【読書169】
 日本中枢の崩壊  (古賀茂明 講談社) 
2011.07.25
   

 改革派現役経産省完了古賀茂明氏の実名による証言を綴った一冊である。古賀氏は、野田内閣の枝野経産相が「古賀氏の人事については大臣は関知しない」との発言を受けて、2年に及ぶ大臣官房付という窓際職を辞した。氏のような、改革派官僚を処遇するためには、政治的配慮なくしては実現しないことだが、野田内閣にも、枝野幸男経産相にも、官僚組織を相手にして古賀氏の活躍の場を提供するだけの力も意思もなかったということだ。もちろん、改革の意欲も…。


 この書は、『改革が遅れ、経済成長を促す施策や政策が滞れば、税収は不足して、日本社会は動かず、「政府閉鎖」の事態すら起こりかねない。大増税が叫ばれ、日本は奈落の底に落ちていく。全ての改革を敏速かつ効果的に推進させるための大前提が、公務員改革である』と警鐘を連打する。
 民主党政権は官僚に騙されて…、いや、むしろ確信犯的に改革を後戻りさせている。民主党政権の維持と、自分たちの議員という身分の安泰のために…。
 例えば、民主党の最大の政治ショーである「事業仕分け」を見てみても、そのシナリオは全て財務省が作る。一般会計(予算)関係で事業費を削っても(実際には、廃止や縮小をうたわれた事業の多くがそのまま存続している。民主党政治はペテンであるという所以のひとつだ)、一般会計の3倍近くの資金がある特別会計には絶対に手をつけさせないというシナリオである。
 東北大震災にかこつけた、大増税構想もそのひとつだ。


 【 この項、未完成です。つづきはまた近日…! 】


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