【108】 衆院千葉7区補選、民主党 太田和美ちゃん当選         2006.04.25


 自民党と民主党が総力戦を展開した衆院千葉7区補欠選挙は、民主党の前千葉県議・太田和美ちゃん(26)が当選。偽メール問題で結党以来の危機を迎えていた民主党に、起死回生の勝利をもたらした。

 日本の改革を望む民意は、昨年9月の総選挙で郵政民営化を唱える小泉首相に大きな議席を与え、小泉改革を後押しした。しかし、依然として続く、したい放題の役人天国…官僚支配の構造や、天下り・談合などの官民なれあい、どこまでも甘えている銀行が未曾有の利益を出している現状など、この国の隅々に溜まったゴミやホコリは、長年にわたり癒着を生じてきた与党自民党では掃除しきれないことに気づいてもいる。
 太田和美ちゃんの勝利を予想した一項を、私は4月16日のこのサイトに、「わが国の改革の総仕上げは政権交代で完成することを、国民が知っていることの表れ」という理由を添えて書いた。
 国民の意識の底流には、この国の癒着構造を断ち切り、無節操な役人天国や無定見な銀行に対する肩入れなどの一方、増税をチラつかせ、依然として無利子政策を続けるなど、国民をないがしろにした昨今の政治状況に対する怒りがある。これらの不条理を修正し、この国に真の民主主義を根付かせ、正義がなされる社会を構築するためには、政権交代が不可欠であることに気づいているのである。
 今回の千葉補選はまさにその現れであり、ホリエモンを擁立したライブドア事件・防衛庁の官製談合事件・耐震データ偽造問題・BSE米国産牛肉輸入問題のいわゆる4点セット、そして日歯連1億円疑惑や沖縄基地問題などといった重要にして具体的な材料がありながら、偽メール事件で腰砕けになった民主党が追求できなかった、自民党政治に対する国民の意思を示したものと言える。
 だから、もっと楽勝できたはずで、955票の僅差とはむしろ意外であった。千葉は、やはり強固な保守の地盤であったということだろうか。


 ここでひとつ息抜きをした民意が、このまま民主支持に動くとは考えられない。小沢新体制が支持されたと喜ぶのは早計である。国民は、小沢一郎に期待するところはあるけれども、その政務は未知数であり、体質や前歴をいぶかっている部分もある。
 小沢一郎と自民党は、ここで向けられた民意を核として、これを大きく育てていくことを考えなくてはならない。小沢代表の一挙手一投足を魅力あるものにし、国民に解りやすい政策を的確に提示し、全党一丸となっての政党活動を展開していくことが大切である。
 改革の総仕上げ・完成のためには、政権交代が不可欠であることをこれからもしっかりと訴え、政府・与党の襟を正すことを促すとともに、政権担当へ向けての布石を着々と進めていくことだ。ここでまた国民の期待を裏切り、見放されては、もう民主党に再生の機会は訪れない。



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