【107】 民主党再生への鍵 −小沢一郎の「日本再生」−        2006.04.16


  千葉は保守王国だけれど、衆議院補選千葉7区は太田和美ちゃん(26)の当選で
 決まりでしょう!



 23日に衆院選補選千葉7区の投票が行われる。千葉は自民党の金城湯池、保守が圧倒的に強い土地柄だが、今回の補選では太田和美民主党候補の当選が実現することだろう。
 偽メール事件で民主党はガタガタ…、前原民主党執行部が退陣し、自民党には励ましの言葉を送られるていたらく…。揺れ動く中で、小沢一郎執行部が誕生した。
 小沢新民主党は、早速、その試金石としての参院選補選に直面…、23日の投票日に向かって、今、懸命の選挙戦を戦っている。
 しかし、今回の千葉補選は、太田和美ちゃんの当選で決まりだろう。め手は「自民党独走に対する歯止めとしての、民主党におくるエール」である。不祥事を起こした民主党の失態は無様なものであったけれど、ことの推移を見守る国民の目は、民主党に対していつしか同情的で、「自民党よ、不祥事ならばお宅が本家本元…。自分のことを棚にあげて、そこまで相手の弱みに付け込むのは無節操過ぎるンじゃないの」と言っている。
 私見をいえば、民主党は謝ってしまったことが失敗であった。悪いことをしたら謝らなくてはならない…というのは社会的常識であるが、政治的常識ではないことを、民主党の若手執行部は知らなかった。
 悪いことをして居座る輩は、こと政治の世界では珍しくもなんともない。小悪党ならば日歯連事件の橋本派執行部の面々…、大悪党ならば大量破壊兵器を発見できなくともイラクに居座るブッシュ政権やチベット・新彊ウイグルを不法占拠した中国政府…などなど。居直るほど、大物なのだ(苦笑)。


 太田和美ちゃんの当選は、新生民主党への期待を表したものなのか…。いやいや、小沢民主党に対しての期待は、未知数というしかない。小沢一郎も鳩山由紀夫も渡辺恒三も、古い自民党の構成メンバーであった。国民は、まだまだ小沢民主党を信用してはいまい。
 ならば、国民はなぜ太田和美ちゃんの当選を支持したのか。日本の未来のためには健全な野党が必要であり、改革を推進し完成させるためには政権交代が必要であることを、国民が知っているからである。国の仕組みの隅々に溜まったゴミは、現政権では掃除しきれない。政権が変わることによって、癒着の構造や既得権のうまみなどを断ち切ることができ、政治や行政の襟が糺されることに、国民は気づいているからである。そのための受け皿として、民主党には頑張ってもらわなくてはならない。


 小沢新民主党は、多くの政策を自民党と共有しているが、大きく違わないからこそ、幅広い国民から支持されるのである。「A級戦犯を分祀する秘策はある。その方法は政権をとったときに言う」などと、無理に対決軸を作ろうとしては、人々の信頼は得られまい。
 自民党との共通項を認めながら、小沢代表は明確にやるべきことを示すことだ。彼はその著書『日本改造計画』のなかで、まず『自己責任』を説き、「普通の国とは安全保障に役割を果たし、人類の課題について国際協力のできる国」「アジアのリーダーとして正しい歴史認識を持て」「教師は聖職者として、労働三権を認めない代わりに特別職としての身分保障を」などと訴えている。アメリカとの友好を外交の機軸に据えているところなど、自民党のスタンスと変わるところはない。むしろ、小泉改革こそ『日本改造計画』のパクリであると主張し、その不徹底さを指摘すればよいのではないか。
 その上で、政治の手法の違いをより鮮明に打ち出していくべきであろう。小泉政権でもなしえなかった、政官の癒着構造を断ち切り、長年の自民党政治の膿を取り除くこと。与党と内閣の一体化(『日本改造計画』のなかのことば)を実現して、政治の強力なリーダーシップのもと、国の実権を官僚から政治家へ取り返すとを公約し、実現することだ。そのためには政権交代が不可欠であることを、しっかりと訴えることだろう。そこに政権の受け皿としての民主党の役割が存在し、国民の未来を託する意味がある。


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