているガードマンくんが荷物をカートに積んで部屋へ案内してくれました。ガードマンくんにも、チップ20RM。

← この写真は、翌日の朝に撮ったもの

 「Le Apple」ホテルは築2年ほどで、とても清潔なホテルでした。部屋は狭いと聞かされていたので覚悟はしていたのですが、トランクを開けると身動きがちょっと不自由です。
 でも、イギリスのB&Bに比べれば広いし、シャワーの紐を引っ張るとぬる〜い湯がチャバッと出るだけのアイルランドのモーテルに比べれば、シャワーもふんだんに使えて贅沢過ぎるホテルです。
 章くん、ここを拠点に、クアラルンプールの町を歩きます。


        ○      ●      ○      ●      ○

復路 ホテル〜クアラルンプールKLIA2〜セントレア〜津なぎさまち港

 異国の探索の日々は、アッという間に日が過ぎて、もう帰国の日が来てしまいました。

 エア・アジアのフライトは午前8時45分。6時45分に空港へ入る予定で、前夜のうちに5時30分にタクシーを予約しておきました。少し早いようにも思ったのですが、これが大正解だったのです。

 午前5時起床。前夜のうちに荷物はすべて用意しておいたので、5時25分、ボストンとゴルフバッグを下げてフロントへ降りていきました。
 精算していると電話…、「パンクしたので、タクシー、10分ほど遅れると言っています」とのこと。時間は余裕を見てあるから大丈夫と、章くん、余裕を見せて待っていました。

 10分遅れて5時40分、タクシーがやってきました。ガードマンくんも手伝ってくれて荷物を積み込み、いざ空港へ向けてレッツゴー!
 
 1kmほど走ると、後部座席に座っている章くんの尻の下で異音がして、ゴツゴツと道路の振動が尻に伝わってきます。
 「パンクだ。パンク!パンク!」と言うと、運転手くん、路肩に車を寄せて降りていく。続いて章くんも降りていって、左後ろのタイヤを見ると、ペコペコに空気が抜けています。
 「10分遅れると言って、修理してこなかったのか」と言っても、運転手くんはニヤニヤ笑うだけ。ここはクアラルンプールなのだ!

    この旅のハイライト!
       帰りの空港へのタクシーがパンク →


 やおら、運転手くん、トランクを開けてスペアタイヤを取り出し交換を始めたのですが、慣れていないのか手はずが悪い。ボルトを外すのにも、タイヤがくるくる回っているので、「ボディをダウンして、タッチグランドさせたままで、ターンさせるんだ」と章くんがコーチする始末。手伝って修理しようとしたのですが、手間取って仕方がない。
 こりゃぁダメだ…と思い、「テレホンしてフレンドをコールしろ」と言うと、タクシー仲間に連絡を取り始めた。
 待つこと20分、6時10分ころになって、おじさんのタクシーが到着。荷物を積み替えても、まだタイヤは交換されていない。パンクタクシーの運転手くんを見捨てて、空港へ向かいました。
 クアラルンプール国際空港にはKLIA1(メインターミナル)とKLIA2(LCCターミナル)があります。2つのターミナルの間は1.5kmほど離れていて構内バスが運行されていますが、タクシーの運転手くんには「KLIA1」とか「KLIA2」とはっきりと言う必要があります。章くん、「KLIA2だよ」と言うと、運転手くん、「わかってる」と言っていました。『KLIA1、LCC専用客』と顔に書いてあるのかなぁ。

← おじさん、遅れていると察したのか、結構飛ばしてくれて、6時55分、KLIA2の国際線玄関口に到着しました。クアラルンプール市内から空港までは、ホテルタクシーは定額の100RMです。
  







    24時間空港のKLIAは
     この時間でもごった返しています。→






 案内係りの女の子に「for Japa Nagoya」と言って受付窓口を尋ねると、「4〜14番」と言います。エア・アジアの搭乗手続き窓口は日本のバスや電車と同じで、行き先はにかかわらず各窓口で登場手続きをしているのでしょうか。
 ここクアラルンプールからは杭州、深圳、桂林、香港、マカオ、クラーク、バンダルスリブガワン、バンコク/ドンムアン、プーケット、チェンマイ、ハノイ、ホーチミン、プノンペン、ビエンチャン、シェムリアップ、ジャカルタ、デンパサール、ジョグジャカルタ、バンダルスリブガワン、ハートヤイ、バンガロール、チェンマイ、クラビー、チェンナイ、バリクパパン、バンダ・アチェ、スラカルタ、マカッサル、プカンバル、バンドン、コーチ、コルカタ、メダン、パダン、パレンバン、スラバヤ、ヤンゴン、ティルッチラーッパッリ(以上エア・アジア)、東京/成田(2014年11月21日から就航開始予定)、東京/羽田、大阪/関西、名古屋/中部、ソウル/仁川、釜山、北京/首都、天津、上海/浦東、杭州、広州、成都、武漢、台北/桃園、カトマンズ、コロンボ、マレ、ジェッダ、メルボルン、パース、ゴールドコースト、アデレード(以上エア・アジアX)など80数カ国へ飛んでいます。また、国内便としてもコタキナバル、ペナンなど12都市を結んでいます。行先別の窓口をいちいち開け閉めしていては、煩雑すぎるのかも知れませんね。
 でも、預入れ荷物には一抹の不安があります。よほどしっかりと分別してくれないと、別の便に乗せられていくことになるのではないかと…。

  マレーシア国旗にも、ヒシャブを巻いた
 女性の姿にも、ようやく慣れたころなのですが… →






← 手荷物検査場です。

 結構アバウトな感じです。





     さすがはエア・アジアの本拠地、
       赤い機体がずらりと並んでいます。→



← 20番ゲートに、章くん立ちが乗る飛行機が
 入ってきました。


 エア・アジアの係員は、発券窓口も、搭乗口も、そして客室乗務員もこなします。
 章くんが当条件を発券してもらった女の子が、機内で食事を配ってくれていました。



 午前8時50分、定刻を5分遅れてD7-542便は動き出しました。
 フワリと浮いたあとは、地上の景色が見る見る遠ざかります。

   さらば、クアラルンプール空港、また来る日まで →

 
10時10分、朝食が配られました ↓



 この朝食(
ビッグ・ブレックファースト)ももちろん別料金で、コーヒーが付いて12RMでした。機内食を事前予約すると、すべての食事に350mlのミネラルウォーターが無料で提供されます。コーラは6RMです。





 100RMほどがポケットに残っていました。持って帰っても、日本では両替もできません。今度マレーシアへ行くのはいつのことか?

 そこで、機内販売のカタログを見て、お菓子を買うことにしました。             →

 KIT KAT 5RM(165円)、OREO 5RM(同)など、みんなちょっと割高ですが、ここはお空のショップですから仕方がありませんね。

 午後4時45分(日本時間、マレーシア時間では3時45分)、クアラルンプール国際空港(KUL)を飛び立ってから7時間、予定通りにセントレアへ到着しました。→

 クアラルンプールから、タイのバンコクへは129RM(4290円)、ネパールのカトマンズへは512RM(16896円)など、エア・アジアは周辺諸国へ日本の鉄道並みの価格で飛んでいます。
 まだまだANAとJALが寡占状態の日本の航空路線ですが、新幹線よりもはるかに安く、在来線よりもはるかに速い、日本版LCC網は完成するのでしょうか。いつの日にか、バスに乗るように飛行機に乗って、台湾、韓国などは日帰りコースになる日が来ることでしょう。 

                                  
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