【108】衆院千葉7区補選、民主党 太田和美ちゃん当選が意味するもの  2006.04.25


 自民党と民主党が総力戦を展開した衆院千葉7区補欠選挙は、民主党の前千葉県議・太田和美ちゃん(26)が当選。偽メール問題で結党以来の危機を迎えていた民主党に、起死回生の勝利をもたらした。

 日本の改革を望む民意は、昨年9月の総選挙で郵政民営化を唱える小泉首相に大きな議席を与え、小泉改革を後押しした。しかし、依然として続く、したい放題の役人天国…官僚支配の構造や、天下り・談合などの官民なれあい、どこまでも甘えている銀行が未曾有の利益を出している現状など、この国の隅々に溜まったゴミやホコリは、長年にわたり癒着を生じてきた与党自民党では掃除しきれないことに気づいてもいる。
 太田和美ちゃんの勝利を予想した一項を、私は4月16日のこのサイトに、「わが国の改革の総仕上げは政権交代で完成することを、国民が知っていることの表れ」という理由を添えて書いた。
 国民の意識の底流には、この国の癒着構造を断ち切り、無節操な役人天国や無定見な銀行に対する肩入れなどの一方、増税をチラつかせ、依然として無利子政策を続けるなど、国民をないがしろにした昨今の政治状況に対する怒りがある。これらの不条理を修正し、この国に真の民主主義を根付かせ、正義がなされる社会を構築するためには、政権交代が不可欠であることに気づいているのである。
 今回の千葉補選はまさにその現れであり、ホリエモンを擁立したライブドア事件・防衛庁の官製談合事件・耐震データ偽造問題・BSE米国産牛肉輸入問題のいわゆる4点セット、そして日歯連1億円疑惑や沖縄基地問題などといった重要にして具体的な材料がありながら、偽メール事件で腰砕けになった民主党が追求できなかった、自民党政治に対する国民の意思を示したものと言える。
 だから、もっと楽勝できたはずで、955票の僅差とはむしろ意外であった。千葉は、やはり強固な保守の地盤であったということだろうか。


 ここでひとつ息抜きをした民意が、このまま民主支持に動くとは考えられない。小沢新体制が支持されたと喜ぶのは早計である。国民は、小沢一郎に期待するところはあるけれども、その政務は未知数であり、体質や前歴をいぶかっている部分もある。
 小沢一郎と自民党は、ここで向けられた民意を核として、これを大きく育てていくことを考えなくてはならない。小沢代表の一挙手一投足を魅力あるものにし、国民に解りやすい政策を的確に提示し、全党一丸となっての政党活動を展開していくことが大切である。
 改革の総仕上げ・完成のためには、政権交代が不可欠であることをこれからもしっかりと訴え、政府・与党の襟を正すことを促すとともに、政権担当へ向けての布石を着々と進めていくことだ。ここでまた国民の期待を裏切り、見放されては、もう民主党に再生の機会は訪れない。




【107】 民主党再生への鍵 −小沢一郎の「日本再生」−        2006.04.16


  千葉は保守王国だけれど、衆議院補選千葉7区は太田和美ちゃん(26)の当選で
 決まりでしょう!



 23日に衆院選補選千葉7区の投票が行われる。千葉は自民党の金城湯池、保守が圧倒的に強い土地柄だが、今回の補選では太田和美民主党候補の当選が実現することだろう。
 偽メール事件で民主党はガタガタ…、前原民主党執行部が退陣し、自民党には励ましの言葉を送られるていたらく…。揺れ動く中で、小沢一郎執行部が誕生した。
 小沢新民主党は、早速、その試金石としての参院選補選に直面する。23日の投票日に向かって、今、懸命の選挙戦を戦っている。
 しかし、今回の千葉補選は、太田和美ちゃんの当選で決まりだろう。決め手は「自民党独走に対する歯止めとしての、民主党におくるエール」である。不祥事を起こした民主党の失態は無様なものであったけれど、ことの推移を見守る国民の目は、民主党に対していつしか同情的で、「自民党よ、不祥事ならばお宅が本家本元…。自分のことを棚にあげて、そこまで相手の弱みに付け込むのは無節操過ぎるンじゃないの」と言っていた。
 私見をいえば、民主党は謝ってしまったことが失敗であった。悪いことをしたら謝らなくてはならない…というのは社会的常識であるが、政治的常識ではないことを、民主党の若手執行部は知らなかった。
 悪いことをして居座る輩は、こと政治の世界では珍しくもなんともない。小悪党ならば日歯連事件の橋本派執行部の面々…、大悪党ならば大量破壊兵器を発見できなくともイラクに居座るブッシュ政権やチベット・新彊ウイグルを不法占拠した中国政府…などなど。居直るほど、大物なのだ(苦笑)。


 太田和美ちゃんの当選は、新生民主党への期待を表したものなのか。いやいや、小沢民主党に対しての期待は、未知数というしかない。小泉首相の言う通り、小沢一郎も鳩山由紀夫も渡辺恒三も、古い自民党の構成メンバーであった。国民は、まだまだ小沢民主党を信用してはいまい。
 ならば、国民はなぜ太田和美ちゃんの当選を支持したのか。日本の未来のためには健全な野党が必要であり、改革を推進し完成させるためには政権交代が必要であることを、国民が知っているからである。国の仕組みの隅々に溜まったゴミは、現政権では掃除しきれない。政権が変わることによって、癒着の構造や既得権のうまみなどを断ち切ることができ、政治や行政の襟が糺されることに、国民は気づいているからである。そのための受け皿として、民主党には頑張ってもらわなくてはならない。


 小沢新民主党は、多くの政策を自民党と共有しているが、大きく違わないからこそ、幅広い国民から支持されるのである。「A級戦犯を分祀する秘策はある。その方法は政権をとったときに言う」などと、無理に対決軸を作ろうとしては、人々の信頼は得られまい。
 自民党との共通項を認めながら、小沢代表は明確にやるべきことを示すことだ。彼はその著書『日本改造計画』のなかで、まず『自己責任』を説き、「普通の国とは安全保障に役割を果たし、人類の課題について国際協力のできる国」「アジアのリーダーとして正しい歴史認識を持て」「教師は聖職者として、労働三権を認めない代わりに特別職としての身分保障を」などと訴えている。アメリカとの友好を外交の機軸に据えているところなど、自民党のスタンスと変わるところはない。むしろ、小泉改革こそ『日本改造計画』のパクリであると主張し、その不徹底さを指摘すればよいのではないか。
 その上で、政治の手法の違いをより鮮明に打ち出していくべきであろう。小泉政権でもなしえなかった、政官の癒着構造を断ち切り、長年の自民党政治の膿を取り除くこと。与党と内閣の一体化(『日本改造計画』のなかのことば)を実現して、政治の強力なリーダーシップのもと、国の実権を官僚から政治家へ取り返すとを公約し、実現することだ。そのためには政権交代が不可欠であることを、しっかりと訴えることだろう。そこに政権の受け皿としての民主党の役割が存在し、国民の未来を託する意味がある。



【106】 祝 WBC 日本優勝! −日本的ナショナリズムの萌芽−    2006.03.22


 「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック…野球の国・地域別対抗戦)」は21日(現地時間20日)、米国サンディエゴのペトコ・パークで決勝が行われ、王貞治監督(ソフトバンク)率いる日本が10―6でキューバを破り、初代世界王者となった。
 この決勝戦を中継したテレビの平均視聴率は43.4%(関東地区)、瞬間最高視聴率はゲームセットの瞬間(午後2時58分)の56.0%、また、番組視聴占拠率は72.7%で、テレビをつけていた家庭の4軒に3軒近くが野球中継を見ていた計算になる。
 新聞の号外に殺到する人々の熱気からも、湧き上がる歓喜の様子を感じることができた。みんな、日本が好きなんだ。
 政治的にも経済的にも随所にアメリカへの追従を余儀なくされ、中国・韓国には叱られ続けてなおも十分な反論ができずお詫びを繰り返すニッポンの姿…。自慢の経済も、失政の中で長い不況が続き、自信を失くしていた人たちが、鬱積していた気持ちを爆発させたような盛り上がりであった。


 この高揚は、日本国民としての誇りを取り戻そうとする萌芽となりうる出来事ではないかと思う。
 全ての出発点を第2次世界大戦の敗戦からスタートした戦後日本は、現在では世界中の各界から正当性を否定されている東京裁判史観に現在も拘束され、日本人の中に受け継がれてきた精神的支柱を瓦解させる教育の中で、この60年間を歩んで来ている。既に、根拠のない捏造であることが証明されている南京大虐殺や従軍慰安婦などの問題も、国民の多くは、それらが一部のマスコミのデッチ上げと中韓のプロパガンダが呼応して作り上げられた虚報であることを知らされずに、未だに負の遺産として背負い続けている。
 さらに、有識者といわれている人たちの中にも、なおこのことについて日本の罪はぬぐえないと言い続けている人々がいる。なぜ、歴史の真実に向き合おうとしないのだろうか。あるいは、なぜ、歴史を歪曲して、自虐的な国民世論を敷衍させようと図るのだろうか。
 「日本優勝」の日の読売新聞には、『横綱朝青龍が「日の丸を振って応援に行きたかった」と話した』という記事が掲載され、『王監督は「父は中国大陸出身。自らは日本で生まれたが、台湾籍。甲子園の選抜大会で優勝投手となった早実高時代には、国籍の問題から国体に出場できなかった。それでも、日の丸を背負って戦うことに違和感はない」と言い、大会前、会見で国籍について問われた時には、「日本で生まれて日本で教育を受け、日本で野球を覚えた。自分は日本人的な人間だと思っている」と言い切った』と伝えている。イチローも、日ごろのクールなプレースタイルからは想像もできない熱い思いを、『日の丸を背負う重みを感じて戦いたい』とぶつけていた。
 また、日本だけでなく、韓国は「国家」を背負うことへの意識がさらに強かったし、決勝で日本に敗れたキューバの選手たちは、花吹雪の凱旋パレードでたくさんの人たちに迎えられていた。
 今回の日本の優勝が、日本を愛し、日本人に生まれたことを喜ぶ、ナショナリズム発揚へのひとつのスタートになるのではないか。優勝した日本を誇りに思い、日の丸を掲げて日本チームを応援することを、偏狭なナショナリズムの復活であるとか、日本軍国主義の萌芽を懸念するなどと、あらぬブラフをかけることはもう卒業しなくてはなるまい。


 日本人の誰もが喜び、日本という国を誇りにしたこの優勝を、日本人としての矜持を持ち続けることができる慶事にしたいと思う。第2次世界大戦開戦事情の再検証、満州建国の必然性、東京裁判の誤謬、戦後政治の見直しを行い、日本の国家と国民に自信を取り戻す機会にしたいものである。




【105】 ホリエモン逮捕劇 − 恥知らずなマスコミ、コメンティター − 2006.01.24


 「ライブドア」社長のホリエモン(堀江貴文氏、33)が、昨夜、グループの証券取引法違反事件で、東京地検特捜部に同法違反(偽計、風説の流布)容疑で逮捕された。
 ライブドアの脱法的な経営手法について、東京地検特捜部は昨年2月、ニッポン放送株を「時間外取引」で大量取得したことを機に内偵捜査を始め、隠密裏に捜査を続けてきたという。昨年夏にホリエモンが総選挙に出馬したため、選挙への影響を避けるため捜査は一時中断したが、グループ元社員ら内部関係者からの情報提供によって、捜査は核心へとたどり着き、1週間前に家宅捜査、その後、ライブドアの取締役ら数人の事情聴取が続いていた。
 サンケイ紙の伝えるところによると、「昨23日午後3時45分ごろ、東京都内のホテルの一室で、特捜部の検事がホリエモンと向かい合って座り、任意で事情聴取を始めた。この聴取も16日の捜索も、証券市場の混乱を避けるため、市場が閉まる午後三時以降に始められた。 堀江社長は、一通り検事の質問に答えた後、午後6時過ぎ、霞が関の東京地検へ同行を求められ、他の3人の役員らとともに地検で逮捕の手続きが取られたのは、午後7時40分だった」とある。
 これに伴い、東京証券取引所は、大幅な値下がりの続くライブドア株を整理株に指定し、上場廃止を視野に入れて審査するといい、押しかけ女房に提携を強要された形のフジテレビは、これ幸いと提携解除を宣言し、慰謝料ならぬ…持ち株の目減り損分の損害を賠償請求するという。


 昨夜から、テレビは、ホリエモン逮捕で持ちきり!


 つい先日までは「時代の寵児」なんて言って持て囃していたのに、逮捕されたとなると、寄ってたかってパッシング…。彼を乗せて拘置所へ向かうライトバンを、上空からずっとヘリコプターで追っていた。
 このマスコミの変わり身の早さ…無節操ぶり…、恥ずかしくないのかと思う。無知な大衆に、いい加減な情報を流し続けて、ライブドアの株価をつり上げてきた過程には、彼らマスコミやそこに巣食うコメンテーター、言論人たちが、大きな役割を果たしてきたのではなかったのか。
 テレビ画面に向かって絶叫口調で語る古舘伊知郎の破廉恥さに、見ているほうが恥ずかしくなってチャンネルを変えたら、福留ちゃんも…筑紫哲也のおっさんも…、同じ時間帯に同じようなことを言っていた。
 こんな輩(やから)を信用してはいけないとつくづく思った。彼らは報道に名を借りた虚構の世界の操り人形なのだ。もっともらしいことを言うから、ついついそうかなと思ってしまうけれど、結果について何の責任も取ろうとはしない。むしろ、自分たちに何の責任があるというのだと、きっとそう思っていることだろう。そうでなくては、一言の反省も謝罪もしないで、のうのうとテレビに向かって口を開くことはできまい。
 その中で、宮崎哲弥だけが、今朝(24日朝)のテレビで、「マスコミは自分も含めて、大いに反省しなくてはならない」と言っていた。以前は、鼻につくものの言い方が生理的に好きではなかったのだが、最近、さまざまな分野に顔を出す彼の論旨がしっかりして根深くぶれないことに気づき、テレビで見ると注意を傾けるようになった。そこへ今朝の発言だから、かなり見直したわけである。
 そのあと、ライブドア関連を流していた番組があったので、見るともなくチャンネルを合わせていたら、ホリエモン批判がひとしきり続くコメンテーターのさえずりの途中で、司会者が「今日は鳥越さん、お休みの予定だったのですが、黙っていられないというので、急遽、駆けつけていただきました」と紹介して、鳥越俊太郎が入ってきた。休みを返上して、どうしても言わねばならないこと…、視聴者の皆様へのお詫びと反省かと思いきや、「ホリエモンを生んだ資本主義のあり方が問題」という眠いピンボケ話。スタンスの定まらない人は、喋る資格がないことを知るべきだ。


 ホリエモンは広島カープの買収計画を進めていたという。武部自民党幹事長、奥田経団連会長も後押しして、実現へ向けて驀進中の企画であった。時代も、社会も…、新しい世代の旗手としてホリエモンを迎え入れ、砂上の楼閣に大きな期待をかけていたのである。
 僕は、今年の年頭所感の中の経済の項で、「ホリエモンたちは虚業の世界に咲く仇花…」と書いた(http://www.ztv.ne.jp/kyoiku/Nippon/103N%20higashi-asia.htm)、「負けのないマネーゲームで利ざやをついばむ幻術師」とも。なぜか…、簡単なことである。お金を稼ぐ商品を持っていないからである。
 今や世界の経済の主役と言えるIT産業関連であるけれども、確固たる売り上げを計上する主力商品を持たないホリエモンを、資本主義の申し子と祭り上げたマスコミとその関係者は大いに反省して然るべきであろう。


 ホリエモンを乗せたワンボックスカーが、拘置所の門をくぐって、夜の中へ消えていった。赤いテールランプを飲み込んだ夜の闇に覚えた、得体の知れない不気味さは、得意の絶頂にあって、「人の心は金で買える」と豪語していた男の夢を、一瞬にして葬り去った絶対権力…検察に対する不信なのか。
 検察は、「裏金づくり」(http://www.ztv.ne.jp/kyoiku/Dokusyo/71uragane.htm)という明らかに法律違反の自らの疑惑に、調査委員会を設置したり、第三者による査察機関の検査を受けたりして、どこからどんな指摘を受けても揺るがない潔白を示して、自らの無罪を証明すべきであった。人の不正を追及し、世の中の悪を糺す立場にあるものの、当然の責務であろう。
 北海道警を発端とした「警察の裏金づくり」とともに、この検察の疑惑に対して、マスコミの追及の姿勢は誠に不甲斐ない。
 この検察に逮捕され、取り調べられるということの不気味さ…。白を黒と言い、事実を歪曲し、疑惑を捏造するのではないかという恐ろしさが付き纏(まと)うのは、日本という国の社会が負う業の深さであろうか。




【104】 78分間の歌合戦  −新企画もずっこけた−        2006.01.08


 やっと「歌合戦」を観た。12月31日、テレビをじっくり見て年を越すほど優雅でないので、ビデオに録っておいたものだが、今日までそのままにしていた。
 かつては視聴率80%といわれた、大晦日の恒例行事も、レジャーの多様化や歌謡曲の世代間格差が開いて、家族みんなを4時間、テレビの前に座らせる力はもうない。あまりの視聴率の低落振りに、NHKは全局の知恵を絞って新機軸を打ち出しての今年であった。それがみのもんた山本コウジ仲間友紀恵の起用であったのだが、みのもんたの独断専行で番組をリードするには巨大なイベント過ぎたし、山本・仲間の司会は原稿を読むお粗末振り…、とても臨場感・躍動感あふれる進行など望むべくもない展開であった。


 さて、のビデオを再生… オープニングは早送り、白組トップは細川たかしで早送り。赤組の川中みゆきは1コーラスだけ聞いて、あと早送り…。この差は、僕の個人的な嗜好の問題だ。
 … 水森かおり「五能線」は、最近、僕がカラオケでよくうたう歌。じっくりとフルコーラスを見るも、端折(はしょ)られていた。 次の坂本冬美は1小節で早送り…。 水森かおりと坂本冬美の間にも、誰か出ていただろうって、みんな早送り。ここに名前の出てこない人は、全て早送り。
 … 松浦あやや〜モーニング娘 遅いほうの早送り。歌は聞きたくないけれど、仕草をチェック。


 応援に登場したお笑いタレントたちのシラケぶりはどうだ。何をしてもケラケラ笑う、芸を見る目も乏しい若い子達を、テレビ局のスタジオに集めた前で、浮かれた芸を繰り返しているからだろうが、このレベルの低さには唖然とさせられた。ホントに、大阪のにいちゃんねえちゃんの立ち話のほうがよほど面白い(故横山やすしがダウンタウンを評した言葉)というのは、真実を突いている。今のお笑いブームは、繰り返し流されるテレビ画面が作り出したブームでしかない。


 … 長山洋子の今風メイクにはちょっと無理があったなと思いつつ、2小節で早送り。藤あや子美川憲一などなど、フルスピード早送り。
 前川清が石原裕次郎の「夜霧よ今夜もありがとう」を歌っていた。これも紅白の品位を貶める、くだらない企画だ。裕次郎の味わいが出せるわけもなく、前川清にヒット曲がないことを示しているだけ。同じく、トリに、天童よしみが美空ひばりの「川の流れのように」を歌っていたが、フィルムコンサートを企画して2人を偲んだほうが、よほど感銘を与えただろう。
 鳥羽一郎・山川 豊の兄弟コンビもよかった、1コーラスで早送り。香西かおり「無言坂」は僕の好きな歌だからフルコーラスを聞いたが、香西かおりは声が出ていない。
 吉永小百合が出てきて、いきなり反戦詩を読み始めたのには面食らった。続いて歌った、さだまさしの「広島の空」の前哨だったわけだが、そうとは知らないままに、吉永小百合が「父を返せせ、夫を返せ」と言い始めたものだから、ずいぶん唐突な感じがして、彼女の左翼的嗜好がまたぞろ顔を出したのかと懸念した。NHKもしっかり企画を練らないと、吉永小百合をさらし者にしたのでは、世のサユリストから受信料不払いを宣告されることだろう。さだまさしの歌には、なぜか聞き入ってしまった。


 後半オープニング。好き歌No1だというSMAPの「世界にひとつだけの花」の歌詞に驚いた。『花は1番を争わず、only oneを誇っている。』とか『人間はどうしてそんなに比べたがるの?』など、無気力日本を象徴するような歌をうたっている。これが「好き歌No1」なんて、中国公安局から大量投票があったのではないのか。『その花を咲かせることだけに、一生懸命になればいい』と歌う歌手が、韓国KGBの手先に見えてきた。この日本、民主党には悪いけれど、もう諦めるしかないか!
 幸田来未はいい。プロポーション、踊り…何をとってもいいが、歌声もはっきりしていて、訴えかけてくる迫力がある。高性能マイクに頼って、囁くようにしか歌えない歌手が多い中で、抜群のパンチ力を持っている。巻き戻して2回見てしまった。山口百恵になれるだろうか…、もう少し、日本を諦めないで見ていようか。
 浜崎あゆみ氷川きよし…フルスピードパス。ゴリエ…見たことなかったので、テープ再生。これは歌でなく、エアロビクスの発表会。
 小林幸子、さすがの大舞台である。虫歯のキャンペーンかと思ったバックの絵だったけれど、大掛かりな小学生の学芸会のような野暮ったさに、ますます拍車がかかっていて素晴らしい。一青 窈はぶきみ。石川さゆりは夜叉面の怖さ、森進一はあわれ。
 夏川りみ「涙そうそう」はフルコーラス聞いた。宮里 藍もそうだが、沖縄の子らしい、つやつやしたおばちゃん顔をしている。もう30年もすれば、2人とも日本を背負う、りっぱなおばちゃんになることだろう。
 松任谷由美が、香港から映像参加…。彼女は声の特異さだけが魅力であったが、もうその声も出ない。それに引き替え、競演していた中国の若手歌手の清らかな歌声、優しさ溢れる歌唱の上手さはどうだ。日本の若手のような、何を言っているのか分らないようなテクニックではなく、相手の心に響く力強い優しさなのである。来年からはアジア各地から、各国の歌手に参加してもらう企画はどうだろう。
 Dreams come true 出だしの2小節で早送り、五木ひろしも存在感なし。和田アキ子、白組からの出場に、やっぱり男かというギャグは陳腐だが、なんて歌をうたってるんだ。この辺すべてフルスピード早送り。
 北島三郎はさすが。歌にも舞台にもひきつけられた。「風雪流れ旅」を熱唱する背景は、おびただしい紙ふぶき…。あの大きな鼻の穴に吸い込まれていくのではないかと、手に汗握るスリルであった。
 

 かくして、78分間で2005年のは終わった。感想は、「こりゃぁ、誰も見ないわなぁ」というのが結論。僕たちの世代にはチンピラの怒鳴りあいのような歌は無理だし、若い子に天童よしみの魅力を説いても、「あの雪だるまみたいな人…」というぐらいで、歌唱を理解してはもらえまい。
 来年からは、2部か3部構成にすることだ。お年寄りから子どもまでがコタツに入って見る番組だから、世代分割の構成はタブーなのかもしれないが、もはや一家が揃ってひとつところで年を越すことはない。仮にみんなが集まってきたとしても、このを見ろというのは無理な話である。
 時間ももっと延長していいだろう。出場者ももっとたくさん登場させて、今年活躍した歌手、みんなが名前を知っている人を揃えることだ。… 6時〜8時までポップス、〜9時半ニューミュージック、〜11時45分は演歌といった構成にすれば、誰もが安心して見ることができる。それぞれの中へ、あっと驚く企画・演出をしていけば、歌合戦…という大晦日の年中行事は、大復活を遂げることだろう。




【103】 年頭所感 2006年の展望               2006.01.01


 明けましておめでとうございます。
  
本年も 何卒よろしくお願いいたします。
2006 ,年賀状

 いつものように机に向かいながら、新しい年を迎えた。2006年がどういう年であるのか、ひとつの区切りとしての意味から、我が身を含めて振り返ってみよう。 

 昨秋の衆院選での自民党大勝を受けて、政権基盤を磐石のものとした小泉政権は、大胆な政策を実行することから、日本の方向が大きく舵切られる一年となるだろう。


 中韓からの反対を受けながら靖国参拝を続ける小泉首相に、国民が圧倒的な議席を与えたことは、かつて中曽根内閣が声高に掲げて、外国からの圧力によって頓挫させた戦後政治の総決算を、小泉内閣に託したことの現れであった。
 いつまでも敗戦を引き摺る日本の政治を、戦後61年目を迎えた今年、世界の国々の理解を得て、敗戦の呪縛から抜け出ることが出来るのか。
 今も横のテレビのニュース専門チャンネルは、コメンテーターたちの「アジア諸国を始めドイツですら日本の戦争を許していない」というコメントを流している。戦後社会が、彼らに刷り込んだ意識は、かくも根深い。彼らの耳には、戦後のアジアの聡明なリーダーであった、マレーシアのマハティール首相が、「戦後日本の成功はアジアの国々に大きな勇気と希望を与えた。日本はアジアのリーダーとして、アジアの躍進を先導するべきだ」と語った言葉は届いていない。
 12月、クアラルンプールで開催された、東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)首脳会議の議題「東アジア共同体」は大きな意義を持つ。社会構造を始めとして、産業・金融などの近代化を実現し、欧米に蹂躙されるアジアを世界に伍する力をつけていくことは、世界の半分以上の人口を擁するアジアの悲願である。『大東亜共栄圏』構想は、第2次世界大戦を戦うスローガンのひとつであったとして否定されるが、理念としての正当性を持っている。現代社会において、その実現が戦争への道に至ると主張するものは居まいが、民主国家日本は各国の調整役を果たして、歴史の扉を開けていきたいものである。


 内政では、道路公団や郵政公社の民営化を始めとして、道路特定財源の一般税化・医療報酬の低減など、かつては自民党の各部会に提示すれば族議員が寄ってたかってつぶし先送りして、まず実現することのなかった事項が、首相の指示で次々と決まってきている。
 さて、小泉改革は、政治家と完了の思うままにされてきた小泉首相の国の仕組みを、ホントに国民のためのかたちに整えていこうとする改革であるのかどうか、しっかりと見つめていかねばならない一年でもある。。
 たとえば、道路公団の6分社化は、これまでの借金の一部を税金で処理し、さらに天下り先を増やす仕組みであるという指摘がある。だから民営化は失敗だという主張は短絡的過ぎる。民営化によって生じるマイナス面を、どのようになくしていくかを論議することがあるべきかたちであろう。道路公団だけでなく、公務員の天下りを規制・禁止していくことを図っていかなくてはならない問題である。
 これまで政治家と官僚がほしいままにしてきた日本の仕組みを、国民の幸せのために機能するかたちにして、社会に正義の行われる国にしていくことが改革の目的である。小泉改革の道筋が、日本を人間が生きる共同体のあるべき姿に向かう道か、しっかりと見据えながらこの一年を送ることにしよう。


 日本経済は、政府資金を導入しながら、おびただしい中小企業を潰し、預金金利を限りなくゼロに近づけて、銀行の不良債権は激減…。中国特需に支えられた企業の事業の好転などによって、景気は上昇カーブを描いている。しかし、まだまだ好況感は一部企業だけで、中小企業や地方企業のほとんどには、ムードとしての景気上昇があるだけである。
 一部企業やIT関連に見られる株価の上昇は、急激過ぎるカーブを描いている。私は平成15年のこのサイトのページへ、格安すぎた日本の株価は、改革の目処がつく平成17年後半には劇的に上昇すると書いた(http://www.ztv.ne.jp/kyoiku/Nippon/066kabuka.htm)が、自民党大勝を受けてとはいうものの、この上昇率は急すぎる。
 うたかたの夢に踊る一般投資家の姿は、現今の世相を写すものである。背景には、マネーゲームによって大金を手にする、ホリエモン・楽天・村上ファンドらの姿があるのだろうけれど
、彼らは所詮、虚業の世界に咲く仇花だ。ITの基本ソフトを創出するわけでもなく、画面に映るバーチャルの世界に人々の興味をつなぐことによって金銭を稼ぎ、そこで得た巨額の資金によって、負けのないマネーゲームに利ざやをついばむ幻術師なのである。
 今の株価は、ムードが作り上げた実態のない価格である。これからまた、揺り戻しを繰り返しながら、日本経済のあるべき姿へと落ち着いていくことだろうが、今回は、あまりに高い一夜の夢を見ることになる一般投資家も、少なくないと思われる。


 社会については…、教育については…、三重県は…、今日、合併のなった新津市は…。さまざまに思うことはあるけれども、今日は長くなるので別の項に譲るとして、僕自信の1年について、少しお付き合いをいただこう。


 僕の今年は、出来るだけ、人とのかかわりを少なくして、ひっそりと生きていこうと思う。柄にもなく、殊勝な物言いだけれど、言い換えれば「自分の好きなように生きていく」ということだ。
 今までも勝手気ままに生きているくせに…と言われそうだが、ライフワークとしての仕事を2点完成させたい。司馬遼太郎は、『「坂の上の雲」を書き上げるために、世間との付き合いが疎遠になった』と書いていたが、集中するとはそんなものだろうと思う。「あいつ、生きてるのか」と言われることだろうけれど、ある部分ご容赦いただきたい。
 横着な生き方をすることになると思われるので、お叱りをいただいたり迷惑を掛けないためにも、人との交わりを疎にしていかねばならないと思う。お前ならば迷惑もやむなし…とお互いに言える相手を探して、これからを生きるということになるのだろう。
 そんな贅沢な人との巡り合いがあるのか…。それも、この1年の楽しみの一つである。年末に、「今の日本には『管鮑の交わり(かんぽうのまじわり)』はない」と叫んでいる僕が居たら、どうぞ笑ってやってください。



【104】 78分間の歌合戦  −新企画もずっこけた−     2006.01.08


 やっと「歌合戦」を観た。12月31日、テレビをじっくり見て年を越すほど優雅でないので、ビデオに録っておいたものだが、今日までそのままにしていた。
 かつては視聴率80%といわれた、大晦日の恒例行事も、レジャーの多様化や歌謡曲の世代間格差が開いて、家族みんなを4時間、テレビの前に座らせる力はもうない。あまりの視聴率の低落振りに、NHKは全局の知恵を絞って新機軸を打ち出しての今年であった。それがみのもんた山本コウジ仲間友紀恵の起用であったのだが、みのもんたの独断専行で番組をリードするには巨大なイベント過ぎたし、山本・仲間の司会は原稿を読むお粗末振り…、とても臨場感・躍動感あふれるリードなど望むべくもない展開であった。


 さて、のビデオを再生… オープニングは早送り、白組トップは細川たかしで早送り。赤組の川中みゆきは1コーラスだけ聞いて、あと早送り…。この差は、僕の個人的な嗜好の問題だ。
 … 水森かおり「五能線」は、僕がカラオケでよくうたう歌。じっくりとフルコーラスを見るも、端折(はしょ)られていた。 次の坂本冬美は1小節で早送り…。 水森かおりと坂本冬美の間にも、誰か出ていただろうって、みんな早送り。ここに名前の出てこない人は、全て早送り。
 … 松浦あやや〜モーニング娘 遅いほうの早送り。歌は聞きたくないけれど、仕草をチェック。


 応援に登場したお笑いタレントたちのシラケぶりはどうだ。何をしてもケラケラ笑う、芸を見る目も乏しい若い子達を、テレビ局のスタジオに集めた前で、浮かれた芸を繰り返しているからだろうが、このレベルの低さには唖然とさせられた。ホントに、大阪のにいちゃんねえちゃんの立ち話のほうがよほど面白い(故横山やすしがダウンタウンを評した言葉)というのは、真実を突いている。今のお笑いブームは、繰り返し流されるテレビ画面が作り出したブームでしかない。


 … 長山洋子の今風メイクにはちょっと無理があったなと思いつつ、2小節で早送り。藤あや子美川憲一などなど、フルスピード早送り。
 前川清が石原裕次郎の「夜霧よ今夜もありがとう」を歌っていた。これも紅白の品位を貶める、くだらない企画だ。裕次郎の味わいが出せるわけもなく、前川清にヒット曲がないことを示しているだけ。同じく、トリに、天童よしみが美空ひばりの「川の流れのように」を歌っていたが、フィルムコンサートを企画して2人を偲んだほうが、よほど感銘を与えただろう。
 鳥羽一郎・山川 豊の兄弟コンビもよかった、1コーラスで早送り。香西かおり「無言坂」は僕の好きな歌だからフルコーラスを聞いたが、香西かおりは声が出ていない。
 吉永小百合が出てきて、いきなり反戦詩を読み始めたのには面食らった。続いて歌った、さだまさしの「広島の空」の前哨だったわけだが、そうとは知らないままに、吉永小百合が「父を返せせ、夫を返せ」と言い始めたものだから、ずいぶん唐突な感じがして、彼女の左翼的嗜好がまたぞろ顔を出したのかと懸念した。NHKもしっかり企画を練らないと、吉永小百合をさらし者にしたのでは、世のサユリストから受信料不払いを宣告されることだろう。さだまさしの歌には、なぜか聞き入ってしまった。


 後半オープニング。好き歌No1だというSMAPの「世界にひとつだけの花」の歌詞に驚いた。『花は1番を争わず、only oneを誇っている。』とか『人間はどうしてそんなに比べたがるの?』など、無気力日本を象徴するような歌をうたっている。これが「好き歌No1」なんて、中国公安局から大量投票があったのではないのか。『その花を咲かせることだけに、一生懸命になればいい』と歌う歌手が、韓国KGBの手先に見えてきた。この日本、民主党には悪いけれど、もう諦めるしかないか!
 幸田来未はいい。プロポーション、踊り…何をとってもいいが、歌声もはっきりしていて、訴えかけてくる迫力がある。高性能マイクに頼って、囁くようにしか歌えない歌手が多い中で、抜群のパンチ力を持っている。巻き戻して2回見てしまった。山口百恵になれるだろうか…、もう少し、日本を諦めないで見ていようか。
 浜崎あゆみ氷川きよし…フルスピードパス。ゴリエ…見たことなかったので、テープ再生。これは歌でなく、エアロビクスの発表会。
 小林幸子、さすがの大舞台である。虫歯のキャンペーンかと思ったバックの絵だったけれど、大掛かりな小学生の学芸会のような野暮ったさが素晴らしい。一青 窈はぶきみ。石川さゆりは夜叉面の怖さ、森進一はあわれ。
 夏川りみ「涙そうそう」はフルコーラス聞いた。沖縄の子らしい、宮里 藍もそうだが、りっぱなおばちゃん顔をしている。もう30年もすれば、みんな日本を背負うおばちゃんになることだろう。
 松任谷由美が、香港から映像参加…。彼女は声の特異さだけが魅力であったが、もうその声も出ない。それに引き替え、競演していた中国の若手歌手の清らかな歌声、優しさ溢れる歌唱の上手さはどうだ。日本の若手のような、何を言っているのか分らないようなテクニックではなく、相手の心に響く力強い優しさなのである。来年からはアジア各地から、各国の歌手に参加してもらう企画はどうだろう。
 Dreams come true 出だしの2小節で早送り、五木ひろしも存在感なし。和田アキ子、白組からの出場に、やっぱり男かというギャグは陳腐だが、なんて歌をうたってるんだ。この辺すべてフルスピード早送り。
 北島三郎はさすが。歌にも舞台にもひきつけられた。「風雪流れ旅」を熱唱する背景は、おびただしい紙ふぶき…。あの大きな鼻の穴に吸い込まれていくのではないかと、手に汗握るスリルであった。
 

 かくして、78分間で2005年のは終わった。感想は、「こりゃぁ、誰も見ないわなぁ」というのが結論。僕たちの世代にはチンピラの怒鳴りあいのような歌は無理だし、若い子に天童よしみの魅力を説いても理解してはもらえまい。
 来年からは、2部か3部構成にすることだ。お年寄りから子どもまでがコタツに入って見る番組だから、世代分割の構成は考えられないのかもしれないが、もはや一家が揃ってひとつところで年を越すことはない。仮にみんなが集まってきたとしても、このを見ろというのは無理な話である。
 時間ももっと延長していいだろう。出場者ももっとたくさん登場させて、今年活躍した歌手、みんなが名前を知っている人を揃えることだ。… 6時〜8時までポップス、〜9時半ニューミュージック、〜11時45分は演歌といった構成にすれば、誰もが安心して見ることができる。それぞれの中へ、あっと驚く企画・演出をしていけば、歌合戦…という大晦日の年中行事は、大復活を遂げることだろう。



【105】 ホリエモン逮捕劇 − 恥知らずなマスコミ、コメンティター − 2006.01.24


 「ライブドア」社長のホリエモン(堀江貴文氏、33)が、昨夜、グループの証券取引法違反事件で、東京地検特捜部に同法違反(偽計、風説の流布)容疑で逮捕された。
 ライブドアの脱法的な経営手法について、東京地検特捜部は昨年2月、ニッポン放送株を「時間外取引」で大量取得したことを機に内偵捜査を始め、隠密裏に捜査を続けてきたという。昨年夏にホリエモンが総選挙に出馬したため、選挙への影響を避けるため捜査は一時中断したが、グループ元社員ら内部関係者からの情報提供によって、捜査は核心へとたどり着き、1週間前に家宅捜査、その後、ライブドアの取締役ら数人の事情聴取が続いていた。
 サンケイ紙の伝えるところによると、「昨23日午後3時45分ごろ、東京都内のホテルの一室で、特捜部の検事がホリエモンと向かい合って座り、任意で事情聴取を始めた。この聴取も16日の捜索も、証券市場の混乱を避けるため、市場が閉まる午後三時以降に始められた。 堀江社長は、一通り検事の質問に答えた後、午後6時過ぎ、霞が関の東京地検へ同行を求められ、他の3人の役員らとともに地検で逮捕の手続きが取られたのは、午後7時40分だった」とある。
 これに伴い、東京証券取引所は、大幅な値下がりの続くライブドア株を整理株に指定し、上場廃止を視野に入れて審査するといい、押しかけ女房に提携を強要された形のフジテレビは、これ幸いと提携解除を宣言し、慰謝料ならぬ…持ち株の目減り損分の損害を賠償請求するという。


 昨夜から、テレビは、ホリエモン逮捕で持ちきり!


 つい先日までは「時代の寵児」なんて言って持て囃していたのに、逮捕されたとなると、寄ってたかってパッシング…。彼を乗せて拘置所へ向かうライトバンを、上空からずっとヘリコプターで追っていた。
 このマスコミの変わり身の早さ…無節操ぶり…、恥ずかしくないのかと思う。無知な大衆に、いい加減な情報を流し続けて、ライブドアの株価をつり上げてきた過程には、彼らマスコミやそこに巣食うコメンテーター、言論人たちが、大きな役割を果たしてきたのではなかったのか。
 テレビ画面に向かって絶叫口調で語る古舘伊知郎の破廉恥さに、見ているほうが恥ずかしくなってチャンネルを変えたら、福留ちゃんも…筑紫哲也のおっさんも…、同じ時間帯に同じようなことを言っていた。
 こんな輩(やから)を信用してはいけないとつくづく思った。彼らは報道に名を借りた虚構の世界の操り人形なのだ。もっともらしいことを言うから、ついついそうかなと思ってしまうけれど、結果について何の責任も取ろうとはしない。むしろ、自分たちに何の責任があるというのだと、きっとそう思っていることだろう。そうでなくては、一言の反省も謝罪もしないで、のうのうとテレビに向かって口を開くことはできまい。
 その中で、宮崎哲弥だけが、今朝(24日朝)のテレビで、「マスコミは自分も含めて、大いに反省しなくてはならない」と言っていた。以前は、鼻につくものの言い方が生理的に好きではなかったのだが、最近、さまざまな分野に顔を出す彼の論旨がしっかりして根深くぶれないことに気づき、テレビで見ると注意を傾けるようになった。そこへ今朝の発言だから、かなり見直したわけである。
 そのあと、ライブドア関連を流していた番組があったので、見るともなくチャンネルを合わせていたら、ホリエモン批判がひとしきり続くコメンテーターのさえずりの途中で、司会者が「今日は鳥越さん、お休みの予定だったのですが、黙っていられないというので、急遽、駆けつけていただきました」と紹介して、鳥越俊太郎が入ってきた。休みを返上して、どうしても言わねばならないこと…、視聴者の皆様へのお詫びと反省かと思いきや、「ホリエモンを生んだ資本主義のあり方が問題」という眠いピンボケ話。スタンスの定まらない人は、喋る資格がないことを知るべきだ。


 ホリエモンは広島カープの買収計画を進めていたという。武部自民党幹事長、奥田経団連会長も後押しして、実現へ向けて驀進中の企画であった。時代も、社会も…、新しい世代の旗手としてホリエモンを迎え入れ、砂上の楼閣に大きな期待をかけていたのである。
 僕は、今年の年頭所感の中の経済の項で、「ホリエモンたちは虚業の世界に咲く仇花…」と書いた(http://www.ztv.ne.jp/kyoiku/Nippon/103N%20higashi-asia.htm)、「負けのないマネーゲームで利ざやをついばむ幻術師」とも。なぜか…、簡単なことである。お金を稼ぐ商品を持っていないからである。
 今や世界の経済の主役と言えるIT産業関連であるけれども、確固たる売り上げを計上する主力商品を持たないホリエモンを、資本主義の申し子と祭り上げたマスコミとその関係者は大いに反省して然るべきであろう。


 ホリエモンを乗せたワンボックスカーが、拘置所の門をくぐって、夜の中へ消えていった。赤いテールランプを飲み込んだ夜の闇に覚えた、得体の知れない不気味さは、得意の絶頂にあって、「人の心は金で買える」と豪語していた男の夢を、一瞬にして葬り去った絶対権力…検察に対する不信なのか。
 検察は、「裏金づくり」(http://www.ztv.ne.jp/kyoiku/Dokusyo/71uragane.htm)という明らかに法律違反の自らの疑惑に、調査委員会を設置したり、第三者による査察機関の検査を受けたりして、どこからどんな指摘を受けても揺るがない潔白を示して、自らの無罪を証明すべきであった。人の不正を追及し、世の中の悪を糺す立場にあるものの、当然の責務であろう。
 北海道警を発端とした「警察の裏金づくり」とともに、この検察の疑惑に対して、マスコミの追及の姿勢は誠に不甲斐ない。
 この検察に逮捕され、取り調べられるということの不気味さ…。白を黒と言い、事実を歪曲し、疑惑を捏造するのではないかという恐ろしさが付き纏(まと)うのは、日本という国の社会が負う業の深さであろうか。




【106】 祝 WBC 日本優勝! −日本的ナショナリズムの萌芽−    2006.03.22


 「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック…野球の国・地域別対抗戦)」は21日(現地時間20日)、米国サンディエゴのペトコ・パークで決勝が行われ、王貞治監督(ソフトバンク)率いる日本が10―6でキューバを破り、初代世界王者となった。
 この決勝戦を中継したテレビの平均視聴率は43.4%(関東地区)、瞬間最高視聴率はゲームセットの瞬間(午後2時58分)の56.0%、また、番組視聴占拠率は72.7%で、テレビをつけていた家庭の4軒に3軒近くが野球中継を見ていた計算になる。
 新聞の号外に殺到する人々の熱気からも、湧き上がる歓喜の様子を感じることができた。みんな、日本が好きなんだ。
 政治的にも経済的にも随所にアメリカへの追従を余儀なくされ、中国・韓国には叱られ続けてなおも十分な反論ができずお詫びを繰り返すニッポンの姿…。自慢の経済も、失政の中で長い不況が続き、自信を失くしていた人たちが、鬱積していた気持ちを爆発させたような盛り上がりであった。


 この高揚は、日本国民としての誇りを取り戻そうとする萌芽となりうる出来事ではないかと思う。
 全ての出発点を第2次世界大戦の敗戦からスタートした戦後日本は、現在では世界中の各界から正当性を否定されている東京裁判史観に現在も拘束され、日本人の中に受け継がれてきた精神的支柱を瓦解させる教育の中で、この60年間を歩んで来ている。既に、根拠のない捏造であることが証明されている南京大虐殺や従軍慰安婦などの問題も、国民の多くは、それらが一部のマスコミのデッチ上げと中韓のプロパガンダが呼応して作り上げられた虚報であることを知らされずに、未だに負の遺産として背負い続けている。
 さらに、有識者といわれている人たちの中にも、なおこのことについて日本の罪はぬぐえないと言い続けている人々がいる。なぜ、歴史の真実に向き合おうとしないのだろうか。あるいは、なぜ、歴史を歪曲して、自虐的な国民世論を敷衍させようと図るのだろうか。
 「日本優勝」の日の読売新聞には、『横綱朝青龍が「日の丸を振って応援に行きたかった」と話した』という記事が掲載され、『王監督は「父は中国大陸出身。自らは日本で生まれたが、台湾籍。甲子園の選抜大会で優勝投手となった早実高時代には、国籍の問題から国体に出場できなかった。それでも、日の丸を背負って戦うことに違和感はない」と言い、大会前、会見で国籍について問われた時には、「日本で生まれて日本で教育を受け、日本で野球を覚えた。自分は日本人的な人間だと思っている」と言い切った』と伝えている。イチローも、日ごろのクールなプレースタイルからは想像もできない熱い思いを、『日の丸を背負う重みを感じて戦いたい』とぶつけていた。
 また、日本だけでなく、韓国は「国家」を背負うことへの意識がさらに強かったし、決勝で日本に敗れたキューバの選手たちは、花吹雪の凱旋パレードでたくさんの人たちに迎えられていた。
 今回の日本の優勝が、日本を愛し、日本人に生まれたことを喜ぶ、ナショナリズム発揚へのひとつのスタートになるのではないか。優勝した日本を誇りに思い、日の丸を掲げて日本チームを応援することを、偏狭なナショナリズムの復活であるとか、日本軍国主義の萌芽を懸念するなどと、あらぬブラフをかけることはもう卒業しなくてはなるまい。


 日本人の誰もが喜び、日本という国を誇りにしたこの優勝を、日本人としての矜持を持ち続けることができる慶事にしたいと思う。第2次世界大戦開戦事情の再検証、満州建国の必然性、東京裁判の誤謬、戦後政治の見直しを行い、日本の国家と国民に自信を取り戻す機会にしたいものである。



【107】 民主党再生への鍵 −小沢一郎の「日本再生」−      2006.04.16


 千葉は保守王国だけれど、参議院補選千葉7区は太田和美ちゃん(26)の当選で
 決まりでしょう。



 23日に参院選補選千葉7区の投票が行われる。千葉は自民党の金城湯池、保守が圧倒的に強い土地柄だが、今回の補選では太田和美民主党候補の当選が実現することだろう。
 偽メール事件で民主党はガタガタ…、前原民主党執行部が退陣し、自民党には励ましの言葉を送られるていたらく…。揺れ動く中で、小沢一郎執行部が誕生した。
 小沢新民主党は、早速、その試金石としての参院選補選に直面する。23日の投票日に向かって、今、懸命の選挙戦を戦っている。
 しかし、今回の千葉補選は、太田和美ちゃんの当選で決まりだろう。決め手は「自民党独走に対する歯止めとしての、民主党におくるエール」である。不祥事を起こした民主党の失態は無様なものであったけれど、ことの推移を見守る国民の目は民主党に対していつしか同情的であった。
 私見をいえば、民主党は謝ってしまったことが失敗であった。悪いことをしたら謝らなくてはならない…というのは社会的常識であるが、政治的常識ではないことを、民主党の若手執行部は知らなかった。
 悪いことをして居座る輩は、こと政治の世界では珍しくもなんともない。小悪党ならば日歯連事件の橋本派執行部の面々…、大悪党ならば大量破壊兵器を発見できなくともイラクに居座るブッシュ政権やチベット・新彊ウイグルを不法占拠した中国政府…などなど。居直るほど、大物なのだ(苦笑)。


 太田和美ちゃんの当選は、新生民主党への期待を表したものなのか。いやいや、小沢民主党に対しての期待は、未知数というしかない。小泉首相の言う通り、小沢一郎も鳩山由紀夫も渡辺恒三も、古い自民党の構成メンバーであった。国民は、まだまだ小沢民主党を信用してはいまい。
 ならば、国民はなぜ太田和美ちゃんの当選を支持したのか。日本の未来のためには健全な野党が必要であり、改革を推進し完成させるためには政権交代が必要であることを、国民が知っているからである。国の仕組みの隅々に溜まったゴミは、現政権では掃除しきれない。政権が変わることによって、癒着の構造や既得権のうまみなどを断ち切ることができ、政治や行政の襟が糺されることに、国民は気づいているからである。そのための受け皿として、民主党には頑張ってもらわなくてはならない。


 小沢新民主党は、多くの政策を自民党と共有しているが、大きく違わないからこそ、幅広い国民から支持されるのである。「A級戦犯を分祀する秘策はある。その方法は政権をとったときに言う」などと、無理に対決軸を作ろうとしては、人々の信頼は得られまい。
 自民党との共通項を認めながら、小沢代表は明確にやるべきことを示すことだ。彼はその著書『日本改造計画』のなかで、まず『自己責任』を説き、「普通の国とは安全保障に役割を果たし、人類の課題について国際協力のできる国」「アジアのリーダーとして正しい歴史認識を持て」「教師は聖職者として、労働三権を認めない代わりに特別職としての身分保障を」などと訴えている。アメリカとの友好を外交の機軸に据えているところなど、自民党のスタンスと変わるところはない。むしろ、小泉改革こそ『日本改造計画』のパクリであると主張し、その不徹底さを指摘すればよいのではないか。
 その上で、政治の手法の違いをより鮮明に打ち出していくべきであろう。小泉政権でもなしえなかった、政官の癒着構造を断ち切り、長年の自民党政治の膿を取り除くこと。与党と内閣の一体化(『日本改造計画』のなかのことば)を実現して、政治の強力なリーダーシップのもと、国の実権を官僚から政治家へ取り返すとを公約し、実現することだ。そのためには政権交代が不可欠であることを、しっかりと訴えることだろう。そこに政権の受け皿としての民主党の役割が存在し、国民の未来を託する意味がある。



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