【22】 全国最下位レベルから抜け出せない三重の学力    2014.09.02

 文部科学省が、4月22日に実施した「全国学力テスト」の都道府県別結果を発表した。依然として三重県は中学校数学のみが全国公立平均に迫ろうとしているが(私立校を含めると平均は遠ざかる)、小学校国語・算数、中学校国語は全て全国最低レベルである。
 この結果についての県教委のコメントが示されているので以下に示す。

『平成26年4月22日(火)に実施されました全国学力・学習状況調査の結果(平均正答率)の
概要については、下記のとおりです。なお、詳細については別紙を参照してください。

1 調査結果の概要           青字で示した全国順位は、僕が記したものです。
 <小学校>
  ア 国語         三重県正答率(全国正答率)  (全国順位、47都道府県中)
   ・「知識」に関する問題 69.6%(全国72.9%)   … 46位
   ・「活用」に関する問題 52.5%(全国55.5%)   … 46位
  イ 算数
   ・「知識」に関する問題 76.2%(全国78.1%)   … 45位
   ・「活用」に関する問題 56.0%(全国58.2%)   … 41位
 <中学校>
  ア 国語
   ・「知識」に関する問題 78.0%(全国79.4%)   … 42位
   ・「活用」に関する問題 49.0%(全国51.0%)   … 41位
  イ 数学
   ・「知識」に関する問題 67.1%(全国67.4%)   … 27位
   ・「活用」に関する問題 58.3%(全国59.8%)   … 33位

2 今後の支援策
  今後、調査結果の分析を行い、課題を把握し、市町等教育委員会と連携しながら学校の取組を
 支援していきます。
  具体的には、学力の保障・向上のため、全国学力・学習状況調査問題やワークシートの活用と
 ともに、今年度から始めた「みえスタディ・チェック」の浸透を図り、学校全体としての組織的
 なきめ細かな指導につながるよう、課題を抱える市町や学校を中心に、重点的かつ総合的な支援
 を推進していきます。』

 県教委には全国最低レベルにあることへの危機感も反省もないようだ。しかも、三重県は全国学力テストが行われるたびに順位を下げてきているのである。【参照1
 知事に就任した当時の鈴木英敬は、この学力テスト結果に注目して、学力アップはやり遂げなくてはならない課題として政策のひとつに挙げていた。僕が繰り返して訴えてきたけれども、何の実効ある措置も打てなかった北川・野呂県政から一歩を進めて、鈴木県政は教育の底上げに取り組んでくれるかと期待したが、こいつも掛け声だけのウドの大木であった。
 政治を担当するものは、現場で児童生徒を指導する教師達と同じく、教育の結果に対して責任を負わねばならない。ろくでもない教育を施されて、成績が上がらない三重県の子供たちは不幸である。三重県の東大合格者が少ないのは、ここにも原因があるというべきだろう。
 もちろん、何度も繰り返して指摘してきたことだが、現場の教師の責任は重大だ。三重県の子供たちは、他府県の子供達と比べて著しく素質能力が劣るのか。そうではあるまい。それなのに結果が伴わないのは、ひとえに指導する教師達の怠慢である。県と市町村の教育委員会は、現場の教師達の研修体制を整え、実のある授業を実行する具体的な対策を早急に立案して実施しなければならない。

 学テの結果を配信した「共同通信」が、「万年最下位の常連であった沖縄が飛躍的な上位への躍進を見せたのを除いて、上位・下位の都道府県は固定化している。毎年実施する意味がない」などとピンと外れな記事を書いている。
 もっと沖縄の躍進を評価するべきだろう。また先年、大阪府のレベルの低さに橋下知事が激怒して大喝を入れたところ、上昇に転じたという事例もあった。橋下と鈴木英敬では比べるべくもないかもしれないが、下降一方でついに全国最低に落ちぶれた三重県は何をしているんだぐらいの記事を書いてこそ、世の中のレベルアップにつながるというものである。

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