活字だけを追うだけにしておけばいいのに、中身の一つ一つに首を突っ込んでしまう、僕の性癖は如何ともしがたい(苦笑)。
例えば、「信仰とは何ぞや」と問う「大審問官の章」では、『獣にまたがり、両手に神秘を握り締めている女』とは、『黙示録』第17章以下に登場する大淫婦バビロンを指している…と書かれていると、「黙示録」・「大淫婦バビロン」を調べずにはおれない。
結果、「ヨハネの黙示録」の中に、「大淫婦バビロン」…堕落しきった女性として暗喩されているものの正体は、キリスト教を迫害したローマ帝国であり、彼女が乗る7つの首の獣はローマ帝国の7人の皇帝を示している…ことが解った。
40年前に読んだときには見過ごしてきたことが、今は素通りできないのは、進歩なのだろうか、人生が深まったのか。それとも、何にでもこだわる頑固さが、歳とともに嵩じたのか(苦笑)。
夕方、ひろちゃんから、「 『ドストエフスキーを亀山郁夫が読み解く』という放送があったよ。番組名は、「知るを楽しむ この人この世界 -亀山郁夫 悲劇のロシア-」。
私が見たのはNHK教育3で、昨日の日曜日の朝10時から10時25分まででしたが、調べたら本放送はNHK教育2で月曜…、だから今日の夜10:25〜10:50分まで。今夜は2回目の「白痴」だよ。」とのメールが届いた。
早速ビデオに録って、先刻見た。「白痴」は、純真な若い公爵レフ・ムイシュキンと暗い情熱を秘めた大資産家ロゴージン、そして
謎の生い立ちを持つ美女ナターシャの三角関係の物語。亀山郁夫は放送の中で、「この小説は、愛を性的なものと捉えれば、入り口も出口もない物語となるが、精神的なものだとすれば、無限の広がりを持つ」のだと説いていた。ムイシュキンに魅(ひ)かれながら、自らの過去や屈折した感情のままにロゴージンに身を任せるナターシャ。それでもムイシュキンとの結婚に漕ぎ着けるのだが…。
重いなぁ、ドストエフスキーは。40年前に「カラマーゾフの兄弟」を読んだときは、ややこしい小説だと思ったけれど、今は重くて仕方がない、人生とは何ぞや…と。
と、いいながら、第4巻へいくわけだけれど、1〜3巻は500ページぐらいなのに、第4巻はなんと700ページもある。もう一度、気合いを入れ直そう。
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